OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ある日突然、気になるメロディ

2011-11-24 14:55:42 | Pops

気になる女の子 / Messengers (Rare Earth / 日本ビクター)

ある日突然、脳裏を過る歌や心に浮かぶ素敵なメロディっていうのは、誰にでもあるはずです。

そして、それが何の曲だったのか、ほとんど断片しか思い出せなかったりすると、イライラが高じるのも、また自然の摂理だと思いますが、昨日からのサイケおやじは、ちょうどそうした現象に襲われ、ようやく今朝になって疑問が氷解したところで取り出したのが本日の1枚♪♪~♪

なんといってもイントロから躍動的するベースと共犯関係のリズム隊が直線的なグルーヴを作り出した次の瞬間、アッハァ~ン、アッハァ~ン、アッハッハッハッハァ~ン~、と悶え声で歌われるコーラスは微妙なファルセットと所謂「猫なで声」というやつなんでしょうが、演じているのはアメリカの白人男性グループであり、しかも発売元が黒人音楽の名門として揺るぎないモータウンの系列レーぺル「レア・アース」というあたりも、何かしら微妙なところでしょう。

つまり矢鱈に調子の良いメロディ展開とビートの作り方は所謂モータウンサウンドの保守本流を継承していながら、如何にも白人らしいコーラスワークやオカマチック(?)な雰囲気は典型的なバブルガムサウンドですから、特に英語の歌詞が即座に理解出来ない日本人のリスナーにとっては、まさに待ってましたのポップスヒットだったんですねぇ~♪

そして実際、日本では昭和47(1972)年の春~夏にかけて、それこそ爆発的なヒットになって、当時のレコード売り上げはトップアイドルだった天地真理や南沙織あたりと競うほどっ!?!

ですから迷わずカパーするグループも幾つか登場し、一番有名なのはNHKの歌番組「ステージ101」でメインのコーラスグループだったチャープスの日本語バージョン、あるいはフィンガー5のアルバム収録バージョンでしょうが、個人的にはチャープスが最高でしたねぇ~~♪ 告白すれば、それを聴きたくて件の番組を楽しみにしていた時期もあったほどです。

ちなみに本家のメッセンジャーズは結局、これひとつだけの「一発屋」ゆえに日本盤レコードジャケットの裏解説にも詳細なプロフィールは掲載されておらず、またアメリカでの「気になる女の子 / That's The Way A Woman Is」のヒット状況も中程度ですから、これは所謂「ニッポンの洋楽ヒット」でした。

ということは、如何に「気になる女の子 / That's The Way A Woman Is」が日本人向けであったかの証明でもあり、この曲のキャッチーなキメとなったリズムパターンは、以降の歌謡アイドルヒットにかなり応用されていった実情も侮れません。

ということで洋楽ヒットに刷り込まれた感性は、「刷り込まれた」と言うよりも、自分達の心の奥底にある琴線を刺激され、覚醒させられた部分も大きいんじゃないでしょうか。

もちろん、例えばその中心的役割を担っていた当時のラジオは、現代におけるPCやスマホ以上の影響力と実効性を持っていたわけですし、リスナーも疑う事を知らない素直さで楽しんでいたのですから、良い時代でした。

また良い時代であればこそのヒット曲というのも、確かにあると思うばかりです。

コメント
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