OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

人生に刷り込まれていくメロディの素晴らしさ

2011-11-05 15:57:46 | Pops

森を歩こう / Horst Jankowski (Philips / 日本ビクター)

サイケおやじが少年時代だった頃の情報源は、もちろんPCやスマホなんてものはありませんでしたから、必然的に速効性のあるものと言えばテレビとラジオでした。

そして中でも洋楽関係ではラジオがダントツで、またテレビだとローカル色の強いCMのバックミュージックにも印象的なものが本当に多く、それがまた知らぬ間に刷り込まれている事から、心のどこかに残っているメロディが何時までも気になったりします。

例えば本日ご紹介の「森を歩こう / Walk in the black forest」は軽快なピアノにちょいと不思議なほど刺激的なストリングスオーケストラのコラポレーションから成立している、なかなか素敵なインスト曲♪♪~♪ これは今でも事ある毎に各分野で使われていますから、皆様も必ずや一度は耳にしたことがあろうかと思います。

演じているホルスト・ヤンコフスキーはドイツのピアニストで、基本的にはジャズミュージャンだと思われますが、クラシックというか、室内楽風のアレンジが得意だったようで、残されているレコーディングにはイージーリスニング系の作品が多く、それゆえに作編曲者としての人気が高いようです。

しかしピアニストとしての存在感は、ハードバップ愛好者にはお馴染みのウイントン・ケリーっぽいピアノタッチとノリが好ましく、この「森を歩こう / Walk in the black forest」にしても、メインの曲メロはウイントン・ケリーが十八番のアドリブフレーズを再利用したが如きウキウキ感が極みつき!

実は告白すると、この「森を歩こう / Walk in the black forest」は昭和40(1965)年頃からのロングヒットでしたから、サイケおやじはウイントン・ケリーを知るよりも早く、こちらに馴染んでいた所為で、ウイントン・ケリーのアドリブを楽しんでいると、なんだか「森を歩こう / Walk in the black forest」のフレーズが飛び出してくるような気がするほどです。

つまり本歌取りの名曲ですよねぇ~~♪

しかし決して「森を歩こう / Walk in the black forest」は盗作ではなく、ホルスト・ヤンコフスキーのピアノにおける「手癖」が出たという事じゃないでしょうか。

似たような事例は、世の中に数え切れないほどあるのが音楽の真相のひとつであって、例えば大野雄二だって自分のピアノスタイルやアドリブフレーズから様々な自作曲を誕生させたと、某インタビューで語っていましたですねぇ。

ちなみに掲載した私有盤は中学生の時、放送室を改装するために捨てられそうになっていたところを貰ってきたもので、その頃は昼メシ時になると毎日のように校内放送で流れていた思い出の1枚です。

ということで、個人的に刷り込まれているメロディのひとつを本日はご紹介してみました。

いゃ~、こう書くと大袈裟になりますが、そういうものを大切することも、また人生の楽しみかと思います。

コメント
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