goo blog サービス終了のお知らせ 

OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

行かずに、ど~する!?

2013-03-25 14:38:05 | Movie

東京銀座にある名画座「シネパトス」が、いよいよ今月末で閉館となります。

ご存じのとおり、この劇場は以前、「地球座」の名称で親しまれ、サイケおやじも何度も通った思い出の場所であり、「シネパトス」と改称されてからも、その妙にレトロな雰囲気の良さは、まさに「昭和」でありました。

なにしろデジタル上映が普通の現在、頑なにフィルム映写に拘っていたような感さえありましたからねぇ~♪ オールドウェイヴなサイケおやじは、そういう姿勢に好ましいものを覚えていましたが……。

しかし施設の老朽化により、ついに取り壊しが決定したのは無念というよりも、諸行無常なのでしょうか。

もちろん各方面から、それを惜しむ声が高まるのも必然という中、流石という最後の企画が、現在絶賛上映中の「インターミッション」という作品です。

なんとっ! これはその「銀座シネパトス」を舞台にした、完全バーチャルな劇中劇であり、客席に居並ぶ面々がすなわち出演者という設定は、単なる稚気以上の素晴らしさと思います。

これは映画を愛する者であれば、誰もが夢見る企画でしょう。

しかし舞台となる映画館そのもののラストショウとリアルタイムの現実感があってこそ、可愛さ余って憎さ百倍なんですよねぇ~♪

正直、サイケおやじを含めて、やられたぁ~~~~、と痛感させられた映画愛好者は数知れずのはずです。

ちなみに監督の樋口尚文は気鋭の映画評論家であり、様々な映画関連のイベントをプロデュースしてきた、所謂「映画愛」の絶対的な持ち主として、サイケおやじも強い共感を覚える鬼才!

まあ、もちろんサイケおやじは、直接に一面識もないわけですが、決して香りの高さを売り物にしないところも好感が持てるのです。

そして樋口監督ならではの人徳なのでしょう、とにかく出演者の顔触れが日本映画演劇界の新旧名優ばかりなんですから、これは見逃せません。

詳しくは公式サイトをご覧いただければ、震えて感涙は必至ですよっ!

しかし現実は非情です。

実はサイケおやじは絶対にっ!

と心に決めていながら、仕事に責められてスケジュールがギチギチ……。

もう、今回は諦めよう……、と自分に言い聞かせていたんですが、実は出演者のひとりである、ひし美ゆり子のプログを読んでしまえば、後は覚悟を決める他はありません。

つまり、この「インターミッション」を鑑賞することは、歴史に立ち会う意義であり、映画愛に溢れた時空のバーチャルリアリティを体験出来る、ほとんど奇跡の時間を過ごす事だと思います。

そしてサイケおやじは覚悟を決めました。

それはとにかく万難を排して時間を確保し、今月末で閉館されてしまう「銀座シネパトス」で「インターミッション」を鑑賞するっ!

これを自らの存在証明と言ってしまえば、例によってサイケおやじの大袈裟と思われても反論は出来ません。

しかしそんな自己満足がなければ、何のために仕事をやっているのか、わからんじゃ~ないかっ!

というのが、サイケおやじの立場なんですよ。

その為には多少強引な事も必要になりそうですし、もしかしたら後腐れも懸念されますが、それでも後悔しない覚悟と言い換えても、良いです。

どうか皆様も、少しでもトキメキを感じるのであれば、「銀座シネパトス」のラストショウにご参集下さいませ。

きっと素敵な思い出になるでしょう(敬称略)。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大島渚追悼・「愛のコリーダ」の私的考察

2013-01-16 15:28:18 | Movie

愛のコリーダ

映画監督の大島渚が天国へ召されました。

もう、長く闘病生活を送っていましたから、正直に言えば、それほどの悲痛の念はなく、故人の業績をあれこれ振り返る事も、辛い作業ではありません。

ただし、マスコミの報道では、常に強く紹介される「愛のコリーダ」は、決してそれだけではない大島渚監督が、やはりそれ抜きでは語れない存在として、屹立する作品と思うばかりです。

ご存じのとおり、昭和51(1976)年に公開された「愛のコリーダ」は、劇場用作品としては、我国初の本格的ハードコア、つまり「本番」映画だったわけですが、現在のAVでは、所謂「ハメ撮り」とか「真性本番」なぁ~んてものが普通に作られている事を鑑みても、何がどうして……、という騒動に対し、特にお若い皆様であれば、不思議な気持かと推察する次第です。

ちなみに「本番」という性交場面の実演は刑法175条に触れますから、世間一般の映画館で上映される作品での男女間の性交場面は「擬似」ということになっておりました。しかし、それをあえて乗り越えSEXを実際に行ってそれを撮影し、本篇に使ってしまうのが「本番映画」です。

もちろん日本のことですから、欧米作品のように結合場面や性器のモロアップ等は無く、そこにはボカシが存在していたにもかかわらず、それを「そうだ」と宣伝されれば、観客は何かを期待して観に行ってしまうという現実がありました。

そのあたりを踏まえて、「愛のコリーダ」は――

まず、物語は戦前の猟奇事件として有名な「阿部定事件」を扱ったものです。

昭和11年5月に起こった、この男根切除殺人事件は今日まで度々、いろいろなところで取り上げられており、映画でも日活ロマンポルノとして「実録阿部定(昭和50年・田中登監督)」という大傑作が作られております。

その所為かどうか、大島渚監督は最初から「ハードコアで撮る」という製作方針を貫いており、刑法や映倫審査から逃れるために、日本で撮影したフィルムをフランスで現像するという策をとっておりました。

そして完成した作品は最初、昭和51(1976)年5月のカンヌ映画祭に出品され、絶賛を浴びますが、ベルリンやニューヨークでは「猥褻かつ暴力的」ということで上映禁止、また、公開中のフィルムを警察に押収させた国も!?

ですから日本では同年10月に一般公開されましたが、当然、その前に映倫と税関から厳しい規制が入り、映像で約30分のカットや修正、音声・台詞も修正多数という要求が突きつけられ、物語展開でどうにもならない部分、例えば男女交合のシーンは真中をカットして上下を繋ぎ合わせるという荒業、分割スクリーン方式で逃れるという有様でした。

もちろん性器やアンダーヘアの映像はありません。

しかし、それでも日本では大ヒット!

