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こんにちは! ただち恵子です

政治と社会、日々の暮らしの小さな喜び。思いつくままに綴ります。

89歳のパスポート

2012-02-05 11:33:11 | つぶやき
「電話で介護」というお話をお聞きしたことがあります。

九州で一人暮らしのおかあさんに、毎朝決まった時間に電話、「昨日は何を食べた?」という日常の会話。「今の私にはそれしかできないから」とおっしゃるその方も、少し体に不自由を抱える70代。おかあさんは90代の「老々介護」。

決まった時間の「おはようコール」は生活のリズムになり、言葉を交わすことで元気の素になっていることでしょう。

「見習いたい」と思ったものですが、私が母に電話するのは、1ヶ月に1度くらい?

その日も、何気ない会話のあと、母が言いました。
「3月にハワイへ行くことにしたわ」

毎年秋に、母を含めて5人の兄弟姉妹は2~3泊の旅行を楽しみます。
「来年はどこへ?」という話のなかで、「温泉もあちこち行ったし、いっそハワイでも行ってみない?」と、最年長の母の提案に「飛行機はこわい」「外国はめんどう」と妹弟、そろって却下。
その話を聞いた兄が出資して、付き添いはふたりの兄の、それぞれのお連れ合い。

世間では「嫁姑」という3人の仲良しハワイ旅行が3月下旬に実現するそうです。

今年90歳になる母は、70歳を前にリューマチを発症。一時期は歩くことどころか、「寝返りもできない」ほどの時期もありました。
「介護認定」は「要支援2」。
信頼できるリューマチの主治医、あたたかいスタッフの見守りがある「高齢者共同住宅」での暮らし、「自分でできること」はしながら無理せず公私の支援を受け、この20年、暮らしてきました。

住んでいるまちの「9条の会」の呼びかけ人にもなり、お呼びがかかれば戦争体験を話すこともあるようです。絵を描いたり、編み物をしたり、太極拳もします。

適切な医療と介護、そして見守り支える人間関係が、母の「幸せな高齢期」を支えています。それを可能にしているのが、母自身の暮らしを支える年金です。

母が幸せであることは、私の幸せでもあります。

全ての高齢者は、母と同じように「幸せな高齢期」を生きることが保障されなければなりません。

「パスポートは『十年』にしたの?」と聞いたら「『5年』にしといたわ」と笑ってました。
5年後に母のパスポートの更新がありますよう。



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