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サイケおやじの生活と音楽

不滅のワイルド7

2011-10-27 15:15:28 | Movie

ワイルド7

ワイルド7!

このタイトル! この名称!

サイケおやじと同世代の皆様ならば、必ずや血が騒ぐはず!

と、毎度の独善的な書き出しではありますが、望月三起也が週刊少年キングで連載をスタートさせた昭和44(1969)年秋から十年間に描き続けられた「ワイルド7」は、日本漫画史に屹立する大傑作として、今も人気が継続し、オリジナルの連載終了後には続篇やアニメ版が作られたのは言わずもがな、リアルタイムで人気が爆発していた昭和47(1972)年10月からの半年間にはテレビ版も放送され、社会現象にもなった問題作でありました。

それは物語の基本的なプロットが超法規的処置により悪人を抹殺するという趣旨であり、そのために集められた犯罪者7人のバイク警官部隊が問答無用の悪人退治! 当然ながら各種武器の使用、バイクの暴走、過激な暴力、ドロドロした世の中の腐敗、復讐と怨念と裏切り、さらにはエロスの大サービス♪♪~♪

そんなこんなが漫画という世界ながらも、当時の青少年のストレスを発散させてくれたのですから、幼少の頃からバイク好きのサイケおやじが連載初回からシビれきったのは言うまでもありません。

正直、こんな職業があったら、自分は絶対に「ワイルド7」に入りたいっ!

そんな夢想を抱いたこともありましたですねぇ~、恥ずかしながら。

ちなみに物語中の敵役には悪徳政治家、マスコミ、大企業、テロリスト、国家権力、さらには国際ギャング団や少数民族までもが入り乱れて登場し、加えて仲間内の疑心暗鬼や所謂「どんでんがえし」の連続によるスリルとサスペンスが上手く構成されていましたから、長大なストーリーも絶対に飽くことを知りません。

しかもバイク好きには「ホンダCB」「スズキハスラー」「ハーレー」「BMW」「トライアンフ」「ノートンコマンド」等々、またガンマニアには「コルトバイソン」「ミリタリーモーゼル」「南部」「ルガー」等々といった人気のモデルが出てくるのもたまらないところでしたし、適宜の改造にもグッと惹きつけられましたですねぇ~♪

そしてさらに言えば、肝心のバイクアクションの強烈さは圧巻の描写で、確かに漫画の世界ならではの逆進や壁昇り、あるいは水上走行等々もありますが、決して笑い話ではありません。否、むしろそれがあるからこそ、夢中になったファンが続出したのでしょう。

ですからテレビで実写版が作られたのも当然の流れであり、放送開始から忽ち高視聴率を達成したのですが、その過激な描写や物語設定そのものが良識派から糾弾され、例えばPTAとか、香りの高い団体からの抗議は猛烈! ワースト番組の筆頭格に名指しされたのも、また当然……。

ただしテレビ版はオリジナル漫画版よりも抑えた内容になっていますし、確かに街中をバイクで疾走したり、マシンガンの乱射や爆発シーンのド派手さはお約束以上だったかもしれませんが、それほど睨まれるものではなかったと、サイケおやじは思います。

と言うよりも、本来ならば原作にあるエロスの部分、つまり望月三起也ならではのグラマー美女のヌードや拷問シーン、さらには日常的な色っぽい仕草といった場面がテレビ版では無いに等しく、それが完全に物足りないと思ったのはサイケおやじだけではありません。

そして時が流れました。

なんとっ! 以前から話題になっていた劇場版「ワイルド7」が近日公開決定!

既に公式サイトでは予告篇もご覧になれるわけですが、残念ながら美味しい場面が不足気味という不安(?)は否定出来ません。

また実写版になると出演者のバイクの扱いがモロに描かれるので、スタントは当然ながら、あまり馴染んでいないとシラケるのがバイク愛好者の本音です。

そうした要点は前述したテレビ版では、草波勝を演じた川津祐介がプライベートでもバイク好きだった事から抜群に上手く、また飛葉大陸の小野進也も流石だったんですが、それゆえにハッスルしすぎたのでしょうか、撮影中にカーブで事故って足に大怪我!? それでもギプスと麻酔で出演を続行していた小野進也の根性と責任感には敬服するばかりです。

しかし、それを口実に以前から批判され続けていた番組そのものが終了したのは残念だったんですが、実は制作費の完全オーバーも痛いところだったそうですし、今日ではDVD化もされていますから、その点も含めまして、これはぜひともご覧下さいませ!

