近未来らしい設定
どうやら政府が革命により転覆状態。
地下にある「バンカーパレスホテル」に招集される高官たち。
そこにもぐりこむ羽目になった女性革命家
いつまでたっても現れない大統領
そして死や破滅の気配が忍び寄る。
SFかというとそうでもない。
グランドホテルものみたいな設定だけど、それほどの人間ドラマはない。
サスペンスかというとそうでもないし。
ハードな設定を借りたファンタジーなんだろう。
白濁した酸性雨の豪快な降りっぷりにはもうほれぼれ。
くすんだ独特の映像タッチと、建物や機械類のちょっとリンチの
イレイザーヘッドあたりを思わせるセンスもツボ。
ロボットまがいの音楽家やらメイドやらが出てきて、しょっちゅう故障してるのも変。
またそれをすぐ直しちゃうおじさん高官もなんだか笑える。
(と思ったら、そいつも・・・)
革命を象徴する「禁じられた言語」の使い方も渋い。
最後に大統領自身がその言語を使うというところもなにやら象徴的。
あとエレベータ。
エレベータの仕様に妙にこだわりがあって、内部に椅子があるやつとか、
部屋が幾つもつらなってドアがないやつとかがでてきて面白い。
エレベータにこだわる映画って好きだな。
(ってリンチくらいしかすぐには思い出せないけど)
あと出演者が妙に有名どころなのが不思議。
エンキ・ビラルさん
ユーゴスラビア生まれ。フレンチコミックの第一人者。
この作品のほか、「ティコ・ムーン」1997「ゴッド・ディーバ」2004あり。