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OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

夏の光とやまがたすみこ

2021-06-05 19:51:46 | Singer Song Writer

夏の光に / やまがたすみこ (BLOW UP / 日本コロムビア)

サイケおやじが御用達の夏歌としては、やまがたすみこが昭和51(1976)年7月に出した本日掲載のシングル盤A面曲「夏の光に」は絶対!

もちろん、曲タイトルからして、それを裏切らない仕上がりは当然ではありますが、それにしても作詞:喜多条忠&作曲:山県すみ子、そして編曲:渡辺俊幸が企図制作したのは素晴らしいボサノバ歌謡なんですねぇ~~♪

それは爽やかなアコースティックギターとエレピに導かれて歌い出される女と男のハートウォームなデュエットハミングからしてニクイばかりなんですが、これまた主旋律が胸キュンの歌詞にはジャストミートの美メロの展開なんですから、殊更やまがたすみこの節回しが心地好ぃ~~ (^^♪

ご存知のとおり、デビュー期からの彼女の声質はハイトーン系で、ロリータボイスっぽいところが美少女としてのルックスを尚更に印象づけていたわけですが、ここでの彼女は既に19歳という事もあり、その大人びたボーカルコントロールには特有のセクシーさが微妙に滲み出しているあたりも高得点 (^^♪

ちなみに、ここでコーラスパートを演じているのは、元ヴィレッジ・シンガーズの小松久というのが定説です。

そして、このシングル曲こそが、やまがたすみこの大きな転換点と申しましょうか、デビュー当時から歌謡フォーク系のシンガーソングライターという主だったイメージも、メジャーな芸能界で活躍するプロのシンガーとしては、職業作家から提供された楽曲も歌うのが当然となり、また時代の流れとして、所謂ニューミュージック系のサウンド作りに方向転換していく、その最初の成功作が同時期に出した6枚目のLP「SUMMER SHADE」であり、そこからの先行シングルという扱いだったのが、この「夏の光」でありました。

いゃ~~、今になって思い出しても、この「夏の光に」を最初に聴いた当時の胸のトキメキは忘れられません ♪♪~♪

また、件のLP「SUMMER SHADE」にしても、過言ではなく、秀逸の極みであり、もしも日本のポップス系アルバムを100枚挙げよ! 

と言われたら、サイケおやじは、この傑作を選ぶ事、吝かではありません (^^♪

現在でも、きっちりCD化されておりますので、この鬱陶しくなりそうな夏なればこそ、皆様にもお楽しみいただきとうございます。

あぁ……、夏の光の眩しさは……。

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大切にしている白季千加子

2021-05-26 19:34:06 | Singer Song Writer

Habor Light / 白季千加子 (BLOW UP / 日本コロムビア)

今も昔もコアなファンが多い白季千加子は、基本的にはシンガーソングライターとして昭和52(1977)年頃に公式デビューしているんですが、同時に優れた歌唱力も評価されていた美人ボーカリストでもありました。

ところが、その活動初期においては頑なに自身のポートレートを拒否していたというか、レコードジャケットには自作の版画を使用したり、「化粧はしない」とか「ヘアスタイルは気にしない」云々の発言もあったりしたのは、当時の歌の作風がアコースティックを基調にしたフォーク&ブルース調であった印象ともダブっていて、それはそれで良かったのかもしれませんが、評論家の先生方からの高評価とは裏腹に、大きなブレイクも無いままにレコード会社を移籍した昭和54(1979)年頃からは、しっかり顔出し!

そしてボーカリストしての優れた資質を活かすべく、職業作家から提供された楽曲を歌うという路線変更は賛否両論だったとはいえ、サイケおやじとしては、尚更に彼女が大好きになってしまいましたですねぇ~~ (^^♪

だって、ど~ですかぁ~~、本日掲載のシングル盤のジャケ写にしても、その雰囲気に負けない美貌はっ (^^♪

で、ここでの気になる収録A面曲「Habor Light」は作詞:岡本おさみ&作編曲:鈴木キサブローが手掛けたミディアムテンポの歌謡ロックで、如何にもの「泣きのギター」は正直、少しばかり当たり前過ぎる気もするんですが、白季千加子の歌いっぷり良さは素晴らしく、シャープな節回しとナチュラルなロックフィーリングが滲む声質、そして正統派歌謡曲の味わいも表出させる歌唱力は、サイケおやじが最も好むところです。

そう、例えば現代の歌手としては、平成のおんなギター流し・おかゆが一番近いイメージかもしれませんが、しかし、やっぱり白季千加子は唯一無二ですよっ!

