OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ジャズノバよりはボサロック

2009-07-05 11:23:34 | Pops

マシュ・ケ・ナダ / Sergio Mendes & Brasil '66 (A&M / キングレコード)

昨日書いたフィフス・ディメンションと同じ頃、やはり男女混成グループとして大ブレイクしたのが、セルジオ・メンデスが率いるブラジル'66 でした。

彼等のやっているのはボサノバとされますが、個人的にはボサロックと呼びたいほどにサイケおやじがお好みのスタイル♪♪~♪ 本日ご紹介のシングル曲は、まさにその代表的なヒットとして忘れられません。

ちなみに私はボサノバの定義を不勉強で知りませんから、そんな暴言も吐いてしまうわけですが、個人的にはブラジル産のモダンジャズだと思います。とすれば、スタン・ゲッツやバド・シャンクというモダンジャズではバリバリの看板スタアがボサノバに共鳴するのも当然かもしれませんし、セルジオ・メンデスにしてもピアニストとしてはモダンジャズのスタイルを踏襲しつつ、既に1960年頃にはボサノバをメインに演奏するカルテットを結成し、相当な活躍をしていたと言われています。

そしてアメリカにも進出しますが、この時はイマイチ、成功出来ませんでした……。

ところが1965年になり、今度は女性のギタリストや歌手を入れた新編成のバンド、つまり「ブラジル'65」を結成し、エド・サリバン・ショウに出演したところ、これがウケまくり♪♪~♪ その後の巡業ではアメリカの有名クラブを回ることになり、大手のキャピトル・レコードからリーダー盤も発売されるという人気バンドになるのです。

しかしセルジオ・メンデスは、それで決して満足はせず、翌年には女性ボーカリストを2人、そのバックアップに男性メンバー4人という編成の新バンド「ブラジル'66」をスタートさせるのですが、その契約レコード会社が、当時は最先端のお洒落サウンドを追求していたA&Mというのも、絶妙でした。

ちなみにメンバーはジャニス・ハンセン(vo)、ラニ・ホール(vo)、セルジオ・メンデス(p)、ボブ・マシューズ(b)、ジョアン・パルマ(ds)、ジョース・ソアレス(per) となっていますが、女性歌手の2人はアメリカ生まれとされています。

さて、このシングル盤は1966年に発売され、A面収録の「マシュ・ケ・ナダ」がグループとしては最初の大ヒット♪♪~♪ それは我が国でも同様で、日本語カバーバージョンまでもが出てしまう人気曲になりました。

なによりも、それまでのジャズっぽいボサノバとは一線を隔する絶妙のロックビートが効いています。ズバリ、これがボサロック! ブラジルの現地語で歌われるメロディとリズムが、ハイセンスなアレンジとジャズのお洒落なフィーリングを隠し味として、最高に気持良く表現されています。

なによりも、このウキウキ感と女性ボーカルの仄かなセクシーさが幸せの青い鳥♪♪~♪

セルジオ・メンデスのピアノもジャズっぽくスイングしていますし、ドラムスと打楽器のコンビネーションは本場の魅力、そのものだと思います。

こうしたプロデュースは、メキシコ民謡とモダンジャズを融合させてヒットを飛ばしたハーブ・アルパートですから、さもありなんでしょうが、セルジオ・メンデスの先進的というか、ハイセンスというか、決してモダンジャズに拘っていない心意気も流石でしょうねぇ。

そうした部分は、グループが所謂ソフトロック路線に進んでいったことでも明らかですし、提示された音楽の楽しさや素敵なフィーリングは、世界中で後追いバンドを現出させるほどでした。例えば日本では「ハチのムサシは死んだのさ」のメガヒットを出したセルスターズが代表的なところでしょう。ボサノバ歌謡も、また、しかり♪♪~♪

そして夏はエレキとボサノバだっ!

私の知人には狂熱的なボサノバフリークがいて、本場のボサノバを年中聴いていますが、私のような者にはボサロックがジャストミートしているようです。そしてボサノバ歌謡とかボサロック風味のサントラ音源、はたまたレアグルーヴのボサロック的な演奏が大好きなのも、この「マシュ・ケ・ナダ」のおかげじゃないか? と思うのでした。

コメント
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