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北米project ~Advance to U.S. その25 【2014/12/19~24】

2015-08-17 23:58:49 | 海外旅行記

「隼」の隣には見覚えのある色をした戦闘機が。



General Motors (Eastern Aircraft Division) FM-2 "Wildcat"
アメリカ代表その2。アメリカ海軍で運用されたグラマンの艦上戦闘機で、以降トムキャットまで続くグラマン戦闘機のキャットシリーズの最初の機体です。
珊瑚海海戦、ミッドウェイ海戦、ガダルカナルの戦いなどの太平洋戦争序盤で日本軍と戦闘を繰り広げましたが、日本海軍の零戦に主要性能全てが劣っていたため歯が立たず苦戦を強いられました。
1943年5月、グラマンはF6F「ヘルキャット」の生産に集中するためF4F「ワイルドキャット」の生産を終了しましたが、ゼネラルモーターズの航空機部門イースタンエアクラフトが生産を引き継ぎました。グラマンが生産した機体の型式番号は"F4F"ですが、GM製の機体は"FM"と名付けられました。同じ機体でも製造メーカーの違いで型式番号がまるで異なってしまう当時のこの命名規則はなかなかややこしいです。
このFM-2は、従来機に比べ軽量化した機体に大出力のライト「サイクロン」R-1820エンジンを搭載したため性能は向上しており、特に飛行甲板の短い護衛空母での運用に適した機体でした。



よく戦争の話を聞くと「グラマンがーグラマンがー」という言葉を耳にしますが、だいたいこれかヘルキャットでしょうね。もしかしたらコルセアも・・・。
スリムなアメリカ陸軍機と違って太くて頑丈そうな印象のあるアメリカ海軍機です。主翼の折りたたみ機構も複雑そう。



もう片側の主翼は展開されています。



尾翼にはラッキークローバーのマーキング。



Goodyear FG-1D "Corsair"
アメリカ代表その3。F4Fなどに代わる艦上戦闘機の新型として開発されました。
当時としては破格の性能を誇るプラット&ホイットニーR-2800「ダブルワスプ」2250馬力エンジンと、それを充分に発揮するための大きなプロペラを装備します。また、プロペラと地面とのクリアランス確保と前下方視界確保のため逆ガル翼が採用されています。太平洋戦争のほか、搭載量に余裕があったため朝鮮戦争でも対地支援用の戦闘爆撃機としても活躍しました。
博物館の機体は1945年グッドイヤー社によるライセンス生産機です。元の開発社はチャンス・ヴォートで、型式は"F4U"。ドッグイヤー製は"FG"の型式です。ややこしい。というか、同時期にF4F「ヘルキャット」とF4U「コルセア」が存在するもんですから困ったもんですね。ああ紛らわしい。
大戦中は空母「イントレピッド」に配備され、戦後は予備役へ。1950年7月に他のコルセアとの空中衝突事故を起こし、幸い致命的な損傷はなかったものの機体はワシントン湖に不時着水。そのまま30年間湖の底に沈み、1983年に湖からサルベージされて復元されました。



アメリカではすごい人気のある戦闘機コルセア。自分は最近まで知りませんでした。逆に日本で知名度の高いヘルキャットはアメリカでは人気無いそうです。
これも主翼を折りたたんだ状態で展示されています。特徴的な逆ガル翼が分かりづらくてちょっと残念。



爆戦装備のコルセアの模型。たくさん積めるのだ。



頭にたんこぶが出来てたんこぶを抑えているように見えなくもない。



Republic P-47D "Thunderbolt"
アメリカ代表その4。陸軍のデカくて重い戦闘機。第二次大戦中最強の戦闘機のひとつとしてたびたび名前が挙げられるとか。
空戦はもちろん、それ以上に対地攻撃用の爆撃戦闘機としての任務が有名。固定兵装の12.7mm機関銃はなんと8門装備!ペイロードも優秀で、爆弾の他にロケット弾も搭載可能。防御力も高く、なかなか墜ちない。恐ろしい戦闘機なのじゃ。
博物館の機体は、戦後に南米に供与された機体で、1976年に里帰り、1981年に修復が完了しました。塗装はロバート・バーゼラー大佐麾下の第325戦隊のもので、尾翼のチェック模様が有名です。



マジでデカい。こんなデカいのが飛ぶのかっていう。実際、離着陸や舵取りが難しかったらしい。



脅威の8連装機銃。多すぎんよー。



飛行機これくしょん。君はいくつ知っているかな?
ちなみに日本軍機は零戦以外は全て連合国側のコードネームで書かれていたんで、どれが何だか殆ど分からなかったですね。頼むから日本での名前も併記してくれ~。



Yakovlev Yak-9U
ソ連代表。ヤコブレフ設計局の開発したソ連の戦闘機です。小型の機体に強力なエンジンと武装を搭載することで高い性能を発揮しました。
博物館の機体は4機しか現存しないオリジナルのうちのひとつです。

ソ連はよく分からん(適当)



North American P-51D "Mustang"
アメリカ代表その5。イギリスの切羽詰まった要求によりわずか約120日で設計と製造を終えた戦闘機です。その割には評価は高く「第二次大戦中最優の戦闘機」と評されています。「最強」ではない。最強はたぶんP-47。
アリソンV-1710液冷エンジンを搭載していましたが、高高度性能が足りないためスピットファイアのマーリンエンジンに換装したところ相性がよく採用。これにより航続距離が伸び、日本空襲に向かうB-29爆撃機の超長距離護衛にも使われるようになりました。
博物館の機体は戦後余剰になったアメリカ軍の機体をスウェーデン軍が購入し、それを今度はイスラエル国防軍が購入したもの。塗装はグレン・イーグルストン中佐が1945年初頭に第354戦隊第353飛行隊の隊長だった時のものです。



D型の特徴であるバブルキャノピー。視界がダンチです。撃墜数も21機ってすごいなぁ。



Lockheed P-38L "Lightning"
アメリカ代表その6。ポッド式の胴体と2つのテールブームが特徴の双発高高度戦闘機で、多くの敵戦闘機を喰ったエースです。1600馬力エンジンを搭載したL型や米軍初のレーダー搭載の夜間戦闘型のM型が有名です。
博物館の機体はP-38の中でも最後期に製造されました。

という感じでした。やはり米軍機が多いですね。名機の連続で感激しました。これだけの機体を保存できる環境が心底うらやましいです。アメリカ万歳ですね。
次は第一次世界大戦編へ。次回で最後かな?


その26へ→


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