世界的にも無修正版が公開された国はもちろんのこと、それ以外の国でもヒットして、高い評価を受ける結果になりました。

これにはハードコアという真実、あるいは猟奇事件を扱っているという事が要因としてあるかもしれませんが、それよりも大島渚監督の情念の演出、それに応えた定役の松田英子の妖艶な演技、そして脇役陣の充実と製作者側の熱意によるものが大きいと思います。

ちなみに松田英子は、ここで一躍有名になったわけですが、その前の芸暦としては寺山修司の劇団天井桟敷で活動し、映画出演は日活の「野良猫ロック・マシンアニマル(昭和45年・長谷部安春監督)」があり、彼女の役はほんのちょい役ですが、ここで既に「愛のコリーダ」で「本番」をやってしまう藤竜也と顔を合わせているのには、巡り合わせの妙を感じてしまいます。

で、この後モデル等をしながらの下積みを経て、昭和50(1975)年秋に大島渚監督との出会いとなるのです。

さて、肝心の本番部分ですが、サイケおやじは後年、無修正・ノーカット版を見る機会があり、そこでは確かにちゃんとやっておりましたし、性器のアップや松田英子のその部分に卵を押し込む場面、肝心の男根切除シーンもちゃ~んと在りました。

しかし、だからといって興奮度が高いかといえば、それは一時的なものという感想になります。

もちろん物語展開や映画的構成美を楽しむという観点からいえば、やはりノーカットのほうが望ましいのは言わずもがなです。

そしてメジャーな会社が作った、ちょっと自分には手を届かないような美女や良い女の見たいところまで見ることが出来、しかもその女が実際にSEXをやっての悶えに接するわけですから、これで興奮しない男、あるいは女はおかしいと言わざるを得ないのですが、それでも、あんまり裏の部分を出してしまうのは面白くないような気が致します。

つまり、素敵な女優さんが「よがって」いて、それを見て素直に興奮する人もいれば、あれは演技だと思う人もいるわけですよ……。

例え、本当にSEXをしていたとしても、同様だと思うばかりです。

そしてまた、彼女の演技は凄いと感動したり、本気で感じているのに演技っぽくなる、あるいは演技だとしても本気を超えた迫力があるという場合もありますから、サイケおやじには、ここらへんがエロ映画から足を洗えない部分になっているのですねぇ~。

結論として、実際にやっていようが、いまいが、要はそれを見せてくれる女優さんが如何に自分にとって魅力的であるかということで、それにはその女優さんの資質の他に監督の力量が欠かせないでしょう。

その意味で、「愛のコリーダ」はとても優れており、松田英子の輝きはもちろん、大島渚監督の演出は特筆すべきものがあります。

また、この作品に関連した書籍「愛のコリーダ/大島渚・著(三一書房)」が、映画本篇のスチールを掲載しているという事で警視庁に摘発され、猥褻図画販売容疑で大島監督と三一書房の社長及び取締役の計3名が書類送検されましたが、昭和54(1979)年に無罪判決が下されました。

ということで、本日は大島渚監督追悼として、僅かではありますが、一番の問題作として有名な「愛のコリーダ」を取り上げました。

しかし当然ながら、まだまだ故人には優れた作品が多々あり、特に「愛のコリーダ」云々で語れるような天才ではなく、むしろもっと別角度で評価されるべきところも必要かと思います。

晩年というか、病に倒れる前には、テレビで激怒する姿ばかりが印象に残っている事も否めませんが、確固した作品世界を持った映画監督としての大島渚こそが、本当の存在感!

そう言えばクインシー・ジョーンズが、あえて「愛のコリ~ダ~」と日本語で歌ったレコードを作ってしまった歴史も、殊更痛切に思い出されてきましたので、急にシングル盤を聴いたりもしました。

う~ん、良くも悪くも、凄い人でしたねぇ~。

合掌。

(注)本稿は拙サイト「サイケおやじ館」に掲載した「闇の中の妖精・本番女優の巻」を引用改稿したものです。松田英子については、そちらにも多少は詳しく書いてありますので、よろしくお願い申し上げます。

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

さようならエマニエル夫人

2012-10-19 15:53:32 | Movie

エマニエル夫人 / Pierre Bachelet (ワーナーパイオニア)

シルビア・クリステルというよりも、エマニエル夫人……。

連日の訃報には、やりきれない気分ばかりですが、しかし彼女をこの世に使わせてくれた神様には感謝するべきと思います。

それは1974年末、吉例お正月映画として公開された「エマニエル夫人」の大ヒットにより、主演のシルビア・クリステルは日本でもトップスタアになった出来事は今や歴史でしょう。

というか、実は件の「エマニエル夫人」は封切前から相当にマスコミの煽りがあって、本質はポルノ映画でありながら、そのファッションセンスに近いソフトな映像表現によるコアなセックス描写が女性にも堂々と鑑賞出来る云々、そうした宣伝も強くあったのです。

また、特筆すべきは主演のシルビア・クリステルのポルノ女優らしくない佇まいでしょう。

実はこの映画出演以前の彼女はオランダのファッションモデルであり、加えて監督のジュスト・ジャンカも本業はファッション関係のカメラマンであったという内実が後に明かされてみれば、ハイキー調でソフトフォーカス多用の映像作りも充分にポルノ映画に使える事が証明された実績は侮れません。

ちなみにソフトフォーカスを使ったファッションやヌードの表現では、日本でもお馴染みの写真家としてデイヴィッド・ハミルトンが有名でしょうし、1970年代はそうした流行が確かにあったのです。

しかし、だからと言って、誰しもがソフトフォーカスでポルノを演じれば、それで良しとするわけもありません。

そこにはシルビア・クリステルというジャストミートな存在があり、彼女も「エマニエル夫人」を演じて、自身の代名詞ともなった名演を残したのは、時代の空気感との相性も認められるところでしょう。

特に劇中、大きめの籐椅子で挑発的なポーズをキメるシルビア・クリステルは、映画ポスターやサントラ盤レコード等々に使われたほどの絶対性があり、それは掲載したシングル盤ジャケ写でご覧になれるとおり♪♪~♪

もちろん巷でも、このイメージは広く流布しており、例えばリゾートホテルのロビーとか、似たような籐椅子がある場所では、同じポーズで記念写真を撮る観光客、殊更女性が目立ったのも、着衣姿とはいえ、自然の流れでありました。

そして当然ながら、そのシングル盤に入れられたピエール・バシュレの劇中主題歌も大ヒット!

