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「ミケランジェロの暗号」

2011-09-18 00:57:18 | 映画

T0010310p オーストリア映画。

原題が“父の遺言”で、英題が“MY BEST ENEMY”。

「ユダヤ人美術商の一家に代々伝わるミケランジェロの絵画をめぐって、絵画を政争の道具として利用したいナチス・ドイツを相手に、命を懸けた無謀な行動に出る一家の息子の覚悟を描くサスペンス・ドラマ。自身もユダヤ人であるポール・ヘンゲの実体験を基に執筆された原作を、第80回アカデミー賞外国語映画賞を受賞した『ヒトラーの贋札』のスタッフが映画化。ナチス・ドイツの圧政という歴史を背景に、謎と緊張が連続する手に汗握る展開に注目だ。」という映画です。

右手の人差指と中指を立てて軽く手を振りながら、ウィンクして、窓ガラスの向こうの3人に挨拶したくなるラストだった。

久々に爽やかで、いいラストだ。泣きそうになった。

ジャズみたいな、シャンソンみたいな最初と最後にかかる曲も効果的。

T0010310q1 ナチ対ユダヤ人だけど、血なまぐさい銃撃戦や悲惨な収容所内の描写はない。観客全員がそれは知っているという設定だ。

ユダヤ人の生意気な金持ち坊ちゃんと、ドイツ人の卑屈になってしまった使用人の子供の、友情と裏切りが入り混じった関係。謎を解くとか、綿密に計画を立ててナチスを翻弄するのではなく、金持ち坊ちゃんが行き当たりばったりでなんとかピンチを切り抜けていく。最初はむしろ嫌な奴だったが、だんだん応援してしまう。

ドイツ人も、悪党にはなりきれなくて、「ミケランジェロの絵」のお陰で、せっかく親衛隊に入ったのに、主人公と2人で翻弄されてしまう。

途中で、ピンチを救った写真が、最後の方に主人公に不利に働いたりして、ニヤリとさせられる。

恋人の女も、最初は年食ってるし、美人じゃないし、なぜこの人が?と、思うけど、テキパキと恋人のために行動しだすと、キリリとして見えてきた。

見た目も優しそうなお父さんが、やっぱり人間が出来てて、切れ者だったんだ。この映画の真の主役だ。こんな人たちが、収容所で大勢亡くなっていったんだ。

お母さんは、「ヒア・アフター」にも出ていて、55歳以上の人が喜んでいた、マルト・ケラー。別格です。

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