黒鉄重工

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九州project 2 ~Phantom in Kyushu. その17【2018/9/19~23】

2024-09-05 06:46:00 | 旅行・イベント記
JR肥薩線の観光列車「いさぶろう・しんぺい」の「いさぶろう」の方に乗って人吉駅へ向かっています。
各駅停車の観光列車なので、大畑駅の次は矢岳駅へ停まります。ここも当時物の駅舎が残っています。


広い待合室ですねー。


国鉄時代に建てられた駅舎とはなんとなく造りが違うような気がします。


さて矢岳駅といえば、駅の隣に建っている「人吉市SL展示館」です。ここにはD51形170号機が静態保存されています。いさぶろう号の停車中に合わせてここを開けてくれていて、停車時間の間に見学することができます。
なんでこんなところに・・・という感じもします。ちなみに、矢岳駅へ繋がる道路は隘路なので鉄道車両の陸送は難しそうです。なので矢岳駅までD51を走らせてきて、クレーンか何かでここへ移動させたのだと思います。


D51形170号機。1939(昭和14)年製造。九州に来たのは1945(昭和20)年で、そこから1972(昭和47)年の廃車まで熊本周辺で運用されました。
廃車後は人吉市が国鉄から無償貸与を受けて矢岳駅で展示。なので施設の管理運営は人吉市ですが、国鉄OBの方々がよく手入れをしてくれているので良好な状態を保っています。
ちなみにいまはD51だけですが、かつては8620形58654号機も隣に静態保存されていました。そう、SL人吉号として走っているハチロクと同じです。はじめここに保存されていた物をJR九州が胴体復活させるために引き取ったのです。
今は58654号機は現役を退いてしまいました。機体は人吉市に譲渡されて元の鞘に収まる形となりました。人吉駅の機関庫に置かれるようですが、かつては同じ屋根の下で過ごしていたデゴイチとハチロクが離れ離れなのはなんだかもどかしい感じがしますね。


良好な状態を保っていると評判のデゴイチですが、ちょっと表面が荒れているのが気になります。足回りには油が差されていて、見た目ほど悪いようには見えませんでした。でも時期は不明ながら今は国鉄OBの手入れが入らなくなった噂もあります。
ここの機関車に限らず、国鉄OBが手入れしていた蒸気機関車はOBの高齢化でなり手不足に陥っているような物が増えている印象があります。もちろん手入れの継承ができているところもありますので、そういう機関車が増えてくれるといいですね。


駅へ戻ってきました。1面1線ホームですが右手には平場が広がっていて、往時の構内はもっと賑わっていたのが想像できます。


水飲み場。これは近年のものっぽいですかねえ。
標高536.9mは肥薩線内最高地点で、人吉駅からえっちらおっちら登ってきた列車はここを境に下り勾配になります。


朝顔形手水鉢。奥には貨物ホームもあります。SL時代の香りです。


矢岳駅を出発するとすぐに矢岳第一トンネルに入ります。いわゆる矢岳越えの区間で、トンネル入口のあたりで熊本県から宮崎県へ入ります。矢岳第一トンネルは2,000mを超える長さで地盤も弱く、難工事だったと言われています。「いさぶろう・しんぺい」号の名前は、矢岳第一トンネルの両側に掲げられている扁額に揮毫した山県伊三郎、後藤新平に由来するのです。
矢岳第一トンネルを抜けると、日本三大車窓のひとつとして知られる矢岳越えの景色が広がります。雨も深々と降る天気だったので手前しか見えませんでしたけど・・・。次の宿題にしようと思っていますが、肥薩線は不通になってしまいました。また乗れる日はくるでしょうか。


最期の途中駅、真幸駅が見えてきました。ここもスイッチバック駅です。駅構内がカーブを描いているあたり、平地の確保に苦労したと感じられます。


真幸駅に着きました。


ここも広い構内付き駅舎です。


のんびりしていていいです。


真幸駅というのは縁起の良い字をしているので人気があるようです。みんな自動車で来るんですけどねー。


待合室はちょっと狭い。


待合室にはねこちゃんが住んでいました。


漆色のキハ47は案外矢岳の新緑と合っていて、いい景色を作り出しています。車両転用に伴ってこの列車が無くなってしまったのは惜しいですね。
では、終点人吉駅へ向けてラストスパートです。

というところで今日はここまで。


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