こんにちは! ただち恵子です

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議員定数削減は、現職議員の「身を切る」のではなく、市民の声・民意を切るもの

2013-12-18 17:29:50 | 市政&議会報告
市議会最終日。

議員提案の3つの議案の審議、採決の結果は以下の通り。

議員の報酬5%削減。賛成12、反対3(公明党)で可決。
来年1月から、次の選挙までの間の報酬を、5%削減するものです。
「財政が厳しいからと言って、議員定数を削減するよりは、ひとりひとりの報酬カットをする方が良い」という判断と、職員・特別職の賃金・報酬カットも続けられていることから、日本共産党も8名の提案者に名を連ね、賛成しました。

「議員定数2名削減」は賛成7、反対8、賛成少数で否決。

続いて「議員定数1名削減」は、賛成10、反対5で、賛成多数で可決となりました。
2名削減の提出議員も賛成し、反対したのは「現行定数を維持するべき」という日本共産党の2名、「ひとり削減ではなく2名削減するべき」という公明党でした。

議案提出議員の提案説明にも、「自治会連合会」からの要望書にも、「明日の泉大津を考える会」という連絡先・代表者不明の「出所不明」のビラにも「身を切る覚悟で定数2名の削減を」というのが共通した言葉です。

「定数削減」で現職議員の「身」が今、切られるわけでもなく、「身を切る」ということが「次回の選挙での当選が困難になる」ということを意味しているのだとしたら、知名度・実績のない新人がチャレンジすることはもっと困難なことになります。切られるのは、「現職議員の身」ではなく、新たに挑戦しようとする人達、議員を通じて意見・要望を伝える人達の声、議員を通じて市政の情報を得て一緒に考えようとする人達と市政・議会とのパイプです。

以下、日本共産党を代表して述べた「定数削減反対」の意見表明の要旨です。

日本共産党市会議員団を代表して、市議会定数2名削減案に反対の立場で討論を行います。

反対の理由の第一は、定数削減は議会の機能を低下させることにつながるという点です。
市民から選ばれた二元代表制の一方である議会には、地域住民の意思を代表する機能、地方自治体という団体意思を決定し条例・予算を議決する立法機能、そして執行機関の市政運営に対するチェック機能という役割があります。どの点においても、私どもひとりひとりの議員が、市民の皆さんの声を聴き、議論をつくし合議によってひとつの意思決定を行うものであり、定数削減によりその機能の発揮が弱まることは否めません。
定数を減らしてもひとりひとりの努力によって充分に役割を発揮できると言う主張の根拠、「定数を減らすことによって、資質の向上が図れる」と言われますが、全く不可解です。市民の声を聴くこと、自らの研鑽・努力が「定数削減」しなければできないなどということはありません。今、ひとりひとりの議員が最大限の努力をすることによって、その総体として市民の願いに応える議会の役割が果たせるものと確信します。

理由の第2は、定数削減は市民と議会とのパイプを細くし、市民の市政参画の機会を狭めることになることです。
市民の中には多様な意見があり、それぞれの身近な議員、自分の考えに近い議員、たまたま出会った議員などを通じて、市政への要望、意見、または質問を寄せられます。議員の数が減れば、そうした形での市民の市政への参画の機会が減るのは当然です。提案者は「身を切る覚悟で定数削減を」とおっしゃいます。また先日は「泉大津の明日を考える会」という名で、代表者も連絡先も明記されていないビラが自宅のポストに届きました。「どの議員が身を切る覚悟で2名削減に賛成するのか、どの議員が保身のために反対するのか注視しましょう」とあります。定数削減によって切り捨てられるのは今ここにいる「現職議員の身」ではなく、市民の声、民意が切られることになるということを申し上げます。

市民の皆さんの中には、「議員の数は多すぎる。」と言う声があるのは事実です。それは「議員が何をしているのかわからない」「有権者の声を聴いてくれない」という不満の表れでもあると思います。だからと言って、議員の定数を減らすのであれば、議会と議員の役割を自ら否定することにもなります。泉大津市議会は市民・有権者の皆さんの声に真摯に耳を傾け、議会や議員の活動を見えるようにしていくこと、市民に開かれた市民の皆さんに身近に感じていただける議会へと進化させていくことを目指して、議会基本条例の制定に向け議論をつくしてきました。その議会基本条例案を市民の皆さんの前にいよいよお示ししようとするときです。今、とるべき道は、議会の機能を弱め、市民の市政参画の機会を狭める定数削減ではなく、ひとりひとりの議員がよりいっそうの努力・研鑽を重ね、市民の皆さんの期待に応え、ともによりより泉大津の今と将来を作っていくことではないでしょうか。

最後に財政状況がいまだ、厳しいのは事実であり、市長はじめ理事者、職員の皆さんの報酬・給料が削減されている中で「議員も痛みを分かち合う」というなら、議員定数削減ではなくひとりひとりの報酬を削減することによって応えるべきであると考えます。

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2 コメント

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Unknown (たっくん)
2013-12-19 08:34:16
議員定数削減が身をきることと思うのは思い上がりだと思います。
このことで実際に身をきるのは、意見が反映されない市民であるということに気づいて欲しいです。
この論理でいくと、議員不要になっていくと思うのですが。
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Unknown (ただち恵子)
2013-12-19 23:57:48
たっくんさん

「行政改革」でムダをなくす。財政が大変だから議員を減らす?議員が「議員を減らす」というのですから、自分で自分をムダと言っていることになります。あるいは自分は「少数精鋭」の「精鋭」の方に入ると思っているのか?

「正論」が通りにくい世界ですが、めげずにがんばります。これからもよろしく!
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