如何にも覚え易いフレンチポップス風味のメロディは、今や誰もが一度は耳にしたことがあろうと思います。確か日本語バージョンも作られていて、某外人女性歌手だけでなく、我国のポップス系ボーカリストも演目にしていたのは、なかなか素敵なブームでしたよ♪♪~♪

ということで、実はサイケおやじはシルビア・クリステルにそれほどの思い入れがあるわけではなく、むしろ「エマニエル夫人」という事象が忘れられないのです。

なにしろリアルタイムのロマンポルノでは田口久美を主演に「東京エマニエル夫人(加藤彰監督)」なぁ~んていう、亜流作品までもが作られ、これがまた相当に素敵に仕上がりになっていたんですから、たまりません。

さらに本家「エマニエル夫人」もシルビア・クリステルによる続篇はもちろんの事、同系のソフトポルノ作品としては「卒業試験」「夜明けのマルジュ」「チャタレイ夫人の恋人」等々が1970年代に彼女の主演作として公開されればヒットは確実! 

幻のデビュー作「初体験」までもが堂々の公開となった騒動(?)は、そういう勢いの凄さでした。

しかし、当然ながら、シルビア・クリステルには「エマニエル夫人」という印象があまりにも強く、サイケおやじには良いとしても、映画界全般においては、些かのマイナスがあった事も否めません。

1980年代からの低迷が本人の健康上の問題もあったとはいえ、何かそれがあたりまえの受け取られ方をしていたのは、ちょいと悲しいものがありました。

シルビア・クリステルはエマニエル夫人!

それで、良いじゃ~~ありませんかっ!

今回の訃報においても、それが納得の知らせであって、故人を偲ぶ時には忘れらない印象になるはずです。

さようなら、エマニエル夫人……。

また何時か、逢える時まで、合掌。

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

追悼・若松孝二監督

2012-10-18 15:05:13 | Movie

私をきつく抱きしめて / 路加奈子 (テイチク)

本日未明、友人からの連絡で、若松孝二監督の訃報に接しました。

ご存じのとおり、既に数日前、交通事故により入院を余儀なくされていたわけですが、重傷というだけで、特段生命には……、という報道でしたから、それはあまりにも突然……。

今、こうして文章を綴っていても、悲しみよりは混乱という気持の整理がつきません。

しかしサイケおやじは成人映画好きという性癖ゆえに、若松孝二監督作品はそれなりに観てきましたし、すっかり近年は社会派の巨匠という評価も、実は本質では無い云々、相当に不遜な心持でしたから、あらため故人の遺徳を偲び、ここに些かの思い出を記している次第です。

さて、そこで若松孝二監督と言えば、昭和40(1965)年の「情事の履歴書(若松プロ / 国映)」があまりにも有名であり、成人映画の枠を超えた高評は言うまでもありませんが、そこには当時としては奇蹟的とも言える興業収益の高さが、結果的にそれへ繋がっている側面もあるでしょう。

つまり実際に観ておらずとも、ヒットした大衆映画は時を経るにしたがって、尚更に名作や傑作と認められる事は一般常識に近くなっているはずです。

ところが若松孝二監督の作品は、もちろんヒット作は凄い仕上がりになっていますが、もっと広く評価されるべき良い仕事が多く、昭和40~50年代には名画座等々で度々特集が組まれ、また大学祭のイベントのひとつとして、人気作&隠れ名作が上映されていたのも、その証と思います。

で、そんな中でサイケおやじを驚愕させたのが、昭和38(1963)年に制作公開された「不倫のつぐない(日本シネマ)」という作品で、出演女優のひとりが本日掲載のシングル盤を吹き込んだ路加奈子(みちかなこ)でした。

物語は浮気な人妻が情事の帰り道に轢き逃げをやった事から、妙な男に脅迫され、暴行監禁やレイプという展開だったんですが、そこで描写される暴力シーンのリアルな迫力は、そのまんまレイプ&セックスの生々しさに直結するエグ味が強烈至極!

特に海辺の波打ち際で繰り広げられる強姦シーンは、和服姿の路加奈子が海水でズブ濡れになって犯され、押し倒されては殴られるという激しさで、サイケおやじの全身の血液が逆流沸騰させられた劣情の記憶は、今も鮮烈です。

しかも、おそらくは寒い季節であった思われる現場での彼女の演技の熱烈さは、若松孝二監督の容赦無い演出と抉るようなカメラワークが相まって、それは凄味さえ感じられるものでした。

そして同時に強く表出していたのが、路加奈子の女優としての本質で、実は彼女は日活の大部屋所属ながら、イタリア系の血が入った妖艶な正統派美女という魅力が全開♪♪~♪

グラマーで色っぽく、しかし何処かしら清楚な佇まいの彼女が暴行される時、着物の裾から艶めかしい太股が露出するシーンは、モロ見えで無くとも、激しい興奮を喚起させられ、他にもちょいとした仕草で滲み出る成熟した女性の存在感がエロいんですねぇ~♪

ご存じのとおり、路加奈子は当時の若松孝二監督のお気に入り女優として、様々な作品に出演していますが、そこでの好演が人気を呼び、ついには武智鉄二監督の超話題作「白昼夢(昭和39年・第三プロ / 松竹)」に主演して世間を騒がせたのもムペなるかなです。

そして告白すると、サイケおやじは、この「不倫のつぐない」に接するまで、喧伝されていた若松孝二監督の素晴らしさがイマイチ分からず、もちろんそれまでに他の作品十数本は鑑賞していたのですが、どうにも自分には……。

う~ん、このあたりは全く不遜な戯言ではありますが、逆に言えば、それだけ「不倫のつぐない」という作品、そして路加奈子という女優さんが、サイケおやじの感性にジャストミートしていたのでしょう。