さて、そこで本日掲載した画像は、そのテレビ版の主題歌を収めたシングル盤なんですが、版型が長方形なのは見開きで原作漫画からの挿絵やドラマのスチールが入っているためで、当時はこうした企画物がドラマやアニメ関連作品では相当に出回っていました。

 お前がやれぬぅ~ ことならばぁ~
 俺が この手でやってやるぅ~~
 そうさぁ~ この世のどぶさらいぃぃぃぃ~
 悪にゃ めっぽう強いやつ

と痛快に歌われるA面「ワイルドセブン」は、もちろん番組オープニングのテーマであり、作詞:阿久悠&作曲:森田公一という当時のヒットメーカーが書いた名曲の中の大名曲!

もう、一緒に歌っているだけで、この世の憂さを忘れてしまうほどですよっ!

またB面収録の「つむじかぜ」も同じコンビによる隠れ名曲であり、番組ではエンディングテーマになっていましたが、こちらも熱い!

ですから当時、二輪免許を取得していたサイケおやじはバイクをブッ飛ばしながら、この2曲を歌っていましたですねぇ~~♪

ちなみに、このシングル盤は日本コロムビアから発売されたものですが、同時期にはソノシート盤も某社から出ていますし、アニメやテレビアクション番組のテーマ曲を集めたオムニバスLPにも収録される人気ゆえの事でしょうか、それらは必ずしも同じバージョンでは無い点が要注意!

また、このシングル盤のテイクにしても、放映されたフィルムトラックとは異なっていますので、今となってはオリジナルバージョンの特定は困難を極める世界になっています。

それと蛇足ですが、既に東映映画「不良番長シリーズ」も我国ではヒットを記録していましたから、こちらの主題歌&挿入歌もサイケおやじの十八番になっていた事を付け加えておきます。

ということで、「ワイルド7」の世界は不滅!

夢が叶うならば自分自身で制作監督したいほどの物語なんですが、原作漫画どおりの破天荒さを追求したら、お金は湯水の如く垂れ流しに必要でしょうねぇ。なにしろ街中での破壊的アクションには軍事用爆撃機や装甲車も現れますし、ロケットランチャー装備のサイドカーや列車の脱線転覆なんか日常茶飯事という展開が無ければ、物語そのものが成り立たないほどですから。

また美女キャラの登場もお約束であり、サブグループ「女ワイルド7」のリーダーとなるユキちゃんは最高♪♪~♪ 当然ながらレザージャケットの下はノーブラであり、シャワーシーンは必須となれば、出演女優の選定も楽しいところでしょう。

そのあたりが今回の劇場版本篇では、どうなっているのか!?

とりあえずサイケおやじは虚心坦懐に鑑賞する所存であり、いろいろと悪い予感ばかりを書いてしまいながらも、実は非常に楽しみにしているのでした。

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菊容子と月ひかるの思い出

2011-08-28 15:22:46 | Movie

好き!すき!!魔女先生(TBS / 東映)

菊容子という女優さんを覚えておられるでしょうか?

拙プログを訪れて下さる皆様ならば、きっとそうであろうと、サイケおやじは思っているのですが、彼女は所謂実力派女優として十代の頃から活躍し、昭和40年代のテレビドラマでは欠かせない存在となり、ジャンルを問わず、夥しい作品に出演しています。

そして中でも昭和46(1971)年10月から翌年3月にかけて放送された「好き!好き!!魔女先生」は、彼女が主演の傑作学園物として忘れられないはずです。

なにしろ「菊容子」というよりも、この作品での彼女は「月ひかる」というエスパーであり、アンドロ仮面というスーパーヒロインとなって神格化されたのですから、完全にファミリー向けのドラマでありながら、特撮ファンをも虜する人気を獲得♪♪~♪