なぁ~んて、思わず力が入ってしまいましたが、初期の頃の歌だって、決して悪いはずもなく、既に述べたとおり、アンプラグドな作風は浅川マキ、そして中島みゆき等々の影響も濃い、刹那の女歌ですから、それは聴くほどにグッと惹きつけられるばかりで、それもこれも、彼女の個性的な歌唱力があればこそと思います。

ということで、白季千加子は、このシングル盤を出して後、メジャーな世界からはリタイアしてしまったと思われますが、残してくれた音源はサイケおやじにとっての大切な宝物になっていますし、ひとりでも多くの皆様に聴いていただきたい歌手であります。

数年前には諸作がCD化されているはずですので、ぜひっ!

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酒場歌の魅力は未知数

2021-05-23 18:07:11 | Singer Song Writer

のんだくれ / 西島三重子 (ワーナーパイオニア)

流行歌の世界には定番のひとつとして「酒場歌」というジャンルがありますが、だからこそ、夥しい楽曲が作られながら、その何れもが、何かしら心に響き、染み込んで来るのは何故でせう……。

もちろん、酒に酔うという成り行きから、そ~なってしまう事は否定出来ませんが、例えばサイケおやじは体質的に酒に酔わないくせに、酒場歌が大好きなんですから、その雰囲気に酔わされて……、というのが真相のひとつなんでしょうか?

さて、そんなこんなを踏まえて、本日ご紹介したいのが、昭和51(1976)年に発売された、西島三重子の公式デビュー作となるシングル曲「のんだくれ」で、もちろん作曲は彼女自身ですし、作詞:佐藤順英&編曲:馬飼野俊一とクレジットされた共作者との意思の疎通も、なかなか歌謡曲の王道路線に仕上がっているんですが、のんだくれている男の身の上を案ずる様で、実はクールに眺めている(?)彼女の歌声の湿っぽさが、なかなかにクセ者というか、ニクイところです。

そして、せつないフレーズを織り込むギターが、これまたイイんですよねぇ~~♪

決してヒットしたとは言い難い結果ではありましたが、ここでの3人のコラボレーションは、続く「池上線」のロングセラーヒットに結び付いておりますので、それなりの成功作だった様に思います。

ということで、「酒場歌」は決して酒飲みだけの歌では無く、酒が飲めなくても、酒に酔っていなくても、心に訴えかけてくる「何か」が、そこには有るんじゃ~ないでしょうか。

その正解が未だに分からないサイケおやじであるが故に、尚更に「酒場歌」が好きなのかもしれません (^^♪

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外は雨を歌う川島康子

2021-05-19 19:19:27 | Singer Song Writer

外は雨 / 川島康子 (ポリドール)

何かと気が多いサイケおやじではありますが、一応は「OLD WAVE」を自称するだけの頑固さだって、自分なりに貫いているつもりでして、それが皆様には、どの様に受け取られ、見られているかは、この際……、関係ないという前提でご紹介するのが、シンガーソングライターの川島康子です。

そして掲載したのは昭和51(1976)年9月に出した公式デビュー作と思われるシングル盤で、殊更本人が自作のA面曲「外は雨」こそは、当時のサイケおやじが求めていた気分にはジャストミートの名曲・名唱でありまして、もちろん、それは曲タイトルどおり、雨の日の情景と恋情を失った女の独り言を絡ませたロストラブソングではありますが、その想いは決して女だけのものではありますまい……。

サウンド的にも、イントロからのミステリアスなキーボートにアコースティックギターの響きが冷たい雨模様を演出しているかの如き素晴らしさで、それに導かれて歌い出す川島康子の節回しはクールにして湿っぽく、哀しくも熱い息遣いと申しましょうか、ジワジワと盛り上げてからの刹那の気分は、正に昭和51(1976)秋の風情なんですよ。

まあ、これは繰り返しますが、当時のサイケおやじの当所も無い心持に染み込んだというだけの事かもしれませんが (^^;

だからこそ、間奏で泣いているギターソロをコピーして弾いてみたりする独り善がりも、自分なりに納得していたんでしょう、恥ずかしながら (^^;