ちなみに後追いで観た若松孝二監督作品の中では、「赤い犯行(昭和39年・日本シネマ)」での路加奈子も相当に熱い演技を披露していますよ♪♪~♪

そして以降、サイケおやじの若松孝二監督作品に対する観方が変化した事は言うまでもありません。

中でも凄いなぁ~~、と何時も感心させられるのがカメラワークのエグ味で、当然ながらモロ見えどころか、出演者の腰の動きや表情にまでも映倫の厳しい審査が行われていた時代において、ギリギリ加減と斬新な捕らえ方によるエロスの表現は、理屈を超越したストレートな感覚として、スクリーンを凝視する者のスケベ心を直撃してくるのです。

これは成人映画の世界では、監督の立場でありながら、逸早く自分の制作プロダクション=若松プロを立ち上げた成果というか、メインの撮影カメラマンが盟友とも言える伊東英男であったことも、常に意志の統一が図れた点かと思います。

また、それゆえに現場での若松孝二監督の演出は、さらに辛辣果敢であったのでしょう。

伝説(?)も数多いわけですが、レイプシーンでの女優さんに対する仕打ちはSMまがいであったとか、放尿シーンは本物ばかりだったとか、とにかく半端無いエネルギッシュな感覚は、しっかりと残されたフィルムに焼きつけられているはずです。

それらについては、今更サイケおやじがクドクドと述べる必要もない事は自覚しておりますが、個人的には密室でのSMに拘った「胎児が密漁する時(昭和41年・若松プロ)」は忘れられません。

それと故人の履歴には何かと錯綜する過去があったようで、おそらく今後、マスコミで様々に虚実入れ乱れた報道があるでしょう。

ただし、人間は過去なんか、ど~でもいいという真実が確かにあるはずです。

そりゃ~、若松孝二監督が家出少年からチンピラになって、何時しか映画関係の下働きをするようになり、名匠・小林悟監督の弟子として修業を重ね、様々な現場を経た後の昭和38(1963)年に初監督作品「甘い罠」を自らの制作プロを立ち上げて撮ったという経緯は、立志伝中の人物に成り得るものでしょう。

そして同時にチンピラ時代の留置場体験、自ら指揮する撮影現場における俳優事故死騒動、大島渚監督のメガヒット問題作「愛のコリーダ」の実質的な制作等々、やはり反権力・反体制の意思を貫く姿勢も、サイケおやじは尊敬するところです。

ちなみに「愛のコリーダ」のメインカメラも前述した伊藤英男なんですよっ!

ということで、若松孝二監督については、いくら書いても、これで終わりという事はありません。

しかし、今日はここまで……。ひたすらに合掌です。

最後になりましたが、掲載した路加奈子のシングル盤は件の主演映画「白昼夢」の主題歌扱いなんですが、劇中の彼女が歌手役であった事を活かした企画物として、昭和39(1964)年に発売されたものです。

残念ながらというか、当然ではありますが、狙いは「お色気レコード」ですから、一般的なヒットになっていません。

それでも作詞:松島敬之、作編曲:牧野昭一による「私をきつく抱きしめて」は、なかなか良いムードが堪能出来ますよ。

ただし、やっぱり路加奈子は、動いている姿が最高で、腋毛女優としても有名なひとりでしたから、サイケおやじは大好きでした。

あぁ、もう一度、「不倫のつぐない」が観たい……。

そして若松孝二監督、永遠なれ! 合掌。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドラゴンに燃えていた頃を思い出せっ!

2012-09-28 15:06:48 | Movie

燃えよドラゴン / Lalo Schifrin (Waner Bros. / ワーナーパイオニア)

日中関係が悪い……。

それは現在、紛れも無い事実であって、決定的な要因は例の尖閣問題でしょう。

しかし国家間、あるいは民衆相互が無闇な争いを望んでいるはずもなく、ましてや経済的にも両国が所謂「お得意様」の関係なんですからねぇ。

思えば40年前、日中国交正常化が成って以降、友好の証としてパンダが贈られたり、中国四千年の歴史文化展が開かれたり、何兆円もの円借款が行われてきた結果が、これじゃ~~、情けないですよ。

さて、そこで回想してしまったのが、昭和48(1973)年末に日本で公開された映画「燃えよドラゴン」の爆発的なヒットから続いたドラゴン~カンフーの大ブーム!

もちろん夭折の大スタアとしてブルース・リーが永遠の輝きを焼きつけた香港・アメリカ合作のアクション作品は、とにかくカンフーという打撃系格闘技をメインにした、実にスカッとしたスリルと神秘的なサスペンスが最高でしたし、何よりも細身の東洋人が陰湿な悪役や大柄の白人を一瞬で叩き潰すシーンの爽快感!

全くスクリーンを凝視させられる観客が、すっかり「その気」にさせられたのもムペなるかな、ブルース・リーのアクションを模倣したり、劇中で使っていたヌンチャクがバカ売れしたり、空手&拳法の道場が大盛況になったり……等々、とにかく日本中が、まさに「燃えよ」状態でしたよねぇ~~♪

また当然ながら、これは全世界でも同じ状況であって、それゆえにラロ・シフリンが担当した同映画のサントラから、テーマ曲「燃えよドラゴン / Theme From Enter The Dragon」が大ヒットしたのも必然でした。

あぁ~、これが最高にカッコE~~♪ ファンキージャズのフュージョンサウンドなんですから、今でもこれが流れてくると、グッと身体に力が漲ってくる皆様も大勢いらっしゃると推察するばかりですよっ!