当然ながら劇中ではタイトルどおり、小学校の教師として生活していますが、その正体は宇宙連合の平和監視員として地球にやって来た(?)アルファー星のお姫様なんですねぇ~~~。そして「ムーンライトパワー」を駆使し、子供達の安全と地球の平和を守るという設定は、そのまんま元祖特撮ヒロインと言えるかもしれません。

しかしドラマとしては、あくまでも学園物というジャンルを踏襲していますから、新しく赴任してきた美人の先生が魔法(?)を使い、何時の間にか不思議な事件を解決するという、まさに子供達の夢を描いた展開は、菊容子の演技力はもちろん、子役も含めた脇役陣の堅実な存在や脚本と演出の上手さも加わって、なかなか充実の仕上がりでした。

また、イヤミのない特撮シーンの使い方も流石だと思います。

さらに番組は回数を重ねるうちに、菊容子=月ひかる先生がアンドロ仮面というスーパーヒロインに変身するようになり、悪役怪人を退治するという王道路線に入ったのですから、ますます人気沸騰!

   

実はサイケおやじが好きなのは、この部分であって、なにしろアンドロ仮面の衣装が青いミニスカ♪♪~♪ ということは、アクションシーンでは「見えて」しまうんですねぇ~~♪

もちろん子供向けの番組ですから、露骨な「パンツ見せ」や「生パン」ということはありませんが、アンドロ仮面のアクションには、なにか自然体の羞恥心というか、場面によっては意図的にパンツを見せまいとする仕草もあって、そんなところにもサイケおやじはグッと惹きつけられていました。

また、そうしたシーンではカメラワークも意外に緻密というか、なるべく太股の露出やヒップラインの派手な表現を避けるように計算されているところが、これまたニクイばかり!? しかし、それでも「見えて」しまう部分の威力は絶大というか、かえって逆効果的に刺激が強くなってしまうと感じるのは、サイケおやじだけでしょうか?

ちなみに菊容子は知る人ぞ知るのグラマー系巨乳女優のひとりで、普通の衣装でも目立ってしまう胸のふくらみ♪♪~♪ 如何にもの「丸み」が眩しい肉体の存在は見惚れてしまいますよ♪♪~♪

ただし菊容子の魅力は決してそれではなく、子供時代はモデルで活躍したという履歴があるように、強い「眼の力」が印象的で、それは数多く出演したドラマの中で、ある時は悪役や悪女さえも凛とした佇まいで表現しますし、地味ながら目立ってしまう女学生やワケアリのOL等々は十八番の役柄でした。

それが「好き!すき!!魔女先生」では、ナチュラルに正義を遂行する美人の女教師という、まさにジャストミートの当たり役となっています。もちろん劇中にはオトボケやお笑いの場面もテンコ盛りに用意されていますから、これが傑作にならなかったらドラマの神様が怒るでしょうねぇ。

ということで菊容子は、この作品だけでも決して忘れられない女優さんでしたが、他にも名演がどっさりある中で、好事魔多し!?!?

なんと昭和50(1975)年4月29日、自宅マンションで絞殺死体となって発見され……。

享年24歳、まさに美人薄命です。合掌。

ちなみに加害者は当時交際していたという某男優でしたが、動機は別れ話の縺れと言われていますし、犯人が自殺を図るも死にきれずに逮捕という顛末は、不謹慎ながら、なにかサスペンスドラマのような記憶になっています。

そして非業の死がなければ、おそらくはさらに大きな存在の女優として輝いたことは間違いない! サイケおやじは、そう思うばかりです。

最後になりましたが、なんで本日は「好き!すき!!魔女先生」かと言えば昨夜、フラフラと入った中古屋で4枚セットの復刻DVDを発見したからで、迷わずゲットした後は明け方まで鑑賞♪♪~♪

う~ん、菊容子は素晴らし~~~~♪

アンドロ仮面の青いミニスカ&パンツが目に染みたのは、言うまでもありませんねっ!

機会があれば、皆様もご鑑賞下さいませ。

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今夜は万華鏡の女

2011-05-27 10:20:49 | Movie

いよいよ、今日ですねっ!

