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北米project 5 ~How do you like Canada? その24【2016/6/15~22】

2023-01-27 22:09:54 | 海外旅行記
2016年6月17日(金)10時25分
アメリカ合衆国ニューヨーク州ナイアガラフォールズ 霧の乙女号桟橋
アメリカ側のナイアガラフォールズ市(カナダ側と同じ自治体名なのだ)から、ナイアガラの滝へ近づく遊覧船に乗ります。その名も「霧の乙女号」です!英語だとMaid of the Mistだよ。霧の乙女号元々はナイアガラ川の渡し船として始まったのです。後に橋が架かったことで役目を失いましたが、観光船に業態を変えることで生き延びて今に至ります。
あの浮桟橋から船に乗り込むのね。船は甲板が二階建てで立ちスペース多めの詰め込み仕様です。なおこういう遊覧船はカナダ側からも出ていますよ。


出港です。いや、あんな流量のところに行くの?こっからでもよくない?


まずはアメリカ滝から。滝の基本スペックですが、落差34m、幅260m流量は川全体の1割です(残り9割はカナダ滝に流れている)。落差は大したことがないのと、これで1割の流量しかない、という驚きでいっぱいです。


上から見ていた時は水煙で気付かなかったんですが瀑布の下には大きい岩石が大量にあるんですな。滝の侵食で崩れたんでしょうかね。


水煙が凄まじく、カメラのレンズはあっという間にびしょびしょです。こりゃたまらん。拭いても拭いても濡れ濡れです。


岩石が積もっているので水流は意外となだらかな着地(着水?)をしているように見えます。


なんじゃありゃあ。
アメリカ滝とカナダ滝の間にあるゴート島に足場が作られていて、黄色い合羽を着た人間がうろついています。アホかと思いますが面白そうなので後で行ってみようと思います。


水煙が邪魔で近くで見ると意外とはっきり見えない、というのが実情です。


ゴート島に遮られている流域は静かです。つかの間の平和を楽しもう。


ゴート島の侵食や崩落で堆積したと思うガレ場。安息角のお手本みたいな角度ですね。40度くらいかな?
大きさがわかりにくいんですけど、ガレ場に無数にある白い点々はみんなカモメです。コロニーでもあるんか?というくらい大量のカモメが生息しているようです。君たち、なにも海辺に居なければならないわけではないんですね。


いよいよ最奥のカナダ滝へ近づきますが、み、見えない~!水煙ですっかり霧に包まれてしまいました。カメラもびしょびしょ。本当故障が心配・・・。


アメリカ滝と違ってカナダ滝は岩石の緩衝地帯がないみたいで、落ちてきた水流が直で下流に叩き込まれます。よって水流もそれなりに複雑です。


水煙が晴れたところが!なんつー大瀑布だ。
カナダ滝の基本スペックは、落差53m、幅671m、流量の9割がここを流れます。特徴的なU字形状から馬蹄滝と呼ばれることもあります。やっぱり落差は大したことないです。華厳の滝の半分ちょっとか。
昔の流量は5800㎥/sで、滝は毎年1mずつという超高速で侵食されていました。この調子だと近い将来滝の形状が変わったり位置が上流へ後退したりと色々アレなので、流量を調整して侵食を極小に防ぐ開発が1950年代に行われました。
滝の上流には可動堰が建設されて昼間と夜間、観光シーズンの夏とそうでない冬で流量が調整されています。夏場は約2800㎥/s、冬場は約1400㎥/sだそうな。
ただし観光ピーク時はほぼフルスペックの5700㎥/s流しているみたいです。たぶん今見ている滝は時期的にそれに近い流量だと思います。なので、迫力あるナイアガラの滝を見たい場合は訪れる時期をよく考えたほうが良いのです。
あとは、流量の一部を水力発電用の導水管に回して滝に流す水量を減らしています。これで発電した電力は夜間の滝のライトアップにも使われています。
このような流量調整によって侵食は年間3cmまで減らせているそうです。

以上のような開発行為や自然現象の現状変更などもあって、実はナイアガラの滝は世界遺産に登録されていません。日本でしか通じないベスト3のひとつこと、世界三大瀑布の残り2つは世界遺産に登録されているので勘違いされやすいところです。今日はこれだけ覚えて帰ってください。


カナダ滝の近くには数分止まっていましたが、水煙凄まじくカメラを向けることが出来ないのでカット数はあんまり無いのですよ。


滝壺から離脱して桟橋へ帰ります。
左岸(カナダ側)の河岸にある謎の構造物。別にネイティブアメリカンの古代遺跡などではなく、これが先述の水力発電所の建物です。この建物は本体ではありませぬが何の建物かは分かりませんでした。発電所は地上にあるみたいです。
正式にはランキン水力発電所といって、1905年に建設されました。ナイアガラの滝の流量と落差ならそれなりに発電が期待できそうです。発電機の数は建設時5基、最盛期11基を持ち、最大76.4MW(交流25Hz)を出力できました。
しかし時代が進むと北米の標準周波数は60Hzが浸透していったため次第に需要が減少、2003年に常時運転を止め、2005年に廃止されました。なので、この発電所現役ではないのです。
廃止後も内部は良好な保存状態だったみたいで、2021年に観光地として再出発したみたいです。行ってみたいなあ。


下船しました。30mの崖を登って地上へ帰還します。


下から見上げる水煙。


豪快とか雄大とか、そういう言葉が自然と出てくる滝でした。船に乗ってみる価値ありました!

というところで今日はここまで。


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