ちなみに、その秀逸なアレンジは大野雄二のイイ仕事であり、大野雄二の信者には必須の定番になっているはずですが、それが無かったとしても川島康子の歌いっぷりは素晴らしく、ミディアムスローの曲展開を自作自演の強みで盛り上げていく歌唱力とアルトボイスの魅力は最高 (^^♪

現在活躍している女性歌手を例に出せば、門松みゆき、おかゆ、……という若手が近いところでしょうから、ど~か、この「外は雨」をカバーして欲しいと願っております。

ちなみに川島康子については、それほど知るところもありませんが、残された音源は全て素晴らしいと断言させていただくほどで、確かにブレイクしたとは言い難いのは事実ではありますが、根強いファンは今でも多いと推察する次第ですし、シングル曲ばかりではなく、きっちり作られていたアルバムも隠れ傑作、あるいは幻の名盤と認定されても不思議ではないんですが、いかがなものでしょう。

とにかく出会ってから、彼女はサイケおやじの大好きなシンガーソングライターであり、素晴らしいボーカリストだと思っております。

最後になりましたが、掲載盤のジャケットはイラスト仕様のデザインになっておりますが、彼女本人はサイケおやじの好みの美女でありまして、それほど表舞台には登場しなかった印象もあるんですが、気になる皆様はネット等々で検索してみてくださいませ (^^♪

ということで、なんとなく本日は冷たい雨に心もジメジメしてしまいましたので、ついつい「外は雨」を取り出してしまった経緯は、皆様ご推察のとおりです。

全く、雨の風情も悪くはないなぁ~~、と思ったりしております (^^;

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古都から帰りて

2021-05-07 19:36:14 | Singer Song Writer

古都めぐり / 広谷順子 (ポニーキャニオン)

昨日は京都方面へ急ぎ、赴いたんですが、それというのも、長年行方不明になっていた仕事関係の重要人物の消息が知れ、どうやら京都近郊に住んでいるらしいとの情報が数日前に入り、しつこくメールや電話で連絡していたら、昨日朝に返信のメールがっ!

いゃ~~、久々に嬉しくて、震えましたですねぇ~~、自分でも驚くほどに!?!

詳らかには出来ませんが、件の尋ね人は諸事情から夫や子供と別れ、失踪同然だったという経緯があり、しかし、とても大切な要件に関する権利を持っているので、サイケおやじとしては、ど~しても会っておきたい人物でありましたから、とりあえず昨日は様々な話し合いも結果は上々 (^^♪

以前よりも、穏やかな面立ちの女性らしさが滲み出ていた事にも、安心させられた次第です。

ということで、そんなこんなから本日掲載したのは、広谷順子が昭和54(1979)年に出したシングル盤A面曲「古都めぐり」のご紹介です。

あぁ~~、これがサイケおやじにとっては、ハナからケツまで好みのツボを刺激されちまう大好きな名曲名唱で、制作クレジットは作詞:竜真知子&作曲:広谷順子、そして編曲:松任谷正隆となっていますから、まさにニューミュージックがド真ん中の仕上がりは言うまでもありませんが、幾分歌謡曲テイストが強い歌詞の世界に程好い泣きメロを附した広谷順子は流石の実力ですし、ミディアムアップの曲調を力強く、そして優しさを忘れずにアレンジした松任谷正隆も実に素晴らしい仕事だと思いますねぇ~~♪

また、それを確実に演じているカラオケパートのセッションプレイヤーとレコーディングスタッフの力量も最高ですよ (^^♪

とかにく、ぜひとも皆様には聴いていただきたいのが、広谷順子の「古都めぐり」です。

実は今朝から、このシングル盤をサイケおやじは自宅で何回もリピートしていたもんですから、周囲からは呆れられしまったんですが、広谷順子の歌唱から伝わってくるハートウォームな胸キュン感には、何度聴いてもシビレさせられます (^^♪

う~ん、失踪当時の彼女の心情って、こんなだったのかなぁ……。

等々、余計なお世話に傾いてしまうのも、サイケおやじの偽りの無い気持ちであります。

時勢で当分は無理とは知りつつも、何時か……、おやじバンドの活動が再開出来るのならば、この「古都めぐり」をやってみたい気持ちが固まっているのでした。

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彼女と指切り

2021-05-04 19:59:16 | Singer Song Writer

指切り / 伊藤美奈子  (CBSソニー)

