Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

パゾリーニもブルーレイ出るね

2015-02-26 01:20:59 | cinema
ピエル・パオロ・パゾリーニ監督“生の三部作
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是空


ソドムの市 ~制作40周年記念~ [Blu-ray]
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是空


パゾリーニのもっともとっちらかった作品である「生の三部作」が
7月にHDニューマスターで出るということです。
ワタシの好きなあのきったない画面がニューマスターというので
どうころぶかわからないんで期待大。

さらに問題作『ソドムの市』も同じく出ます。
毀誉褒貶はげしい作品ですが、ワタシはこれ平気ですし、
よく見るとみるべきところがちゃんとあると思います。
というかそんな気がするのでまたみてみたい。
いわゆる「全長版」かどうかとか、ぼかしがはいるのかとか
不明な点が多いんですが、まあ購入です。

販売元はワタシは聞いたことがないところなのでこれもまたパゾリーニらしい感じ。

届くのは7月なので、それまでに
四方田氏が書いたソドム~の論考を読み直しておこうかと思います。
はて、どの本に入っていたかしらね??


ああ、これだ

書物の灰燼に抗して?比較文学論集
四方田 犬彦
工作舎


『ソドム~』の論考というよりは、詩人としてのパゾリーニに焦点をあてる論考のひとつで、
エズラ・パウンドとの関係を論じたものでした。
その文脈で『ソドム~』がどうでてくるか?
は、読んでみてください。。


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物欲の報告

2015-02-17 22:43:31 | cinema
といいますか、最近これから発売予定のもので
盛り上がっているのです。
お財布が心配なのですが、予約してしまうと当座は引き落とされないので
なんとなくポチポチしてしまいます。

忘れたころにどーんと届いてがーんと請求されるのですが。。。

****

まずピーター・グリーナウェイのこれ。
ワタシ的には『プロスペローの本』がとうとうブルーレイで出るのがウレシイ!
NHKの協力で当時の最先端だったハイヴィジョンを駆使して
映像的な絢爛豪華を追及していたもの。
書誌の上を文字や模様がうごめくイメージは当時としては斬新で
昔某CMでパクっていた記憶があります。

『ベイビー・オブ・マコン』も面白い
というか徹底したコスチュームプレイ(グリーナウェイ的なね)が
これまた楽しみですね

ピーター・グリーナウェイ 爛熟期 Blu-ray BOX ≪無修正HDリマスター版≫
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キングレコード


***

それからポランスキー『テナント/恐怖を借りた男』
未見だったので長らく待っておりましたが
めでたく発売!
友人が発売情報教えてくれたので即予約。

ついでに『マクベス』も出るといいのだが。。

テナント/恐怖を借りた男 [DVD]
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パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン


予約の際、同じくポランスキー『吸血鬼』と
『フランティック』DVDが900円台だったのでいっしょにポチっちゃいました。

ロマン・ポランスキーの吸血鬼 [DVD]
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ワーナー・ホーム・ビデオ


フランティック [DVD]
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ワーナー・ホーム・ビデオ


****

あとアレクセイ・ゲルマン
BOXで出ていたもののばら売りなのか
『フルスタリョフ、車を』はすでに出ているが、
その他の3作品が3月に発売とのこと。
『神々の黄昏』公開にあてた発売か。

わが友イワン・ラプシン アレクセイ・ゲルマン監督 [DVD]
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IVC,Ltd.(VC)(D)


道中の点検 アレクセイ・ゲルマン監督 [DVD]
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戦争のない20日間 アレクセイ・ゲルマン監督 [DVD]
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IVC,Ltd.(VC)(D)


フルスタリョフ、車を! [DVD]
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IVC,Ltd.(VC)(D)


『神々の黄昏』も予告編観たけどなかなかにぶっ飛んでいそうで期待。
原作がストルガツキー兄弟だし!