それはイントロから大仰なオーケストラの響きと如何にもカンフーな気合のシャウト(?)がキャッチーの極みつきであり、特有の中華メロディがファンクなベース&ドラムス、そしてワウワウのギターで展開されていく中には、エレピのアドリブが置かれ、さらには流麗なストリングが彩りを添えるんですから、本当に、たまりませんねぇ~~♪

ちなみに、この種のジャズファンクが得意のラロ・シフリンは、これ以前にも例えば映画やテレビの劇伴サントラでは「ブリット」や「ダーティ・ハリー」、ご存じ「スパイ大作戦」等々があまりにも有名でしょうが、本来はアルゼンチンで生まれ育ち、クラシックや現代音楽を基本にアレンジやピアノを習得し、長じてはパリに留学までしていた音楽秀才です。そして我々が本当にラロ・シフリンを知るのは、モダンジャズを創成したトランペッターのディジー・ガレスピーのバンドに雇われ、エスニック風味の作編曲を提供しながら、レギュラーピアニストを務めていた1960年代からでしょう。

ですから、その音楽性にラテンやボサノバ、正統派モダンジャズからジャズロックやソウルジャズの要素が入り乱れて化学変化しているのも当然ではありますが、そんな持ち味が劇伴の仕事では尚更に分かり易く、刺激的なテンションを活かした方向に進化したのも、前述の作品群で明らかだと思います。

そこで以降、世界中で追従的作品が娯楽映画の主流となり、香港や台湾、東南アジアで作られた真性(?)カンフー物ばかりか、千葉真一や倉田保昭、それに「えっちゃ~ん」と呼ばれてアイドルスタアとなった志穂美悦子が主役の和製ドラゴン物、さらには欧州制作の勘違いインチキドラゴンやハリウッドでのブラックドラゴン諸作までもが、玉石混合で封切されたのも今や昔の出来事かもしれませんが、少なくとも、この「燃えよドラゴン」が無かったら、我々は志穂美悦子の最良の登場には出会えなかったはずです。

また同様の事態は世界各国で言わずもがなの真実であり、付け加えれば劇伴サントラにラロ・シフリン調のジャズファンクが増大した事も嬉しい誤算(?)でしょう♪♪~♪

ということで、権力者のメンツや資本家の悪企みは何時の世にも消えることはありません。

ですから今回の領土問題云々も、国際法等々の手段によって判断された後、禍根を残すことは必至だと思っています。

しかし、だからといって、既に「なあなあ」では済まされない話になっている現在、この「燃えよドラゴン」のように、国という囲いを解き放つパワーを持った娯楽映画でも出てくれば、なにかすんなり解決の道筋が見えるような気もするんですよ……。

つまり民衆レベルでの高揚感が、人種や国家体制の壁を超えて、いろんな問題を良い方向に導くんじゃ~ないのか?

と、相変わらず、お気楽な考え方しか出来ないサイケおやじではありますが、40年前の高揚感を回想すれば、不平不満諸々も収まりがつきそうな気配です。

そして最後に一言、尖閣国有化は大正解!

これに揺るぎはございません。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シカゴ&ガルシア組の裏名作

2012-09-19 15:21:49 | Movie

Tell Me c/w Prelude / Chicago (Columbia / CBSソニー)

それなりに社会で成功を掴み、お金が入ってくると、それで映画を作ってしまう奇特な人は今も後を絶ちませんが、その映画の良し悪しに関しては、概してマイナスが多い現実も、また……。

そこには何か周囲の僻み、あるいは本人の勘違いがあるのかもしれません。

しかし名作が無いか? と問われれば、それは否!

例えばシカゴのプロデューサーとして、一躍業界の大立者になったジェームス・ウィリアム・ガルシオが自ら制作、監督、音楽を担当した1973年公開の「グライド・イン・ブルー / Electra Glide In Blue (United Artists)」は、田舎の白バイ警官を主役に、倦怠した日常の中に抑えきれない心の葛藤を描いた裏名作としての好評があり、個人的にも好きな1本です。

しかも皆様がご推察のとおり、シカゴ本隊からテリー・キャス、ピーター・セテラ、リー・ロクネイン、ウォルター・パラゼイダーが俳優として出演し、劇伴音楽にも関わっているのですから、楽しみは倍増!?

物語はロバート・ブレイクとビリー・ブッシュが演じる2人の白バイ警官が、それぞれ自分の生き方に疑問を持ちつつも、自己完結型の信念で職務を遂行する日々の中、ロバート・ブレークは熱血であり、ビリー・ブッシュは刹那的……。

そして案の定、ビリー・ブッシュは弱い者イジメはするし、警官を辞めて以降は、どうやら悪いクスリにも浸る、ぐうたら生活であり、一方のロバート・ブレイクは殺人課の刑事を目指し、麻薬売人の変死事件へ積極的に参加するという展開です。

ちなみに題名にある「エレクトラ・グライド」とは、アメリカの白バイに採用されているハーレーの大型バイクであり、これをゴキゲンに乗り回すビリー・ブッシュには思わず共感してしまうサイケおやじではありますが、このあたりは既にアメリカン・ニューシネマの大名作「イージー・ライダー」を意識したであろう事がラストシーン共々、些かの減点対象とされています。

しかし、これはあくまでも、裏名作!

一度でも鑑賞すれば、前述「イージー・ライダー」を取るか、こちらを偏愛するかは、十人十色の感性でしょう。

さて、そこで本日掲載のシングル盤は、そのサウンドトラック扱いとして1974年1月、我国での封切に合わせて発売されたものですが、実はアメリカでは既に出ていたサントラLPがユナイテッド・アーティストから、そしてこれと同じカップリングのシングル盤は米国コロムビアから、ジェームス・ウィリアム・ガルシオ名義だったものが、日本では、なんとっ!

シカゴのニューシングル!?!

もちろんそれは当時のシカゴの破格な人気があればこそ、A面収録の「Tell Me」は映画のラストシーンで流れた哀切の名曲で、歌っているのがテリー・キャス♪♪~♪

しかも7分41秒の長尺でありながら、テリー・キャスのソウルフルな歌声とバックの女性コーラス、そしてドラマチックに盛り上がっていく展開は決して飽きることのない感動的な仕上がりなんですよっ!

ただし演奏はシカゴではなく、天才アレンジャーとして歴史に名を刻すジミー・ハスケルの編曲とスタジオセッションミュージシャンによる「お仕事」でありながら、これまた別次元の良さがあるんですから、曲を書いたジェームス・ウィリアム・ガルシオは充分に納得していたのではないでしょうか。

ですから、B面のインスト曲「Prelude」がジャズ寄りの演奏になっていても、これが後追いで聴けば、1970年代中頃のシカゴが傾倒していたソウルジャズ系の仕上がりなのは興味深いところだと思います。

う~ん、中盤からのトロンボーンのアドリブソロはジェームス・パンコウみたいに聞こえないこともありませんよ。

しかし、これがシカゴ名義だからと言っても、後々のベスト盤に収録されるなぁ~んてことはなく、前述したサントラアルバムのL中では、一番にシカゴっぽい仕上がりなんですから、罪な話です。

また、当然ながら、実際の映画フィルムに使われた音源とレコード化された歌と演奏は別物!?

