こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

人口ビジョンと「まち・ひと・しごと創生総合戦略」

2015-10-13 23:05:02 | 市政&議会報告
少子高齢化、そして「人口減少時代」に突入しているという。

今日は議員総会が開かれ、2040年までの市の人口変動を予測、推計した「人口ビジョン」、「できる限り人口の減少に歯止めをかける」ことを目的に「今後5年間に取り組むべき施策等」をまとめた「まち・ひと・しごと創生総合戦略」(ともに「素案」)の説明があった。

泉大津の人口は2005年をピークに減少傾向(実際のピークは2007年だが、5年後との国勢調査に基づく数値で、「ビジョン」では2005年と記載)、「今後、合計特殊出生率が2.07(人口が増えも減りもしない現状維持となる水準)まで回復し、他市への転出が転入を上回ることもなくなることを仮定しても、人口は減り続ける」という推計。

「ふたつの仮定」は現状から考えるとハードルが高いものだと思う。


内閣府まち・ひと・しごと創生本部は、昨年12月に「長期ビジョン」「総合戦略」を策定した。これを読んで不思議でならないのは、この10年間、「少子化対策まったなし」と言って時限立法を作り、国・自治体が取り組んできたはずの「次世代育成支援計画」についての評価、総括がまったくみえない。

「長期ビジョン」には「各国の合計特殊出生率」という資料もあるが、1980年代にほぼ同じ水準の出生率であった、日本、フランス、イギリス、スウェーデンなどの中で、日本以外の国では2.0前後に回復している事実を「資料」としてあげながら「それがなぜなのか」の分析もない。

国の「長期ビジョン」も、2040年に「合計特殊出生率が2.07」に回復すると仮定した推計をしているが、出生率を上向かせるための施策が見えない。


なによりも厚労省が「団塊の世代が75歳以上となる2025年の社会保障費」の推計をみると、医療・介護の給付の伸びは見込んでも、子ども・子育て支援の予算の伸びはわずか。


「人口が減る」こと自身は、「悪いこと」ばかりではないと思う。「人口減少」で「活力がなくなる」というが、「やり方」しだいで、穏やかで豊かな暮らしやまちづくりは可能だということを、すでに過疎化、高齢化した町・村の姿からも知ることができる。


人口減少そのものよりも、人口減少をもたらしてきた、社会のあり方が悲しい。

働きたくても仕事がない。就職しても、非正規、不安定な雇用。将来の生活設計も描けない。そんな若い人たちのつぶやき。

「卒業してからアルバイトで食いつないできて、履歴書にかけるような職歴がない。気がつけばもう中年」「だんだんに、道が狭くなる気がする」と言った人がいた。

教育費の負担、子育ての不安・・・そのひとつひとつに寄り添った施策を計画的に、系統的に実施するのが政治の責任。

それに成功した国で、出生率が回復しているのだと思う。

コメント
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