OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

恋する二人をカタカナで

2011-11-06 15:47:16 | Beatles

恋する二人 / The Beatles (Parlophone / 東芝)

客観的に残された歴史とリアルタイムで過ごしていた個人的な時空感覚の違いは言うまでもありませんが、殊更日本における洋楽のドメスティックな流行については、それすらも歪めてしまうことがあろうかと思います。

例えば本日ご紹介のシングル曲「恋する二人 / I Should Have Known Better」は説明不要、ビートルズが1964年7月に英国で発表した畢生の大傑作アルバム「A Hard Day's Night」に収録され、また同時進行的に制作公開された同名映画の挿入曲でもあったわけですが、この曲に関する限り、ビートルズへの馴染み方としては日本が世界中で一番じゃないでしょうか?

つまり我国でビートルズが本格的に大ブレイクしたのは前述した映画「ビートルズがやって来る ヤア!ヤア!ヤア!」が公開されてからだと思いますし、そこからの第一弾シングル「A Hard Day's Night」が真夏に大ヒットしたのに続き、秋からは「恋する二人 / I Should Have Known Better」が強烈な追い撃ちになっていました。

ですから、歴史的には「She Loves You」とか「抱きしめたい」によってビートルズが日本でも人気爆発という事では決して無いと思います。

と言うよりも、これは以前にも書きましたが、当時の日本の洋楽事情はアストロノウツの「太陽の彼方に / Movin'」が破格のメガヒットになっており、またそれをカパーした藤本好一、さらにはバックを演じた寺内タケシとブルー・ジーンズが翌年からの本格的なエレキブームの火付け役として人気を集めていたのですから、まだまだビートルズは単なるポップスバンドのひとつだったというのが、サイケおやじの記憶と印象です。

それが同年秋から年末になると、ラジオからは矢鱈にビートルズの歌と演奏が流れて来るようになり、特に「恋する二人 / I Should Have Known Better」は決定的!

 ア~~~~ィ

と、ハーモニカがメインのイントロから続いて歌い出すジョンのボーカルのインパクトは本当に強烈でしたねぇ~~♪

 ヨ~ゴ~ナァ、セイユ~、ラヴミ~、トゥ~~

というキメの歌詞がカタカナとして抜群に覚え易かったのも、これが大ヒットの重要ポイントじゃないでしょうか。

実際、サイケおやじはレコードを買う以前に歌詞をカタカナ発音で覚えていたほどでしたし、映画の中ではビートルズがトランプに興じる列車内のイメージも良かったですからねぇ~♪

ちなみに同年末の冬休み、歳末大売り出しの福引で小学生だったサイケおやじはトランジスタラジオを当てた幸運もあり、ビートルズに関して刷り込まれたのは「Please Mister Postman」と「恋する二人 / I Should Have Known Better」が原点となりました。

そして日本でビートルズが本格的に人気を掴むのは、約1年後に発売されるアルバム「4人はアイドル / Help!」からだと思うのですが、実はそれまでの助走期間に出されたシングル&アルバムに収録の様々な名曲名演の中でも、この「恋する二人 / I Should Have Known Better」の役割は決して小さくはないと思っています。

今はどうだか推察も出来ませんが、少なくともサイケおやじと同世代の皆様ならば、洋楽はカタカナで歌えてヒットする!

それが真実のひとつでしたよねぇ~~、本当に。

コメント (2)
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