アナーキー小池の反体制日記

世界中のひとが 仲良く助け合い ほほえみながら 平和に暮らしていくために (イマジン)

#1126 作家 荒巻義雄(下)

2012年12月05日 | 教育・文化・芸術・スポーツ
荒巻義雄の同級生、渡辺淳一は大流行作家です。
ボクも何冊か読み、感銘を覚えた作品があります。彼の"阿寒に果つ"です。
彼の高校生時代の甘く苦しい恋を自伝小説としたものです。
作品のヒロイン、阿寒に果てた女性は加清純子という早熟で奔放な同級生なのです。(作品では時任純子)

この作品の舞台は札幌の山鼻に近いところです。
終戦後すぐの山鼻が描かれていて、山鼻に住んだことがあるボクにとって懐かしい思いがします。
その辺(あた)りを舞台に天才少女画家として知られてい加清純子と渡辺淳一、その他多くの大人たちが繰り広げる恋愛悲劇です。
加清純子は最後に、厳冬期の阿寒湖畔で睡眠薬を飲み自死しました。

"阿寒に果つ"を読んだのは勤めてからだと記憶していますが、ボクは読み終えてしばらく、加清純子に恋をしてしまったようです。
渡辺淳一の筆の力がありましょうが、加清純子の魅力に取り付かれたのです。

・・・
今回のタイトルは渡辺淳一でなく荒巻義雄です。
長々と渡辺淳一の"阿寒に果つ"を記しました。
地方紙夕刊に連載中の荒巻義雄の聞き語りに、加清純子が荒巻義雄と一緒に写っている写真が載っていました。
荒巻義雄は加清純子の高校同級生だったのです。

ふっくら顔をした普通の女子高生です。
"阿寒に果つ"の加清純子の面影とずいぶん異質でした。
いろんな顔を持っていたんでしょう。
聞き語りには、"阿寒に果つ"のヒロインと同級生としか述べていませんが、きっと荒巻義雄も加清純子に恋をしていたのだと思います。

ぼくは写真を見て純子が普通の高校生なのを知り、ちょっとがっかりし、そしてちょっと安心しました。
加清純子の絵画は今でも時々回顧展が催されているそうです。
生きていると荒巻と同じ79歳です。

荒巻義雄は今も現役で作家を続けていますし、渡辺淳一も同様です。
どうして昔の人ってそんなに元気なんでしょう。

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