ひし美ゆり子&樋口尚文共著の新刊「万華鏡の女(筑摩書房)」出版イベント♪♪~♪

悔しいかな、サイケおやじは出張で参加出来ませんが、皆様のご来場とイベントの盛会を祈念しております。

ちなみにイベント概要は以下のとおり――

 日時:5月27日(金)20時スタート、開場19時半~
 場所:銀座シネパトス
 演目-1 ひし美ゆり子出演超レア作品「ぼくはSLをみた」上映(劇場初公開)
 演目-2 樋口尚文×ひし美ゆり子トークイベント
 演目-3 著者サイン会

参集されるファンの熱い気持と盛り上がりは言わずもがな、ひし美ゆり子のスタア女優らしからぬホノボノとした人柄に癒されることは必至でしょうね。

参加される皆様が羨ましい~~~。

それが本音のサイケおやじです(敬称略)。

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ひし美ゆり子の一網打尽

2011-04-30 15:17:44 | Movie

サイケおやじ版予告篇:不良番長一網打尽 (東映)

昭和47(1972)年のサイケおやじにとって、「不良番長一網打尽」の公開は一番の重大事件でした。

なにしろ「菱見百合子」が「ひし美ゆり子」となった最初の銀幕作品であり、また以降の彼女が披露していく新しい魅力を決定的にした1本ですからねぇ~~♪

ここまでの経緯については拙稿「鏡の中の野心」にも書いていますが、とにかく東宝を離れてから別名義での成人映画出演は、リアルタイムでは知る人ぞ知るであったにしても、男性週刊誌のグラビアで美しいヌードを披露した衝撃は強烈でした。

もちろん当時は高校生だったサイケおやじにとって、それは嬉しくもありましたが、前述した成人映画「鏡の中の野心」への出演は全く知る由もなく、ただ触れてはならない大人の事情を強く想像させられ……。

ですから、その彼女が前述した「不良番長・一網打尽(野田幸男監督)」に出演されるというニュースは、喜び以外の何物でもありませんでした。

ちなみに「不良番長」は当時の東映ではシリーズ化していたドル箱プログラムピクチャーのひとつで、主演は梅宮辰夫、そして脇を固める山城新吾、鈴木やすし、安岡力也等々のカポネ団の面々が、毎度バイクを乗り回して悪い事のやり放題! そして最後には大組織のヤクザを相手に大暴れという展開に加えて、一般映画ではギリギリのお色気場面と究極の破天荒ギャグがウリという、史上屈指の痛快バカ映画!?!

当然、「一網打尽」も同じラインで製作されており、ではその中で菱見百合子はどのような演技を見せてくれるのだろうか?

と、私は大いに期待していたのですが、結果は予想以上に鮮烈でした。

まず芸名が「ひし美ゆり子」になっており、掲載したポスターの画像からも一目瞭然、そこに登場した彼女は黄色いシャツの裾を胸のところで結わえ、その下は素肌にノーブラだと思います。

さらにメイクも幾分キツイ雰囲気で、微笑みも艶然としたものを含んでいるように感じました。

こういう部分は東宝での最終作「ゴジラ対ガイガン」で演じた空手使いの美女役でも、例えば大人のメイクやキツイ台詞回し、そしてタバコを吸ったりする演技演出にも滲んでいたのですが、物語の中で侵略者の正体がゴキブリ系生物だったと知って一瞬気を失い、その後、怯えた表情を見せる場面は、間違いなく友里アンヌの雰囲気を想起させていました。

それがこの作品ではどうなっていたかというと……。

初登場の場面の台詞が叫び声に続いて「チキショウ!」です!?!?

続いてヤクザに捕まって平手打ち!?!

衣装も露出度の高い赤色のホットパンツだったんですねぇ~♪

そして次に登場した場面では赤いコート姿!

しかもテーブルの上に飛び乗り、そのコートを脱ぎ捨ててオールヌードの全身で仁王立ちですよっ!