掲載したのは伊藤美奈子の2ndシングルで、発売されたのは昭和59(1984)年3月だったんですが、この時は同じく公式デビュー2作目のアルバム「誘魚灯」も発売され、このシングル盤A面収録の「指切り」も入れられてはいるものの、こっちは堂々のシングルバージョンというのが嬉しいところでしょうか (^^♪

と言うのも、基本的には、ほとんど同じバージョンではありますが、具体的にはアルバムに収録されたトラックは間奏が少し長く、前曲とクロスフェードして始まるので、この「指切り」だけをカセットにダビングする作業が難しいという実情がありましたからねぇ~~、スッキリと曲頭からスタートするシングルバージョンは有難かったのであります (^^;

で、肝心の楽曲「指切り」は作詞:田口俊&作曲:伊藤美奈子、そしてアレンジとプロデュースを松任谷正隆が担当したラテンフュージョン系のAOR歌謡で、伊藤美奈子が、そこはかとない刹那の節回しで歌ってくれるキャッチーな仕上がりは上々だと思うんですが、結果的にヒットしたとは言い難いのは、この頃のシンガーソングライターやニューミュージック系のボーカリストはシングル盤よりはアルバムで勝負していた傾向があり、あくまでもアルバムを売るための手段のひとつがシングルヒットでしたからねぇ、その良し悪しが一概には決められるものではありません。

ただ、個人的には好きな歌であり、伊藤美奈子への偏愛が強くなった1曲でもあります。

また、ここで要注意(?)なのが作詞家として参加している田口俊の存在でしょうか。

皆様ご存知のとおり、田口俊はアイドル歌謡ポップスからニューミュージック、そして演歌や日本のロック系バンドにまで幅広く作品を提供し、制作現場ではプロデュースも担当する才人ではありますが、この伊藤美奈子のアルバム制作当時はローレライと名乗るバンドのメンバーとしてボーカルとギターの座にあったんですが、グループ内では作詞&作曲に加え、既にアレンジも手掛けていたと記憶しています。

ということで、機会があれば伊藤美奈子の諸作品は皆様にもお楽しみいただきたいと思うんですが、一時的にCD化されてた復刻盤は今、ど~なっているのでしょう?

以前も書きましたが、こ~ゆ~埋もれ気味のレコードこそ、何時でも手軽に聴ける様になっていて欲しいものです。

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イイですねぇ~~、人妻の素足にジーンズ

2021-04-21 17:25:48 | Singer Song Writer

11時のサンバ c/w あじさいの花 / 惣領智子 (RCA)

音楽が好きで、レコード蒐集に長年勤しんでいると、ど~してもシングル盤で持っていたい歌や演奏ってのに目覚めてしまう気持ち、皆様にもご理解いただけると思います。

もちろん、それが所謂シングルバージョン、つまりアルバムに収録されているテイクとは別物に仕上がっている場合はノー文句なんですが、それとは別な気分と申しましょうか、ひとつには日本で発売されるシングル盤には、ほとんどピクチャースリーヴが付いていて当たり前という嬉しい事情がありますし、それがジャケ買い趣味に繋がっている事は言わずもがな、しかし……、それ以外にもシングル盤には不思議な魅力が存在しているんじゃ~ないでしょうか。

このあたりの気持ちをサイケおやじの稚拙な筆では……、ど~にも上手く伝えられなくて、我ながらモドカシイわけですが、ひとつには、あのシングル盤の愛らしいサイズ、つまり「7吋」の世界観に魅了される何かがあるのかもしれません。

で、本日掲載したのは、どうにもサイケおやじをそんな気分に誘った1枚で、レコードそのものは惣領智子が昭和51(1976)年に出したアルバム「やさしく愛して」からシングルカットした「11時のサンバ 」を7吋盤A面に収録したものですから、楽曲自体は件のLPでも聴けるわけですが、しかし、ど~です、このジャケ写イメージの彼女から滲み出ている日常的な色っぽさは、殊更ジーンズに素足っていうところにグッと惹かれてしまうんですねぇ~~、サイケおやじは (^^♪

また、ちょいとネタばらし気味ではありますが、前述のLP「やさしく愛して」のジャケ写も実に着エロ的で、申し分ありませんので、気になる皆様はネットで検索可能と思われますから、ぜひともご覧くださいませ (^^♪

閑話休題。

そして肝心の収録A面曲「11時のサンバ」は作詞作曲:惣領智子&編曲:惣領泰則という家内制手工業の趣も愛らしい歌謡サンバで、歌詞の内容に現実味が薄いところを逆手に活かした様なサウンド作りと彼女の素晴らしい歌声が憎めない仕上がりかと思います。

