黒鉄重工

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北方project ~Welcome to Hokkaido. その16【2017/5/3~7】

2019-02-19 21:15:29 | 旅行・イベント記
2017年5月4日(木)16時10分
 北海道美唄市 旧東明駅
幾春別の炭鉱跡を後にして、一行は一路旭川へと向かいますが、まだ日が高いので道中寄り道しながら行くことにします。
まずは通り道の美唄市にある旧東明駅に寄りました。

旧東明駅は、三菱の美唄鉄道(1914~1972年)という石炭輸送のための鉄道の駅です。運炭用の専用線が発端ですが旅客輸送もやっていた鉄道で、東明駅はその途中駅のひとつでした。
このとおり、駅舎が現存しています。かなり手入れが行き届いています。通常は室内の公開はされていないようで、駅舎の扉は施錠されていました。


こちらはホーム側。改札の舟まで残っていて、状態は良いのです。


プラットホームも残っています。さすがに線路はありませぬが。
手前にある舗装路はサイクリングロードです。美唄市は地形が平坦なので自転車を漕ぐのに適したところだそうです。
ただしところどころ舗装が剥がれていて、通行止めになっている区間があるとのことで・・・。ここもそうなってるらしい。財政が厳しいのだろうなぁ・・・と。


ホームはどうやら1面2線だったようですが片方はもう茂みに飲み込まれつつあります。


旧東明駅で注目すべきは、美唄鉄道2号蒸気機関車が静態保存されていることでしょう。駅舎とSLが保存されているところは間々ありますが、中でもこの2号機は極めて貴重な機関車です。
2号機は、1914(大正3)~1918(大正7)年に製作された鉄道院4110形の同型機なのです。鉄道院時代設計の機関車が現存しているというだけで貴重です。さらに、現存する4110形系統は2機ありますが、一般に公開されているのは2号機だけ。もう片方は非公開の場所で保存されています。


2号機の原型になった4110形は、ドイツから輸入された4100形のコピーして国産化した機関車です。
車輪配置は0-10-0、つまり動輪5軸のE配置で、自重の全てを動輪に掛けられる重量級の貨物用機関車なのです。代わりに先輪も従輪も無いので速度面は犠牲になっていますが、4110形が投入されたのは奥羽本線板谷峠や肥薩線人吉~吉松の峠区間などの急勾配区間だったのでもともと速度の出る路線ではなかったので、問題にはならなかったでしょう。

とにかく無骨で飾り気のない機体であります。加えて先輪も従輪も無いので車体長が短く、寸詰まり感があります。そこに載せられるだけ部品を載せたので、とても窮屈に見える機関車でもあります。こういう印象の機体は見たことが無く、面白い機体です。


露天で保存されているのですが、状態は良く見えます。目立った欠損も見当たらず、素晴らしい状態だと思います。


後ろ。タンク機なのです。峠区間だけ走れればよいという割り切りでしょう。
美唄鉄道も延長10kmしかない路線だったので、問題なかったと思います。


5つの動輪。
低重心化のために水槽が低い高さにあるのも特徴です。


露天保存なのですが運転室の中にも入れてしまいます。
こちらも悪くない状態だと思います。

良いものが見られました。
では次へ。


道中の車窓。北海道ですねぇ。


2017年5月4日(木)18時12分
 北海道深川市 桜山公園
旧東明駅から下道を走ること1時間半、深川市へとやってきました。ここにも蒸気機関車の静態保存機があるとのことで寄ってみました。
既に18時を回っているのですが、薄暗いもののまだ明るいです。緯度が高いですからね。

やけに空間があるな、さすが北海道・・・と思っていたんですが、実は桜山遊園地というところの跡地を公園化した施設。なんだかバブルの夢のあとという臭いがしますが、ネットにはあまり資料が無かったので詳しくは不明。
北海道、結構こういうところがあるのです。明日も似たような生い立ちのところ行くし・・・。


まず1機目、D51形312号機。最後は北海道で使われていた機体だそうな。廃車後は桜山遊園地の前身桜山レジャーランドの施設のひとつとして譲り受けた模様。
再塗装などの整備は受けているようで、見た目は悪くないです。配管やコックがなぜか赤く塗られているのが惜しい。
あと、デフや窓のひさしが折れ曲がっているのですが、まあ直すのも難しいんだろうなと。


炭水車にはタイヤが山積みされています。たぶん、石炭の代用として乗せたんだろうなぁという気がします。可能な範囲で気を使っているのかなと。


もう1機います、C58形98号機。これも晩年を北海道で過ごした機体。デフ間を煙突をまたいで繋がっているつらら切りが特徴ですね。
これは桜山温泉という昔あった温泉施設で使われていました。C58の後ろに寝台車3両を繋いでいた、昔流行ったSLホテルというやつでした。温泉が潰れた後は客車は解体されてしまいましたね。
これも再塗装は受けているようで、D51と同程度の状態になってます。

遊園地の設備が軒並み解体されて跡形もなくなったのに対して、蒸気機関車だけが解体を免れたのは幸いでした。放置されずに手入れされているのも良い材料です。


公園から日没を眺めたところで、切り上げて旭川の宿へ東進します。


泊まるのはここ。市街地のビジネスホテルではなく、周りは真っ暗で畑の中にぽつんと建ったピーダッシュガーデンというゲストハウスです。ゲストハウス泊まるのは初めてだなぁ。
ちなみに旭川市でなくて東川町にあります。


4人用の大部屋に通されました。うなぎの寝床みたいなベッドがステキ。他にも家の中を探検しましたが結構面白いところでした。たまにはこういうのもいいね。


夕飯は寿司。
北海道は地元の回転寿司屋が安くて美味いと評判でしたから行ってみたのですが、GWなのでひどい混雑でした。チェックインの時間も迫っているし、持ち帰り寿司にして部屋で食べました。
とても美味しかった・・・。次はちゃんと店で食べたいと思いました。

といったところで2日目は終了。翌日へ続きます。