飛行機で行く沖縄から帰ってから見た。
題名に反して、機長が発動する「非常宣言」は国や政府や多国籍企業の目論見の前には、何の効力もないという映画だった。飛行機の中の乗員乗客は、逃げ場のない空間で自分達の最期を決める事もできない。決めかけたけど。
「さすらいの航海」と「カサンドラ・クロス」を混ぜたようなテイスト。例が古いなあ、さすが61歳。「新感染」にも似てる。
イ・ビョンホンとソン・ガンホと言う私でも知っている2大スター出演だ。当然のように面白い。機内のひっくり返り振りもなかなか上手だ。
イ・ビョンホンが機内で活躍、ソン・ガンホが刑事のチーム長で奥さんが飛行機に乗ってるとはいえ地上でドンドン謎を解きワクチンまでたどり着く。二つの場所を上手に使ってて偉い。
国土交通省大臣もとにかく飛行機の乗員・乗客を助けようと、我が身を顧みず頑張る。
そして、映画はもう終わるだろうと思わせといて「えっ?まだ続く!」という私が今まで観た数少ない韓国映画のよくあるパターン。
以下、ネタバレあり
細かい所は気にしちゃいけない!
日本も出てくる。すぐ、隣だからな。珍しく日本は毅然とした態度だ。毅然とし過ぎて、成田空港上空で、戦闘機と旅客機が衝突したら地上の被害がどうなるか考えてないので心配になる。でも韓国映画だ。
ワクチン接種すると、症状が出てた人もアッと言う間に助かると言うは、この手の映画としては良くあるけど、それも気にするな!
飛行機の燃料も気にするな。イ・ビョンホンが、なぜ別の航空会社のフライトにしなかったも気にするな。
正直、刑事の家の前で皆が集まるシーンは、やっぱり皆助からなくて天国かと思った。画面が白くて明るすぎるから。最後の、元国土交通省大臣となってしまった女の人の微笑みもなんか気になったし。
ソン・ガンホが、ウィルスを過度に浴び過ぎてあの状況になったのは、可哀想だけど、確かに素人がやった事だからなあ。しょうがないと納得させられる。奥さん、これから頑張ってね。
犯人の動機が良く分からないのもリアリティがあっていい。そう、たまに妙にリアリティがあるのだ。乗客がスマホで瞬時に情報を入手できるのも今の世ならではだなあ。
アメリカに過度に期待してはいけない、頑張った政治家を粗末に扱ってはいけないというというメッセージもあったのかな。