そこでビデオ時代になって、輸入盤が日本で発売された時、映画本篇よりもシカゴファンは「音」ばっかりに集中する為に、ソフトを買っていたという真相もありましたですねぇ~~♪

ちなみに映画本篇ではシカゴの弟バンド扱いだったマデュラというロックジャズ系のグループも登場し、そのライプ会場の警備にあたるのが主役の白バイ警官という、些か強引な演出は賛否両論でしょうが、そこでは事件解決の糸口を掴む物語展開もあるんで、まあ、いいか……。

ちなみに前述のサントラアルバムにも、マデュラの演奏は入れられているものの、フェードアウトがちょいと勿体無いですねぇ。

で、肝心の映画「グライド・イン・ブルー」、これが5年ほど前になりましょうか、我国で「コレクターズエディション」としてDVD化され、件のサントラアルバムがCDとしてオマケ封入されたのですから、たまりません♪♪~♪

サイケおやじは迷う事なく、ゲ~~~~ット!!

つまり、この「Tell Me」も初CD化となりましたんで、要注意ですよ。

しかもリマスターが映像&音源の両方で、なかなか秀逸♪♪~♪ 特に映像の綺麗さは以前のビデオ版、あるいは海外版DVDよりも、かなり良いと思います。

ということで、これは警察官なんていう、一般社会の嫌われ者を主役にした風刺劇であり、また、ひとりの人間としての悩みや欲望に苛まれる姿の喜劇性を逆説的に用いながら、上手くアメリカ社会の混迷を描いた傑作だと思います。

そしてもろちん、それはアメリカばかりなく、権力者が存在する世界の全ての国、あるいは社会にも共通する事象でしょう。

ご存じのとおり、シカゴと言えば、公式デビュー当時からの積極的な政治的姿勢の開陳、特に合衆国大統領選挙におけるマクガヴァン候補への資金援助を目的としたコンサートライプ等々は有名ですが、結局はニクソンに敗れたあたりから、それも後退……。

むしろファンやリスナーの内面に政治意識を浸透させようと方向転換を図ったようなところが、この映画制作にも反映しているように感じるのですが、いかがなものでしょう。

当然ながら、「シカゴ≒ジェームス・ウィリアム・ガルシオ」という美しき関係が、当時は未だ破局していなかった証でもあり、ジェームス・ウィリアム・ガルシオの映像作家としての才能も、認められるべきと思います。

どうか皆様には、機会があれば、ご覧いただきたい映画であり、聴いていただきたい名曲であります。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

今こそ、これを歌おう!

2012-07-29 15:22:54 | Movie

サインはV / 麻里圭子 with 横田年昭とリオアルマ (日本ビクター)

冷静さを装ってみても、やっぱり熱くさせられるのがオリンピックですよねぇ~♪

四年に一度の真剣勝負! 参加選手が国旗を背負って競技に集中する姿勢は勝ち負けを超えて美しい!

とはいえ、やはり勝ってこそ、それがさらに輝くのも、また事実でしょう。

そして当然、サイケおやじは殊更女子競技に目が釘付けという真相も、既に皆様がご推察のとおりで、まあ、いろいろと美味しい妄想が膨らんでいるというわけですが、そこで思い出されるのが本日ご紹介の名曲「サインはV」であり、同名テレビドラマの素晴らしき名場面の数々♪♪~♪

もちろんこれはジャケ写からも一目瞭然、女子バレーボールを描いた所謂スポ根物なんですが、その根源にあるのは昭和39(1964)年の東京オリンピックにおける東洋の魔女ブームに他なりません。

なにしろ世界の強豪チームを相手に激闘の末の金メダル獲得!

その裏に秘められた猛練習と監督の名台詞「おれについてこい!」「なせば成る」等々、まさに当時の日本が邁進していた高度成長の勢いを体現した姿には、大いなる勇気と感動を与えら、それが映画化、漫画化された事は今や歴史でしょう。

中でも少女漫画でバレーボールを描いた学園物「アタックNo.1(集英社)」は驚異的な人気を集め、そこから対抗馬的にスタートしたのが「サインはV(講談社)」という流れは、後者が社会人チームを舞台にするという設定が実写ドラマにはジャストミート!

ちなみに前者がアニメ化された事への対抗意識も無いとは言えないはずですが、とにかく昭和44(1969)年秋からTBSでの放送は、忽ち凄い人気が爆発しましたですねぇ~~♪

その大きな要因は、もちろん物語展開が如何にもスポ根ど真ん中の汗と涙と友情をメインにしていた事は言わずもがな、岡田可愛、中山麻里、范文雀、岸ユキ等々のスタア女優が毎回、ブルマー姿で登場し、派手な回転レシーブやジャンプを見せまくり、おまけに流石は漫画的なバレー技までもが特撮実写化されていたのですから、たまりません。

特にブルマー姿での美脚&太股やレシーブ時のカメラワークも、全くドキドキさせられるほどの分かり易さが青少年には絶好のプレゼントであり、またジャンプ時の撮影も極めてローアングルからとあっては、一見すると迫力追求方針でありながら、それゆえに捲れた上半身のユニホームからのブラ見せという、これまた確信犯的なショットが連発されていましたですねぇ~♪

おまけに体育館の床掃除では、ブルマー姿でヒップを突き出した雑巾がけを後ろから映してしまうという大サービス♪♪~♪

う~ん、こんな美味しいカメラワークは、今じゃ~、絶対に許されんでしょう。

もちろん前述した女優陣の本来の頑張りも特筆物で、中でも黒人ハーフのジュン・サンダース役で登場した范文雀は、それによって大ブレイク!