***

ストルガツキー原作といえば
こういうロシアSF映画がありまして、『収容所惑星』の映画化なんですが、
奇跡的に劇場公開したのを見に行ったんですが
後半寝てしまって、もう一度観たいわけであります。
相当えぐい映像で面白かったですが
後半はちょっと間延びしていた印象ですが、どうかしら。。

プリズナー・オブ・パワー 囚われの惑星 [DVD]
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TCエンタテインメント




この辺にしておきましょう。
コメント (2)
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「さらば、愛の言葉よ」ジャン=リュック・ゴダール

2015-02-12 02:50:26 | cinema
さらば、愛の言葉よ
adieu au langage
2014フランス
監督・編集・脚本:ジャン=リュック・ゴダール
撮影:ファブリス・アラーニョ
製作主任:ジャン=ポール・バタジア
出演:エロイーズ・ゴデ、カメル・アブデリ、リシャール・シュヴァリエ、ゾエ・ブリュノー、ジェシカ・エリクソン、クリスチャン・グレゴーリ、ロクシー・ミエヴィル



ゴダール最新作観てきました。
話題の3D作品ということで、劇場でしかたのしめないのよね。
3D対応TVとソフトがあれば家庭でもいけるのかしら。

3Dの商業映画は近年徐々に定着しつつあるようですけど、
そのなかで急速に固まりつつある3D作法に対して、
ちょっと待てよそれはお行儀よすぎるだろうといわんばかりに
規範を覆していく作品でありまして、
資料によりますと「通常」の視差よりも広い間隔で組み合わされた2台のカメラをメインに
「通常」よりも特に近距離において過剰な立体感を醸し出して
鼻先が異様にこちら側に出てくる犬(ロクシー)のアップとか
樹木を手持ちカメラでなめて揺れ動く3D映像とか
ついには左右の映像にまったく異なるものを当てたりして
これでもかというやりたい放題なのであります。

規範が映画の文脈を支える安定した構造を保つために要請されるものだとするならば
それはつまり言語なわけですね。
言語により分節化された世界を我々は認識しているわけで
同様に言語により分節化された映画を我々は認識するのですね。
ここで分節化される以前の世界=映画を仮定してみるというのが、
さらば言語よという映画の野心なのでしょうね。
はじめにことばありき
なので、「言語以前」を仮定すること、それが映像=イメージならできるとすること、は、
おそらくは素朴なあこがれであって、実際は言葉と認識はどこまでも不可分なのでしょう。
が、それでもあえてふと言葉を失った世界、存在みたいなものをふと感じてしまうかのようなものを
映画はとらえてしまうのだよと
素朴にかつ果敢に挑戦してみせるのがゴダールなのでしょう。
その心意気に非常に感動せざるを得ないのであります。


・・・が、
そういうこととは別に、
鑑賞中のワタシの心を支配したのは、
「うわ、ゴダール世界が立体になってる!!」という喜びでして(笑)
いつものように人物が本を読みながらぶつぶつなにがしかの引用を口ずさみ
人がいったりきたりしつつ無駄に?裸になっていたり
車が近づいては去って行ったり
そういうものがとにかく立体になってる!!という面白さというか
素朴に3Dであることの驚きを楽しんじゃっていたのです。

伝説のリュミエール兄弟による列車の到着で逃げ出した観客の気分を
純朴にここで体験してしまった。
こういうことが起こるとは思っていなかったので、
批評性とかそういうことはそっちのけで実に楽しかったのです。

ワタシの視力とか乱視の度合いとかそういうものと
この映画のちょっと規格外の立体感がうまくマッチしているのか、
ほかの3D映画では感じたことがないほどに
いい具合に人物や樹木や犬が目の前に実際にいるかのように浮き出てきていたのです。
(特に女性の裸体が手が届きそうなところに立ち現われたのには密かにおおおおっと思っちゃったのは内緒です)

おかげで?全体の説話的な構造なり解釈なり
そういうことにはほとんど関心が届かず
それでいいのかと思いつつも、ほんとうに「さようなら言葉よ」的な体験として
観ちゃったので、
いや~これでいいのかなあ?
タイトルはこういうことでいいのかなあ??とか
なんだか申し訳ないような気分です(笑)


時間があったらもう一度観たいなあ。
水面や水中を撮ったり、いろいろと面白い映像が満載なのよね。。




難しいことはこちらの本を!

ユリイカ 2015年1月号 特集=ゴダール2015
クリエーター情報なし
青土社

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