OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

追悼、レス・ポール…、そして…

2009-08-15 10:50:50 | Rock

Living Loving Maid / Led Zeppelin (Atlantic / 日本グラモフォン)

間違いなくハードロックの王者だったレッド・ツェッペリンの傑作アルバム「Ⅱ」からカットされたシングル盤が、本日のご紹介です。

個人的には昔に書いた「レモンスクイーズ事件」により、レッド・ツェッペリンにはある種のトラウマがあるのですが、昨日はエレキの神様のひとりである偉大なレス・ポールの訃報に接し、それが一番似合うギタリストはジミー・ペイジかなぁ……、なんて思いついたわけです。

掲載のジャケットに写るジミー・ペイジとギブソン・レスポールのカッコ良すぎる相性は、まさにスタアの証じゃないでしょうか。

しかし、この曲を実際に聴くと、ギターの音はレスポールしていませんよね。多分、テレキャスター? ちなみに曲調はアップテンポで分かり易いリフを使ったR&Rのハードロック的な変奏で、レッド・ツェッペリンの演目の中では比較的コピーしやすいので、その頃のアマチュアバンドでは必修科目だったかもしれません。実際、私もやったことがあります。ただし楽曲そのものは、名盤「Ⅱ」の中では一番につまらないという感じもします。

さて、肝心の神様レス・ポールとギブソン・レスポールの関係ですが、レス・ポールは一般的にジャズギタリストであり、多重録音の商業的成功を編み出した人物として、生前より歴史に名を刻していました。そしてレス・ポールがギブソン社にアイディアを持ち込んで作り上げたのが、レスポール・モデルというわけです。

ご存じのようにギブソン社は公式には世界初とされるエレキギターを1935年に開発していますが、それはもちろんホローボディでした。ところがレス・ポールが提唱したのはソリッドポディ!

基本的には表板がメイプル、裏板がマホガニーとされ、シングルコイルのピックアップが2個ついていますから、切れ味鋭い音色とナチュラルのサスティーンがそれまでとは決定的に異なる魅力でした。

これが1952年頃の事であり、ちょうど黒人R&Bと白人のC&Wが融合し始めていた時期でもあり、そのレスポールモデルは忽ち多くのギタリストに評判となり、1950年代末にはライトゲージが開発されたこともあって、以降はロック系ギタリストの御用達となるのです。

サイケおやじが憧れる多くのギタリスト、例えばジェフ・ペック、デュアン・オールマン、ピーター・グリーン、マイク・ブルームフィールド、ミック・テイラーあたりは、全員がレスポールを愛用しているのも何かの偶然では無いでしょう。

アンプとの組み合わせによって、馬力のある音から繊細な美しい音色を活かした表現まで、その汎用性の高さもロングセラーの秘密だと思います。それは1958年のモデルから搭載されたノイズ消しシステムを使った通称ハムパッキングのピックアップにより、尚更に顕著となりました。

あと、実際に弾いて驚くのが、滑らかなタッチのネックで、ほとんどフレットの存在を感じないほどです。また演奏するスタイルが、これほど絵になるギターも無いと思いますねぇ~。逆に言えばレスポールは構えているだけで、カッコイイ♪♪~♪

そして言い訳がましく、サイケおやじも持っていますが、告白すると、最初に買ったのは東海楽器で出していたレスポールモデルでした。これは今でも愛用していますよ。だって、本物よりも凄い音が出るんですよっ! オーバードライヴとの組み合わせがベストと断言します。

閑話休題。

気になるジミー・ペイジとレスポールとの関係については、このギタリストはアイディアの人だと思いますから、その緻密に作り上げたリフと演奏全体のバランスを活かすためには、マーシャルのような馬力型のアンプを使い、あまりオーバードライヴさせない低いボリュームでナチュラルなディストーションを出していると思うのですが、いかがなもんでしょう。

もちろんレコーディングの実際の現場ではテレキャスターを多用している感じもしますし、ライプステージでは、例のダブルネックも弾いていますからねぇ~。必ずしもレスポールだけの人ではないんですが、仰天させられたエレキギターのアルコ弾きとか、そうした印象的なライプショットの数々から、レスポールといえばジミー・ペイジと決定づけるに十分でした。

最後になりましたが、私がこのシングル盤を買ったのは昭和46(1971)年のことで、当時としては珍しいモノラル仕様になっていました。もちろんLPが買えなかったがゆえのことですし、後に友人から借りたアルバムの物凄さに圧倒されたことを思えば、なんか回り道だったなぁ……、と思います。

しかし繰り返しますが、問題の「レモンスクイーズ」事件を思えば、それも……。

そのあたりの青春の哀しみとやるせなさは、今となってB面収録のハードロック版黒人ブルースで、シミジミと癒されますねぇ。

あらためてレス・ポールに感謝!

衷心よりご冥福をお祈り致します。

コメント
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