もちろん肝心な部分にはボカシというか、ワザとらしいクロベタが入れてありましたが、この時ほど、サイケおやじはカポネ団の一員になりたいっ! と思ったことはありません。

他にもノーブラに赤いベスト&ミニスカでびしょ濡れになって踊ったり、シースルーの戦闘服とかサイケデリックなポンチョ姿等々、恥ずかしながら未だ多感な十代だったサイケおやじには、前述したヌード・グラビアを見ていたとはいえ、まさに目の潰れるような、そして下半身を直撃してくる場面の連続でした。

実は劇中でのひし美ゆり子の役は、ヤクザにコキ使われていたヨーコというソープ嬢(リアルタイムではトルコ嬢)という設定で、なんと1日に10人も接客させられる重労働に耐えかねて逃げ出したという境遇なんですが、しかしヨーコは自らの職業であるソープ嬢を恥じていませんし、自分の魅力が男を虜にする素晴らしい肉体と美貌である事を認識し、むしろ誇りを持っているのです。

ただし、少~しばかり社会の一般教養に疎いところから、ペテンを使ったカポネ団のシノギの中では足手まといになったりするところから、なんとか自力で頑張ろうとするのですが……。

この流れの中では当然、彼女には下卑た演出が与えられ、大切な秘部にメンソレ、マッチ売りの少女、立ちション、あそこがガバガバ等々、とてもここでは詳らかに書けないほどメッチャメチャがテンコ盛り!

それゆえに彼女をアンヌの化身とイノセントに思い込んでいるファンにとっては、あまりにもショッキングな役だと思います。

しかし、それを全く陰湿さを感じさせず演じられたのは、ひし美ゆり子の女優としての資質じゃないでしょうか。

劇中のヨーコは孤独でありながら、男を虜にせずにはおかない魅力的な肢体と美貌、また浮世離れしたほど純情な心を持った女性に描かれています。

ですから自分の肉体でお金を稼ぐ事に捨て鉢な気分は感じていても、根底にあるナチュラルな自信は決して揺るぎません。なにしろ梅宮辰夫に「もっと自分を大切にしろよ」とまで言わせてしまうんですからっ!

もちろん、ひし美ゆり子ならではの余韻の残る台詞回しが、そうした場面では最高の魅力を発散するんですねぇ~~♪

つまりエグ味のある役柄であるほどに、唯一無二の特質が発揮されると思うんですよ。

ご存じのとおり、この作品には「友里アンヌ」のモジリネタとされる「真理アンヌ」も出演しているのですが、劇中の彼女は嘘泣きも上手い、まさに狡い美女の典型に描かれていることを鑑みれば、ひし美ゆり子の役柄と演技の存在感は尚更に強い印象を残すはずです。

ということで、以降のひし美ゆり子は所謂「脱ぎっぷりの良い女優」のひとりとされる評価も多いわけですが、だからと言って彼女の魅力がそれだけだったはずもありません。

あらためて述べるまでもなく、当時の映画産業は完全に斜陽でしたから、失礼ながら彼女だって霞を食べて生きていられたはずもなく、自著やプログで告白されているとおり、東宝との契約を終えた後は経済的に不安定な現実から、女優以外のあれこれもされていたようです。

しかしヌードを披露したり、成人映画への登場が現代のAVに出演することよりも遥かに背徳性が強かった時代、ひし美ゆり子は明らかに自分の演じていた事に自信とプライドを持っていたはずで、それは前述したとおり、劇中のヨーコと重なる姿勢じゃないでしょうか?

また、そうでなければ荒野に可憐な花を咲かせるが如き演技も残せなかったでしょうし、今もってアンヌと崇められている神聖を維持出来ているはずも無いと確信するところです。

このあたりは、あくまでもサイケおやじの思い込みとお断りしつつ、今回は予告篇として一端切り上げますが、近いうちに本サイト「サイケおやじ館」では、もう少し書きたいところを掘り下げたく思う次第です。

その意味で「不良番長一網打尽」こそ、菱見百合子&ひし美ゆり子のファンには絶対に避けて通れない「踏み絵」なのかもしれません。

そして新刊「万華鏡の女」も必読でしょうね(敬称略)。

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百合子とゆり子は万華鏡

2011-04-23 16:38:45 | Movie

万華鏡の女 / ひし美ゆり子&樋口尚文・著 (筑摩書房)

昭和42(1967)年10月1日、忽然とサイケおやじの前に登場したのが、菱見百合子という女優さんです。

それは言うまでもなく、テレビ特撮の最高峰「ウルトラセブン(TBS)」における友里アンヌ隊員としての菱見百合子であって、そのキュートで女の部分が強く出た演技と佇まいは、それまでの所謂特撮ヒロインのイメージを全く新たにする印象でした。