しかし、それでも個人的には、やっぱりジャケ写イメージが先にあってこそのレコードっていうのが、このブツの魅力と決め込んでおります (^^♪

ちなみに、このシングル盤が世に出たのは昭和57(1977)年で、ここにB面収録されている「あじさいの花」は同年制作発売のアルバム「City Lights By The Moonlight」に入れられています。

ということで、皆様ご存知とおり、オンタイムでの惣領智子は惣領泰則と夫婦関係にあり、つまりは人妻としてのナチュラルな色気があって当然なのでした。

う~ん、それにしても、魅せられてしまいますねぇ~~~♪

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野本直美の姉御肌フォーク

2021-04-12 18:28:14 | Singer Song Writer

かなしみ通り / 野本直美 (discomate / ビクター)

今にして思えば、日本における昭和50年代中頃からの大衆音楽は歌謡曲もロックも、また演歌やアイドル歌謡さえも、「ニューミュージック」という便利な言葉で括られるほど、ひとつの方向性を強制されていた時期が確かにありました。

ですから、所謂シンガーソングライターと称される自作自演の歌手にしても、それが持ち味だとはいえ、頑なに自分だけの世界を表現していては売れないという現実の厳しさに直面させられ、路線やスタイルの変更を余儀なくされながら、結局は……。

プロとしてのビジネスを成り立たせるためには、そ~ゆ~事だって、何れば自分自身の表現を貫く為の手段とは思いつつ、ファンやマニアからすれば、気持ちを共有しかねる状況は哀しいわけです。

本日掲載のシングル盤を公式プロデビュー作とした野本直美は、熱心なファンから、どのように思われていたのか、冒頭からグダグダと述べさせていただいた観点からして、大いに気になる存在です。

なにしろ彼女は生粋(?)のヤマハ系シンガーソングライターとして、大人の女性の気持ちを歌うという評価が高く、そのスタイルは演歌っぽさも時には滲ませるフォーク歌謡でしたから、ここにA面収録の自作曲「かなしみ通り」にしても、飛沢宏元のアンプラグドなアレンジを得て、姉御肌っぽい歌いっぷりを披露しているあたりは、全くジャケ写どおりのイメージだったんですねぇ~~♪

ところが、サイケおやじは大いに気に入っていたんですが、客観的には時代にアクセスしていない雰囲気が濃厚で、決してヒットしたとは言い難い状況だったんじゃ~ないでしょうか……。

実際、サイケおやじにしても、この「かなしみ通り」を最初に聴いたのは業界の知り合いからプレゼントされたカセットコピーであり、掲載の私有盤にしても、中古ゲットしたサンプル盤というのが実情ですから…… (^^;

何時しか彼女がロックぽい方向へプロデュースされていったのも、頷けるとはいえ、失礼ながら彼女のルックスは、あんまりロックしていない感じですし、それが女版の佐野元春みたいになっていた時期もあり、結果的にフェードアウト……。

あくまでも個人的な希望ではありますが、ど~せなら、ボニー・レイットみたいな、ブルースロックウーマンを演じて欲しかったと思っています。

ということで、しかし、それでも野本直美は素敵なレコードを残してくれた事に間違いはありません。

問題は、それを気に入るか、あるいは拒否反応を示すのか、等々という嗜好品としての扱いに近いところでしょうか?

一応、それなりにレコードは集めてありますので、何れご紹介させていただく事として、本日は失礼させていただきます <(_ _)>

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古谷野とも子に横恋慕

2021-03-25 19:21:40 | Singer Song Writer

うぬぼれないで / 古谷野とも子 (キングレコード)

古谷野とも子も昭和50年代前半にコアなファンを摑んでいたシンガーソングライターで、音楽的な基盤はシャンソンと云われていたんですが、そ~言われてみると確かにデビュー当初から制作発売していたレコードには幾分重苦しい楽曲が多かった印象が残っています。

しかし彼女はルックスもイイ感じでしたし、きっちり歌唱力もありましたから、あとは自作自演で披露される歌の世界に、どこまで共鳴出来るかがポイントであり、そこに十人十色の好き嫌いがあろうとも、好きな人には好き♪ 

としか言えない魅力を持っていたボーカリストでもありました。

で、掲載したのは昭和54(1979)年に出した、おそらくは彼女にとっては現役ラストシングルであろう人気盤で、殊更A面収録の「うぬぼれないで」は作詞作曲:古谷野とも子、そして鈴木茂がアレンジを担当した、これがラテンジャズっぽいピアノを全篇にフィーチャーして弾みまくったアップテンポのシニカルなラブソング!?!