実は同時期にはエロアクションのテレビドラマ「プレイガール」にも登場していたのですから、ますます健全(?)な妄想は膨らむばかり♪♪~♪

ちなみに舞台設定でのチーム名は「立木大和」ですが、これはリアルタイムで最強チームと言われていた「日立武蔵」である事がミエミエだったのも、物語を熱くさせるポイントだったと思いますし、対戦相手が「ヤシカ≒ミカサ」「ニチボー≒レインボー」等々、これまた現実に近かったのも高得点!

しかも物語は必ずしも、岡田可愛のチームばかりが勝つという展開ではありませんでしたからねぇ~、なかなか脚本も上手く出来ていたと思います。

さらに鬼コーチ役を演じた中山仁が、今になって思えば、ギリギリのSM趣味としか見えないシゴキをやってしまったり、それに耐える女子チームのあれやこれやも楽しいところでしょう。

まあ、このあたりは如何にもサイケおやじ的な視点ではありますが、実は皆様もご存じのとおり、この人気ドラマは続篇が昭和48(1973)年に作られていて、中山仁が同じ役を演じれば、ヒロインが坂口良子という、実はオリジナルから4年後という設定の物語になっていたんですが、時代的にも中山仁に「鬼」というイメージ幾分薄れていたような……。

さて、それはそれとして、この「サインはV」がもうひとつ、今日まで人気を継続しているのは、掲載のシングル盤に収録の主題歌が忘れられていないからでしょう。

作詞は岩谷時子、作曲は三沢郷によるプロの仕事は流石の仕上がりになっていますが、何よりも素晴らしいのはメインで歌う麻里圭子の溌剌としたボーカルであり、絶妙の合の手コーラスを担当するリオアルマとのコンビネーションも覚え易さの秘訣です。

ちなみに麻里圭子は同時期、お色気歌謡のプティ・マミとしても活動しているんですから、尚更に味わい深いわけですが、それにしても、あぁ~、この絶妙な胸キュンフィーリングと高揚感は実に最高ですねぇ~♪

今回のオリンピックでも、これを女子競技の映像に使ってくれる放送局は無いもんでしょうか!

というよりも、日本選手団のテーマにしても良いじゃ~ないですかっ!

 ブイ・アイ・シー・ティ~、オ、ア~ル、ワイッ!
 サインはブイッ!

この出だしはオールディズポップス「Vacation」からのイタダキなんでしょうが、それが極みつきの結果オーライですよ♪♪~♪

おそらくは本日も激戦熱闘の連続となるはずですが、こういう歌を聴きながら、さらに気分を高揚させるのも素敵ですよねぇ~♪

もちろん世界中のスポーツ美女、万歳っ!

最後になりましたが、東京オリンピックの時の「東洋の魔女」を映画化した作品「おれについてこい(昭和40年・東宝)」は、主演・白川由美のブルマー姿が拝めるとあって、今でも幻の人気作品♪♪~♪

サイケおやじは中学生の頃、校内巡回映画として観ていますが、これもまた美味しい場面が頻出していた事を付け加えておきます。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大都会part-2、今日は軽めのご報告まで

2012-07-07 16:22:19 | Movie

え~、なんか不具合が発生して画像がアップ出来ませんので……。

本日の1枚の休載、ご理解下さいませ。

ところで復刻DVDとして、石原プロで製作した「大都会part-2」のボックスセットを中古でゲット♪

もちろん日活ニューアクションの系譜に連なる傑作なんですが、サイケおやじ的にはゲスト出演の女優さんが、当然ながらロマンポルノとの共通ラインにある点に、喜びを感じています。

例えば片桐夕子、桂たまき、結城マミ等々、決して脱いでいるわけではないんですが、それゆえに素晴らしい演技が堪能出来ます。

またレギュラーとして白川望美(しらかわゆみ)の芸名で活動していた志麻いづみ♪♪~♪

大好きな彼女を観られるのも、たまりませんねぇ~♪

さあ、これから連夜の鑑賞になりそうです。

そして内容についての感想は、追々書きたいと思います。

あぁ、こういう復刻は本当に嬉しいです。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

惠子、ゆり子、てる美

2012-04-29 16:02:37 | Movie

平凡パンチ'70 The Nude 高橋惠子 ひし美ゆり子 東てる美 (マガジンハウス)

世間は連休で浮かれていても、なんだかんだで遊べない者だって夥しく、ましてや疎外感に追い込まれている孤独な皆様もいらっしゃるでしょう。

不肖、サイケおやじも、実はそうした中のひとりなんですが、しかしこの「ひとりっきり」というのは人生にとって、物凄く貴重な時間なんですよねぇ。

これは決して負け惜しみではないつもりです。

そして孤独であればこそ、本日ご紹介の素晴らしい写真集も存分に拝むことが出来るわけですよ♪♪~♪

なにしろタイトルどおり、1970年代を代表する女優にして、最高の人気グラビアアイドルでもあった3人ですからねぇ~♪

正直、すっかりお世話になっていたリアルタイムの頃はもちろん、現在だって彼女達への感謝の念は深まるばかりです。

まず高橋恵子は当時、関根恵子として大映末期にブレイクし、特に昭和45(1970)年のデビュー主演作だった「高校生ブルース」から真っ向勝負の15歳という、今ではアブナイ場面の連続描写は強烈で、ヌードはもちろん、スケスケの下着が最高に衝撃的だった事をサイケおやじは忘れていません。

そして「おさな妻」「高校生心中」「遊び」「成熟」等々のヒット作を連発し、大映の倒産をその度に先延ばしさせるほどの実績は、まさに映画史に残る活躍でしょう。

ですから、結果的に大映が昭和46(1971)年末に潰れた後は東宝に移籍し、さらなる名作に出演を続けたのもムペなるかな、いよいよ裸の演技もナチュラルな魅力を増大させた時期には登場するグラビアも爆発的な人気となり、掲載雑誌は驚異的な売り上げとなっていました。

それはご紹介の写真集に纏められた当時の「平凡パンチ」からのカットでも明らかで、昭和48(1973)年9月17号に掲載された内容は、東宝映画「朝やけの詩」撮影中のシーンをメインに使っているのですが、それは彼女のオールヌードが前貼りも無しという評判が世間を騒がせ、なんとっ! そのアンダーヘアがモロ出しの写真が数枚、流出するという裏事件(?)もありましたですねぇ。

