FOOTBALL LIFE

~サッカーを中心に日々の雑感など~

『ベルンの奇蹟』~ドイツ・ワールドカップの栄光~

2005年11月04日 | Weblog
1954年7月のスイス、ベルンで行われたW杯優勝への道と、ロシアから帰還した父親リヒャルト(ペーター・ローマイヤー)と11歳の息子マチアス(ルーイ・フラムロート)、その家族を描きながらドイツの戦後復興の苦しみとそれを吹き飛ばすような優勝の喜びを描いている。この父子は実際の親子だそうで、監督、プロデューサー・脚本を担当したゼーンケ・ヴォルトマンは実際の元プロサッカー選手だったそうだ。

冒頭、煙突が立ち並ぶ工場が写され、その町の空気とそのチームがエッセンなんだとわかる。マチアスは屋根裏に行き、アーヘンーエッセン、1-0と出て、伝書鳩にいう場面。「しかもアーヘンにチキショー。リーグ優勝は無理だなあ」なんてセリフを聞くと、サッカーファンとしては思い当たり過ぎて?ドキッとしてしまう。

父親が兵隊にとられて帰ってこない。末の息子のマチアスが生まれたことも知らない。母親はバーを開き、息子も娘もそれを手伝って生計を立ててきた。そこへ父親が帰還する。しかし、家族との深い溝、新しいドイツにもなじめない父親。TVでは帰還兵への募金が呼びかけられていた。元いた炭鉱で働こうにも掘削機の音を聞くと精神が不安定になり働けない。戦争が終わっても父親の苦しみは終わらない。

一方のマチアスはエッセンが生んだ選手ドイツ代表ラーン(ボス)のかばん持ちになって、サッカーと関わっている。マチアスがいればチームは何とか勝つことが出来るというマスコットで、そのお陰でただで試合が見られるというわけだ。しかし、厳しい教育が必要という父親にサッカーを禁止され、ついに家出してしまう・・・。

サッカーの記者がでてきて結婚する妻とのシーンはちょっとおかしいような、今でも身近にあるようなー。「気をつけろ、女はサッカーの敵なんだからな」というセリフが出てくるからだ。もっとも、彼女の格好たるや1950年代、オードリー・ヘプバーンスタイル。スカーフの端をクルクルと首に巻いて結んだり、ウェストを絞り、フレヤースカートはふわふわしている。

しかし、そうしたもやもやもドイツの優勝によってすべて吹き飛んでしまう。その試合経過やサッカーのプレーはかなりていねいに描かれ、当時のラジオの実況に一喜一憂する様子はサッカーファンも堪能できるのではと思わせる。実際の父と息子という親子の役者もどちらも胸を打つ名演技。

サッカーファンもサッカーファンでなくても!楽しめるよく出来たドラマ。
2006年W杯を自国で開催するドイツ国民がこぞってこの映画に熱狂したようだ。また優勝の夢をもう一度という期待があるのだろう。CLでスイスのトゥーンがアヤックスと戦った試合で使われたベルンにあるスタッド・ド・スイス・ヴァンクドルフ、というスタジアムはこのときの決勝戦で使われたものなのだろうか。映画の中でもヴァンクドルフという名前が使われている。















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2 コメント

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Unknown (nmf)
2005-11-19 22:08:24
こんばんは!

トラバさせていただいたnmfです。

ラーン役もクラブユースに所属していた方のようです。

個人的には記者の奥さんが好きです。女の子もそうこなくっちゃ♪

記者の奥さんも変わりましたね (henry)
2005-11-20 19:42:04
コメントとTBありがとうございます。

記者の奥さんはスイス行きをどういうこと?というような感じから始まって、次第に代表を応援するサポーターになっていましたね。着る服もそれとともにスポーティなものに変化していったように記憶してますが。女性も一緒に行って楽しめるようなスタジアムになってほしいですね。