不肖サイケおやじすれば、このサウンドで彼女のウォームな歌声が楽しめるんですから、楽曲そのものの良し悪しなんてのは二の次であり、比較的暗い歌が多かった印象の古谷野とも子が新境地!

なあ~んて、勝手な思い込みまでしていたんですが、なんとっ!

この曲を出した前後に、歌謡フォークのかぐや姫やソロ活動でも大きな実績を積み重ねていた伊勢正三と結婚し、実質的なリタイアとなったのですから、せつないというか (^^;

言い訳になるかもしれませんが、サイケおやじは決して彼女の大ファンというわけではなく、それでいてレコードをチマチマと中古漁りしていたのは、彼女のルックスに惹かれる所為であった事を告白しなければなりません (^^;

そして実は……、彼女のフルコンサートにも全く接した事が無く、何かのイベントか、テレビの中の映像なのか、2~3回程度は、その美しきお姿に拝謁させていただいただけという、いやはやなんとも、本日は思い込み優先モードでのご紹介となってしまいました (^^;

ということで、古谷野とも子が残したレコードには素敵な彼女のポートレートが用いられているブツが多く、つまりはジャケ買い趣味の対象と思われても、それについての言い訳も今回は成り立たない事、自覚している次第です。

もちろん、そんなわけですから、彼女のレコードは追々にご紹介させていただく所存であります (^^;

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見つめられ、魅せられる人生のワルツ

2021-03-16 18:27:13 | Singer Song Writer

人生の円舞曲 / 多喜子 (キングレコード)

レコード蒐集には所謂「ジャケ買い」というジャンルがあり、殊更日本ではシングル盤でも美麗なポートレートやデザインスリーブが当たり前の様に付いていますから、思わず衝動買いさせられるブツも少なくありません。

もちろん、それによって入手したレコードに収録されている音源が自分の好みに合っていれば、尚良し!

本日掲載のシングル盤はサイケおやじにとっては、全くの「それ」なんですよ (^^♪

とにかく、ど~です♪

このネオサイケデリックなスリーブデザインはっ!

しかも、そこにモノクロで登場している多喜子と名乗る主役の女性の面立ちと雰囲気こそは、サイケおやじの趣味嗜好にジャストミートしているんですねぇ~~~♪

これが発売されたのは昭和54(1979)年11月、収録A面曲「人生の円舞曲(ワルツ)」のクレジットを確認すれば、作詞作曲は「佐藤多喜子」名義になっていますから、おそらくはレコードで歌っている「多喜子」が本名での自作自演という事なんでしょう。

そして実際、程好くドラマチックなピアノと如何にもアコースティックギターによるイントロから始まるミディアムテンポの曲調はネクラモード(?)の哀愁が滲み出た、感じ方によってはフォーク演歌調のシミジミソングで、しかも歌詞の世界は男の女のシニカルな人生を美化したくとも、それは……。

という、ちょっぴり中島みゆきの世界にも通じるものがあるとは思いますが、あそこまで皮肉っぽい陰惨さは無く、なによりも多喜子本人の大人っぽい声質による節回しにはグッと惹きつけられますよ♪♪~♪

重心の低いリズム隊を用いた大谷和夫のアレンジもイイ感じですし、しかも中間部での「独白~語り」のパートがあればこそ、楽曲全篇の流れがジンワリジワジワと心に染みて来て、我知らずの胸キュン感に包まれるのは過言ではなく、至福 (^^)

いゃ~~、これが聴けたのは人生の幸せのひとつであります (^^♪

ということで、実はこのシングル盤は当然ながらサイケおやじの自室の「壁の1枚」だったんですが、ど~ゆ~わけか昨夜、彼女からの目線を強烈に感じてしまい、壁から外してターンテーブルに乗せてしまったという次第です。

肝心の「多喜子」のプロフィールについては、彼女がヤマハ系のシンガーソングライターである事以外に知るところはありませんが、どうやら素晴らしいLPを1枚出しているらしいので、探索しております。

あぁ……、人生のワルツ、せつなさも、生きる哀しみも、最高です♪

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