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北米project 4 ~Is the order a warbird? その91【2016/03/04~10】

2019-06-06 23:26:38 | 海外旅行記
2016年3月9日(水)7時57分
 カリフォルニア州サンディエゴ オールドタウン駅
6日目の朝です。今日が実質的に今回の旅行の最終日です。モーテル最寄り駅のオールドタウン駅から行動開始です。
ここは文字通りサンディエゴの歴史保存地区「オールドタウン」があるのですが、今回は見送りました。

オールドタウン駅はMTSのLRT「トロリー」とその路線バス、サンディエゴの通勤鉄道「コースター(Coaster)」が乗り入れる駅です。アムトラックの「パシフィックサーフライナー」も一部の列車が停車します。


すぐにコースターの列車が来ました。郊外方面へ向かう635レ オーシャンサイド行きです。
先頭の機関車はMK製F40PH形2101号機。F40PHはかつてアムトラックの主力機だったディーゼル機関車です。大陸横断列車も牽引していましたが本来は短距離列車用に開発された機関車だったので、通勤鉄道でも数社が導入しています。


後追いも撮影します。客車は通勤鉄道でおなじみのボンバルディアBiLevel車です。横から見ると八角形の車体をしていて、制御客車の前面も素っ気ないものが多いアメリカの客車の中では比較的マシな部類に入ります。

コースターを見送ったら、トロリーでサンタフェ駅へ行きます。


サンタフェ駅へ着きました。そこにはパシフィックサーフライナー(Pacific Surfliner)が停車していました。
サーフライナーはサンディエゴ~ロサンゼルス~サンタバーバラ~サンルイスオビスポを結ぶアムトラック・カリフォルニアの中距離列車です。全区間乗り通すと8時間以上も掛かりますが、大抵はサンディエゴ~ロサンゼルス3時間移動の列車が多いです。
サーフライナーの源流はサンタフェ鉄道が運行していた「サンディエガン」という快速列車。アムトラック発足時にアムトラックへ継承されました。ロサンゼルス~サンディエゴという列車移動にはちょうど良い都市圏を結んでいたので利用は好調だったようで、増発や北方への区間延長がされました。それに合わせてサーフライナーへの改名やサーフライナー形客車の投入などがされて現在に至っています。


サーフライナーの客車はアムトラックの長距離型客車スーパーライナーを雛形に短距離用に再設計したサーフライナー形というもの。車体の上半分が青いのがなかなかかっこいい。
2両目にちょうどスーパーライナーが連結されているので比べやすいですが、両開きの扉が片側2箇所に増えていて、乗降時間の短縮を図っています。あとは車内の2階へ上がる階段も通勤用に設計されています。座席は固定式クロスシートで、スーパーライナーよりも座席間隔は狭いです。
あとは終点での機回しの不要なプッシュプル方式にするために制御客車が造られていることも特徴でしょう。客車の妻面に運転台と灯具類をつけただけの簡単な前面は素っ気ないの極みです。もうちょいなんとかならなかったんかと思いますが・・・。空力なんて知るか、という形状ですがこれが意外と飛ばすんだな。なお荷物室もあるので、クハニ6905ですな。

アムトラック・カリフォルニアはカリフォルニア州内で運行する短中距離列車に付けられるブランド名です。運行自体はアムトラック本体がやっていますがカリフォルニア州が財政援助をしているのでアムトラック本体とは別ブランドになっているんだそうな。


2両目に連結されているのは長距離用のスーパーライナー形です。利用者数が好調なので急遽アムトラック本体から借りてきたそうな。あくまで一時的に借りているだけだからなのか、塗装は通常のまま。なので混色編成になっていて、編成美は劣ります。
内装も変わらずなので、グリーン車並みの座席を持っています。サーフライナー形よりも上質な乗り得客車なのです。ただし乗降扉は閉鎖されているので、乗降時には隣の客車へ移る必要があります(スーパーライナーの扉は手動なのだ・・・)。


サーフライナー形の中間客車。これは1階がカフェになっています。
サーフライナーは2000年代前半に製造されたのですが、それには似合わぬイコライザー台車を履いているのが特徴です。アメリカの軌道ではこれのほうが却って適しているのだ。


サンディエゴ側に連結されるディーゼル機関車。EMD製F59PHI形462号機です。短距離の通勤鉄道でよく見かけるディーゼル機関車です。
なお、その後2018年からディーゼル機関車はシーメンス製チャージャー形に更新され、現在は完全に置き換えられてしまいました。機関車は廃車にはならずに他の鉄道へ譲渡されました。
さらに、客車もシーメンス製の新型に置き換える計画があるみたいですよ。


この組み合わせも時期に過去の光景になってしまいますね。


出発時刻になったので先頭に行って発車のところを撮影します。
8時25分発767レ サンタバーバラ行きです。


ズズズズズ・・・と低いエンジン音を出しながら発車していきました。


サーフライナーの出発と同時にコースターが到着してきました。ちょうど良いタイミングでの離合とは行きませんでしたが・・・。


コースターの638レ サンディエゴ行き(#2304他)。つまりここが終点。
コースターとサーフライナーの運行経路は完全に重複しているのですが、短距離のコースターと中距離のサーフライナーで棲み分けができているようです。コースターの終点オーシャンサイド駅はロサンゼルスよりも結構手前に位置します。
また停車駅も各駅停車のコースター、一部停車の快速列車相当のサーフライナーという分離がされています。


塗り分けは単純ですが明るく爽やかな塗装です。


機関車はF40PH形2102号機。


続いて640レも到着。通勤時間帯なのでバンバンとやってきます。先頭は#2309。


機関車は2105号機。至って普通のF40PH。
コースターのF40PHは全てF40PH-2C形という派生型。2C型は走行用エンジンの他に客車へのサービス電源(HEP)用エンジンを搭載している2型の更新車。カミンズ製HEPエンジンを搭載しているので2C型になっています。他にキャタピラ製エンジン搭載の2CAT型も存在。
さらに、これはEMD製ではなくモリソン・ヌクーソン(MK)でライセンス生産されたもの。

なおコースターのF40PHもチャージャーに更新される計画が進行中です。2021年から導入開始なので、記録するなら早めに。またF40PHの勢力が減りますね・・・。


コースターの通勤客車、バイレベル形(#2201)。中間客車のトップナンバーでした。


制御客車#2309。


ホーム間の移動は構内踏切で。


アムトラック/コースターのホームと駅舎の間にあるのがトロリーのホームです。
3編成繋いでいて、両端が4000形(シーメンス製S70)、間が2000形(シーメンス製SD-100)です(#4001+#2045+#4058)。真っ赤な車体を屋根と裾の黒が引き締めていてかっこいい。
S70はサンディエゴ以外の都市でも採用例が多く、アメリカでは勢力の大きいLRVです。


もう1本(#4038+#2040+#4017)。手前と奥の4000形でパンタグラフの向きが違うんですけど、つまり車両の向きが違っているということですよね。運行していくうちに向きがあべこべになる路線になっているんでしょうけど、これでも問題ないんだな。
なんだか見た感じ4000形で2000形を挟む組み合わせが多いですね。何か都合が良いのかしら。なお2000形よりもさらに古い旧型車が来るのを期待していたんですが、結局見られず。もうほとんど廃車になっていたので最初から確率は低かったんですけどね。


2000形3連で編成された列車(#2007+#2002+#2046)。


サンタフェ駅で列車を一通り見られたので、トロリーに乗ってひとつ隣のCounty Center/Little Italy駅へ行きます。

今回はここまで。




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