ちなみに当時の彼女は東宝専属で、その先輩にはやはり特撮SF作品では決定的な存在感を示していた水野久美という美人女優がいたわけですが、その水野久美が同ジャンルでは女王とするならば、菱見百合子は女神ということになりましょうか。

実際、件の「ウルトラセブン」では異星人と禁断の恋に落ちるという、当時としてはある種のタブーを演じたことにより、それは神格化の域にまで達したほど現在進行形でファンをシビれさせたのですが……。

それによって以降、菱見百合子=アンヌという図式は両刃の剣だったのかもしれません。

ご存じのとおり、東宝時代はアンヌ役以上のヒットは無く、契約が切れて以降はひし美ゆり子として成人作品や実録やくざ映画にも登場する事により、全く新しい魅力を開花させたわけですが、それでも今もって、ひし美ゆり子=アンヌという図式が消えないというのは、どうなんでしょうか……。

もちろん個人的には友里アンヌが大好きですし、リアルタイムで最初にテレビで接した瞬間の「こんな可愛いひとが、いるのかなぁ~~♪」という、トキメキの気分は現在でも鮮烈な記憶になっています。

しかし同時に、ひし美ゆり子としての演技や存在感も決して忘れることが出来ません。

というよりも、そこには当然ながら、「あの、アンヌ隊員が!?」という気持が無いと言えば嘘になる衝撃度があったのですから、これは男ならば誰しも一緒じゃないでしょうか。

なにしろ彼女には美貌と素晴らしい肉体があり、それゆえに常にセクシー演技を求められるという側面があったにしろ、それを活かさないのはバチアタリとしか言えません。

ですから、今となっては出し惜しみしなかった彼女に対し、感謝の気持でいっぱいではありますが、ひし美ゆり子という女優さんは、一番評価が高かった時期に自らの意思でフェードアウト……。

そこにはファンが絶対に口出しを許されないものがありますし、後には数冊の自著やプログで様々な経緯も明らかにされているとおり、中には相当にショッキングな現実も含まれておりました。

さて、ということで、本日のご紹介は久々の「ひし美本」として本年5月に発売予定の「万華鏡の女」です。

もちろんサイケおやじは現在まで全く読んでおりませんが、一方の著者である樋口尚文は気鋭の映画評論家ですから、サイケおやじを含む盲信的なファンが書くような内容であろうはずがなく、また共著者としてひし美ゆり子本人が加わっている以上、相対的に掘り下げた女優論と確信しております。

平たく言えば、菱見百合子=ひし美ゆり子の欠点さえも曝け出されているんじゃないでしょうか。

その意味で、発売に合わせたトークイベントが催されるのは朗報だと思います。

 日時:5月27日(金)20時スタート、開場19時半~
 場所:銀座シネパトス
 演目-1 ひし美ゆり子出演超レア作品「ぼくはSLをみた」上映(劇場初公開)
 演目-2 樋口尚文×ひし美ゆり子トークイベント
 演目-3 著者サイン会
 
 ※4月29日(金)より前売券発売開始!
  シネパトス前売料金4000円(書籍代2310円税込みを含む)
  ぴあシネマリザーブシート4400円(書籍代含む)

ということで、久々に血が騒ぐというか、ワクワクドキドキの朗報です。

ちなみにひし美ゆり子と言えば「忘八武士道」「好色元禄(秘)物語」「鏡の中の野心」、あるいはテレビ作品「手紙」等々、とにかくセクシーな部分ばかりが目立ちますが、しかし特筆すべきは、そういう役を演じる女優さんには当然というある種の陰湿さが、彼女には無いということです。

それは既にアンヌを演じていた頃からの菱見百合子にも当然あって、あれほど女の部分が目立つ役柄でありながら、生臭みを感じさせないのは驚異的だと思いますねぇ~。

そして誰よりも色っぽく、ナチュラルなフェロモンを滲ませてしまうのですからっ!

もう、このあたりは奇蹟といって過言ではありませんが、おそらくは近日発売される新刊「万華鏡の女」では、そうした秘密の一端も解き明かされるんじゃないかと楽しみにしているのでした(敬称略)。

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