告白するとサイケおやじは幸運にも、その複写版を入手し、まさに宝物にしていたほどです♪♪~♪

一方、同じ時期に撮影されたのが、これまた永遠の女神様として今日も時代を超えて美しいひし美ゆり子の南仏コートダジュールでのヌードグラビアで、昭和48(1973)年4月6号&同年8月6日号に掲載されたカットの数々には、おもわず手を合わせてしまうほどです♪♪~♪

しかし、こうした脱ぎっぷりの良さとは逆に、撮影中のひし美ゆり子はポーズやロケ場所についてあれこれゴネていたそうで、それは彼女のプログでご本人が告白されているんですが、やはり羞恥心があってこそ、エロスも尚更に輝くわけですよ♪♪~♪

正直、それを知ってしまえば、リアルタイムよりは現在の方が感激も興奮度も高く、本当に覚悟を決めて鑑賞しておりますです。

あぁ、ありがたや、ありがたや♪♪~♪

そしていよいよ東てる美なんですが、ここに収録されたカットが撮影された昭和51(1976)年といえば、完全にロマンポルノの看板スタアになっていた頃で、オナペット・ナンバーワン女優として、まさに裏アイドルの絶頂期! ですから、温泉旅館で撮られたヌードにも説得力が満点ですよ♪♪~♪

個人的にも「生贄夫人」で鮮烈にデビューした直後から、彼女に対しては制御不能の夢中状態が続いていたわけで、またまた告白すると高校時代に密かに憧れていた同級生に彼女が似ていた事もあり、爆発的な妄想を煽られていた女優さんでした。

ということで、永久保存版として現在発売中!

とにかくこれは買える時に買っておくべき1冊でしょう。

デジタルリマスターなんていう言葉が写真にも使われるとは思ってもいませんでしたが、印刷も綺麗ですし、版型も大きく、しかも値段は2千円代ですから、迷っていたらバチがあたるんじゃないでしょうか。

ちなみに当時は未発表だったカットも収録されているそうですし、これはちょいと全部を確認出来ていないので詳細は書けませんが、それはそれとして、貴重なる「ひとりっきり」の時間には最高の友達になるはずですよ♪♪~♪

心から、ありがとう♪

本日は、そう、述べさせていただきます(敬称略)。

コメント (131)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

浜かおる、安らかに…

2012-03-24 15:13:14 | Movie

それはやはり突然、と言っていいでしょう……。

昨夜、ひし美ゆり子様のプログで女優・浜かおるの訃報に接しました。

ご存じのとおり、故人は特にテレビのセクシーアクションドラマでは最高峰「プレイガール」のレギュラーとして忘れ得ぬわけですが、芸歴としてはそれ以前に浜川智子として日活で活躍しておりました。

残念ながら主演作は残しませんでしたが、それでもグッと強い印象を与えてくれる面立ちは、その大きな眼の輝きに強固な意志が感じられ、また男好きのするスタイルの良さ、立ち振る舞いの華やかさも含め、如何にも女優然とした佇まいは吉永小百合、小林旭、大田雅子(現・梶芽衣子)、浅丘ルリ子といった主役スタアの脇にあっても、なんら遜色の無い存在として、映画ファンを惹きつけずにはおきません。

しかし、その潜在的な人気とは裏腹に、これほど過小評価されている女優さんもいないと思われるほどですが、いかがなものでしょう。

ですから、「浜かおる」に改名してのプレイガール出演ばかりがクローズアップされるのは、それはそれで充分な必需性があるとは思いますが、なにか物足りないような気分が打ち消せません。

もちろん、やはりプレイガールにおける故人の素晴らしさは圧倒的であって、昭和44(1969)年7月放送の第14話での初登場以降、忽ちにして世の男どもを虜した活躍は痛快至極♪♪~♪ 特に出し惜しみしないアクションシーンでのパンツ見せ、その前段としての脚線美全開のハイキックやモダンダンス的な動作を連想させる溌剌さ!

そういう、ある意味での媚びた演技が決してイヤミにならないところにも、女優・浜かおるの真骨頂があったように思います。

つまり平たく言えば、彼女が出ていれば、その回のクライマックスでは美味しい場面がテンコ盛りという「お約束」がきっちり守られ、それゆえの安心感が殊更ギラギラしていた十代のサイケおやじのスケベ心を満たしてくれたのです。

あぁ、そのポイントだけでさえ、故人への感謝の念と訃報に接しての衷心からの気持は、尽きることがありません。

ひし美ゆり子様の言によれば、故人は気の強い性格だったようですが、決して「裸の安売り」的な仕事はやっていませんし、最近は実質的に芸能界を引退され、結婚してご家族と平穏に生活されていた中での不治の病……。

そしてあまりにも早すぎる突然の訃報には、本当に言葉を失いましたですねぇ。

ということで、最後になりましたが、故人の日活における出演作品で、現在までにDVD化されている代表的なものを幾つかご紹介致します。

俺にさわると危ないぜ (昭和41年・長谷部安春監督)
 小林旭主演、長谷部安春監督の第1回作品です。
 現代版女忍者のザ・ニンジャーズのひとりとして登場♪

東京流れ者 (昭41和年・鈴木清順監督)
 渡哲也主演にして代表作のひとつ!
 漫画好きで笑ってばかりの女として、強い印象を残しています。

愛と死の記録 (昭和41年・蔵原惟繕監督)
 吉永小百合主演、彼女の友人という定番役を演じていますよ。
 確かレコード屋の店員だったはずです。

あゝ、ひめゆりの塔 (昭和44年・舛田利雄監督)
 説明不要、日活女優陣総出演の傑作です。
 なんと、太田雅子=梶芽衣子と壮絶な手榴弾自決でした。

と、まあ、あまりにも少ないですよねぇ、ソフト化作品が……。

本当は、もっともっと素晴らしい人気作がどっさりあるんで、未だ一部しかパッケージ化されていない「プレイーガール」も併せて、ぜひとも復刻して欲しいものですよ。

ちなみに日活を退社されてからが、浜かおる名義とされていますが、テレビ出演に関しては、昭和45年以降も浜川智子としての活動があると言われています。

合掌。

(一部敬称略)

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする