Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

「ブラック・レイン」リドリー・スコット

2019-11-09 00:09:42 | cinema
ブラック・レイン デジタル・リマスター版 ジャパン・スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]
マイケル・ダグラス,アンディ・ガルシア,高倉健,松田優作
パラマウント


松田優作の訃報を聞いたところで公開されたので、
居住まいを正して劇場に行った。

と記憶しているのだが、どうも日本公開は1989年10月7日のようで、
松田優作の死去は同年11月なので、微妙な感じ。

ロングラン上映していたのではないかと思うのだが、どうだろう。
たしか有楽町マリオンどれかの映画館。


「ブレードランナー」は観ていたので、
リドリー・スコットと松田優作ということで期待はしていたが、
訃報で駆けつけることになってしまったのは悲しい、という記憶。

劇場での感想は、リアル大阪ロケなのにブレランのスモーク都市をやっちまってる!という感動。

その後何度かTV放映で観たような気もするが、ちゃんと再観するのは今回初では。



観直してみると、リアル大阪ではあるけれども、
看板の文字とかネオンとかお店の雰囲気とか
ものすごい数の自転車通勤とか(笑)
随所にイマジナリージャパンが張り巡らされている。

とくに終盤のあの緊迫の舞台はどうやら日本ではないようで、
一段と胡散臭さが溢れ出しそうである。


想像上のジャパンがダダ漏れになってファンタジー色に染まってしまいそうなところを、
絶妙な作用でぐぐっと押しとどめているのは、
日本の俳優たちの日本映画な演技。

これをリドリーたちのスタッフが求めるとは思えないので、
俳優や日本のスタッフがかなり主張したのではなかろうか。
この映画の最大の面白さはそのへんの微妙な匙加減というか、
リアルなようなリアルでないような実に妙な「気分」なのではなかろうか。

その「リアル/リアルでない」というのも、ただ「ありそうなこと」「ありそうでないこと」の話ではなく、
、、なんというべきなのか、、、
現実感のある存在でありながら、妙に現実味のない奥底が漂ってくるとか、、
そんなような感じ。

悪徳なこともやりつつも擦り切れた正義感みたいなものを絞り出していく彼が、
冒頭実に映画的にありそうなバイクレースを取って着けたようにやってみせる変なリアリティと、
それが高倉健的な生真面目と不器用のこれまた映画的な変なリアルの存在感と交差して行くときの、
互いの世界における真剣さが出会うときの噛み合わなさ、とか

松田優作の、本当にもう凶悪な人物像が
これまた滅多に見られないような凶悪な表情を持って現前するときの
ぬぐいがたいマンガ的な印象とか

そういう細かーい混じり合いそうで混じらないマダラ模様が延々と広く敷かれている。

そういうところがとても面白いと思う。



内田裕也は俳優としてなかなか魅力的な人なんだなーと改めて思う。
それ界隈の「その他の面々」も、いかにもな配役をよく集めたもんである。

アンディはワシ的にはちょっと苦手なタイプの役者さんなんであるが、
むしろそのせいでどうも強く印象に残っちまうのである。

街の風景やら装飾やらガジェットの過剰さや
警察署内部の昭和的な雑然のリアルとか
ヤクザやさんの飯場みたいなとこの徹底した殺伐感とか
屋台(笑)的なとこで食う雑然としたメシとか
画面の隅々までぎっしり何かが詰まっている感じは
ブレードランナー的というか、
こちらのほうがさらにさらに調子に乗った感があり、見ものと思う(笑)



あ、あと音楽がハンス・ジマーだったのね。
公開時には全く意識していなかったというか、
その後にどんどん有名作家になっていったのだろう。

そんで、公開時はこんな感じのポスターだったのだが、
この映画はどうもこういうイメージではないよな。
いかにもアメリカのお客さん向けだよなこれは(笑)




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「旅のおわり世界のはじまり」黒沢清

2019-08-26 00:38:01 | cinema

公式サイト


ちょっと言葉にするのは困難だなあと途方に暮れているのでありますが、
言葉にする必要は特にはないんであって、
言葉にできたらそれはそれで楽しいのですが、
そうでない段階のこの感じ、これ、この楽しみというのも
映画にはよくあることじゃないですか。

とぐたぐたと言って、実に楽しい、この楽しみがもう2ヶ月くらい尾を引いている。


なんか最初のカット、最初の最初の、
ほとんど意味のないようなドア?のアップ(だったよね?)から
いい感じで、
この無条件に降伏を迫るというか、許しを得てしまうというか
そんな感じがあるよねえ。だいたいいつも。

前田敦子さんの無条件な存在感というのももちろんあるし。
染谷将太さんのあのいるだけで無条件に胡散臭いというか、いい奴とも悪い奴とも言えない判然としない存在感とか、
いい具合に無条件にやさぐれ大人感を醸し出すようになった加瀬亮さんといい、
これまた永遠に見習いが続くような下っ端感を強烈に無表情に放つ柄本時生くんといい、
無条件に満ち溢れてしまっている。

葉子のとにかく心を開かない感とか、
仕事モードと素の間のギャップとシームレスの中間みたいな(なんじゃそれ)雰囲気とか、
ディレクター吉岡の、情熱があるんだか無いんだか、あってもなくてもどちらも吉岡みたいな感じとか
もうそういう絶妙かつ微妙なところ。

終盤に至りもちろんそれぞれの変化があるのだけれど、
それを簡単にクライマックスとか「売り」にしに行かないところ。

あるいは、ミュージカル的なマジックリアリズムというか、

あるいは、ややSF風なカタストロフ状況の感じとか、

日本文化に敬意を持って勉強もしている彼の話す日本語の響きとか

料理とか、ヤギとか、偏屈な漁師?とか

そういうものが絡まりあって、
ここにしかない時空を生み出している。

過剰なものを持っているのに、ぎちぎちに折りたたまれていて、
表面を飾ったりはしないのに、今にも吹き出してくるのでは?
という恐ろしい印象がありましたですねー。



いやーいいわ素敵だわ。

@テアトル新宿
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バッハとの出会い〜「Die Kunst Der Fuge BWV 1080」Musica Antiqua Köln

2019-05-18 01:45:59 | music
バッハ:フーガの技法
ムジカ・アンティクヮ・ケルン,ラインハルト・ゲーベル,バッハ
ユニバーサル ミュージック


古楽というものの強度というか自由度を強烈に意識したのがこの盤なのですが、
(入手したのはこれとは違うジャケットでした。)

抑揚が派手で、ビブラートのない弦の和音の響きも強烈で、
いわゆるクラシックの演奏とはまるで違う響き(に当時は思えた)。

なんというか大変変わったものを聴いたという高揚感でしびれちゃったのだと思います。

こういう演奏や解釈は今はもしかしたらエキセントリックなのかもしれないですが、
(いやそうでもないか?)
ある面では現在の古楽勢の隆盛へ大きな弾みをつけた人たちだったのかも。


弦楽だけでなく、チェンバロによる演奏もありと、
なかなか面白いのであります。

フーガの技法は基本的には4声譜でありまして、
ピアノというか2手用に編集した楽譜が当時はなかなか見つからず、
ヘンレ版をやっと入手したのを記憶しています。

Bach: The Art of Fugue, BWV 1080 (Musica Antiqua Köln)


ところでこの↑動画の楽譜はなんといいますか、
非常に古楽的ではない楽譜ですね(笑)
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sonimarium"miraminous"

2019-05-16 23:07:08 | sonimarium通信
例によってひっそりとした感じで、
sonimariumが2ndCDをリリースしておりますので
謹んでお知らせいたします。

全10曲を3分に濃縮した予告編がありまして

sonimarium 2nd digest


前半はまあ普通路線かなと思っておりますと、
中盤から雲行きが怪しくなって・・・
やや前衛的なというか
変な音世界もあり、

振れ幅が大きすぎという説もありまして、
●前半はいいけど後半はなんじゃ?
●前半はつまらんが後半良くなってくる
の2方向に人類が分かれてしまうのではないかと思われ、


また、今回もジャケとブックレットを
●写真:指寿川妙子!
●デザイン:まやたそ!
という感じで依頼しまして、
なにやらほのぼのと殺伐とした良い感じになっていると思います。


まあそんなところでありまして、
いろいろなところのネット通販にて購入できますので、
ぜひ音盤を手に取っていただき、
内容をご堪能いただきたいと切に願い次第であります。
miraminous
MNMN
MNMN



ちなみに公式サイト的なものはこちらです。
地味ですが。。。
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「ゴッドファーザーPartIII」フランシス・フォード・コッポラ

2019-04-07 01:20:03 | cinema
ゴッドファーザー ベストバリューBlu-rayセット (期間限定スペシャルプライス)
マーロン・ブランド,アル・パチーノ,ジェームズ・カーン,ジョン・カザール,ダイアン・キートン

パラマウント



もちろんこれも観るわけです。

マイケルが晩年になっていろいろと後悔したり懺悔したりと
ある意味では覇気のない内容になっているのかもしれないが、
人としては重要というかよくわかる話であって、
その意味では真摯な締めくくりになっているのではなかろうか。

ありがちと言えばそうなのだが、
昔に比べていまの連中は、、的な作りであるのも、実際そうなのであろうし、
希望のない出口に向かうトーンを実感を持って伝えていると思う。

未熟なのに傍若無人な若い奴。
金の力のみ信じ心を失った成り上がり連中。
冷酷であることを快楽にしていそうな新参者。
腐った権力者。

その中で結局平穏にはいられなかったマイケルの悲しみ。

***

ソフィアの何が悪い?と思う。
それは当時の水準ではもうみられないからだろうか。

ブーイングだかバッシングだかがあって、ラジー賞が贈られた。
もちろん最高の女優の最高の演技というわけではないかもしれないし、
なにやら台詞の多くを後日差し替えたりということもあったようだけれど、
別に悪くない。
これは、ただのイジメ、鬱憤晴らし、やっかみ、と思う。


アンディ・ガルシアやヘルムート・バーガーがいたりして
なかなか濃いのだが、
なんといってもフランコ・チッティが特に終盤活躍するのが感動的なんである。
そしてこのイタリア臭さで固めるコッポラの意思を前作から引き続き感じるわけである。


そしてクライマックスをあの場所にするのは、どうしても「暗殺のオペラ」を思い出すわけである。。。
ベルトルッチもまたイタリアであるということもあるのだが、
おそらくイタリア臭さで固めるコッポラが必然的に選んだ舞台が、
イタリアに深く染み込んでいるであろうオペラなんだということだろうねー。

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「ゴッドファーザーPart II」フランシス・フォード・コッポラ

2019-03-13 23:23:53 | cinema
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もちろん続編も観るわけです。

殺伐とした荒地を田舎の葬列がやや遠景で歩いてくるが、
やや貧弱な銃声がパンパンと鳴ると棺を放り出して蜘蛛の子を散らすようにわらわらと皆逃げて行く。
鈍臭い景色の中で地味に悲劇が起こり、
よくわからないなりに段々と話が繋がっていく。

ハリウッドではなくまさにヨーロッパのノリ。
鳴り物入りで作られたと思われる続編をこれで始めるのは感動的。
ここから色々経て自由の女神と検疫まで繋げていくのもとてもよい。

前作のテーマ曲は日本でも替え歌歌謡曲みたいなのが流行ったりしたんで(確か尾崎紀世彦)
記憶に残るのはわかるが、この続編の曲もいっしょに歌えるのはなぜだ(笑)
1〜2回しか観ていないだろうと思われるのに。

デ・ニーロが声をあのようにしているのも嬉しい。若くしてすでにデ・ニーロなんだなー。
とてもいい奴で当たりも柔らかいのだが、冷酷な怨念のようなものを持っている。
全然それを表に出さないのに観るものにだんだん伝わっていく感じがすごい。


あの1910年から1920年ころのニューヨークの街並み。
自然だが大変に凝っていて、驚く。
雑然とした空気を、細部を完全動員して絵として訴えるのは、
後の「地獄の黙示録」の、全カット狂っているような凝りように通じている。


それにしても、マイケルに宿るあの残酷な正義みたいなものはなんなのか。
彼のこの不思議な心性こそがこのシリーズの最大の魅力にして骨格だろうと思う。

その自身の矛盾が最悪の結果を生んだ終盤の後に、
おそらく彼自身がこの不思議さに飲み込まれたのであろう
あのおよそエンタメ作品のラストにふさわしからぬラスト。
足場がふわっと緩んですべてがぼおっとするような時を描いて終わる。

ワシ的にはこれは秀逸なラストだわ。。。。

*****

お話としては前作に引き続いて緩い。
緩いのになんか力を秘めているのは前作を完全に引き継いでいる。

ジェームズ・カーンは終盤にちょろっと出てきて場を汚し、いや、盛り上げ、
それで残作と同じくらいのギャラをかっさらったという噂。

マーロンは出演していないが、同じシーンで気配だけ感じさせる。
「いる」感があるのがすごいw


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「ゴッドファーザー」フランシス・フォード・コッポラ

2019-03-06 23:11:18 | cinema
ゴッドファーザー ベストバリューBlu-rayセット (期間限定スペシャルプライス)
クリエーター情報なし
パラマウント


これまた大昔にTV放映版は観たには観たのだが、
もちろんほぼ記憶になく。
WOWWOWでやったので改まって鑑賞と相成りました。

冒頭いきなり「アメリカは素晴らしい国だ」的なセリフから始まり、
なんとも意味深な空恐ろしい雰囲気を一瞬にして立ち上げるセンスがもう好きだわ〜
開始2秒くらいで、ワシこの映画好きだわ、と認定させる力がある。

その暗い息苦しく埃っぽい室内のやりとりが、実は婚礼パーティーの最中のことであり、
おっさんの苦しい心情吐露からカメラが徐々に徐々に外へと引いて行って、
野外のパーティーの喧騒につながっていくという流れもなかなかすごいじゃないですか。

そのあたりではまだ人物とか関係とかまるでわからない。
けど陽気な騒ぎの中の端々ではなにやら凶暴なものがちらちらと姿を垣間見せて、
これまた不穏な空気を膨張させてゆくダイナミクス。


というすごいパワーの一方で、全体てしてはテンポや活劇感はとても緩めなのがまたすごいと思うのよね。
近年の映画は多くはテンポよく引き込んで要所要所で派手に注意を引きカタルシスを得るような演出で、
それはそれで面白くはあるんだけれど、
こういうゆるいテンポ感のなかで力が秘められているみたいなのは
なにやらリアルというか、実際に人々の間で起こっていることなんだと感じさせるように思うのよね。


テンポの緩いところは、この映画がとてもヨーロッパの映画のテイストを持っていることにも関わるのではないかしら。
アメリカ映画というよりは、フランス、イタリアあたりの流れを引き継いでいるような気がする。
(まあ具体的にはわからんけれども)
シチリアでのまさしくヨーロッパの田舎的な時空間がたくさん出ることや、
ニーノ・ロータの音楽のせいでもあるけれど、
イタリア映画のような純朴感/ゆっくりした時間の中の強烈な人間性みたいな感覚を持っている。

(まあ気にいるわけですよね〜)

***********:

タリア・シャイアはフランシスの妹で、
終盤登場するベイビーはソフィア・コッポラというし、
エンドクレジットによると、補作曲と指揮をカーマイン・コッポラがやっているらしいので、
映画のテーマであるファミリーの結束のようなものを
作る側のコッポラファミリーもまた同時進行していたと思えなくもないのが面白いかも。

キャストもまた、アル・パチーノを始め移民の子孫が多くを占めるので、
それもまたテーマ裏でのテーマ展開という感じだし。

***********

ロバート・デュヴァルはなんかテイストがロバート・デ・ニーロに似ていると思った。
PartⅡに出演しているのを知っているせいか、最初は、お、でにーろ?と思ってしまった。

ジェームズ・カーンもイメージ通りの役柄で、、と思ったが、
知っている俳優と思っていたが出演作をほとんど観ていないので、
要するにこの映画でしか彼を知らないのかもしれない(笑)

ダイアン・キートンはなかなか最近では見ない雰囲気の女優さんかも。
そしてワタシにとっては、「ツイン・ピークス」のいくつかを監督した人!なんだけど。

さらに、フランコ・チッティ!
最初は気づかなかったんだが、気づいてしまうともう圧倒的にフランコ!
出てくるたびに、おお!となる。
パゾリーニ映画の常連かつ主要俳優ですね。
こういうところもヨーロッパ。

******

さて、と、
ここで「オッドファーザー

いわゆるパロディ小説で、著者はソル・ワインスタインとハワード・アルブレヒト。
日本語翻訳が大橋巨泉という変なノリで出版されたのだが、
当時は映画よりもこの本に親しんでいたワタシでありました。

ほとんど内容は記憶にないんだけれど、
映画のソニー(ジェームズ・カーン)に当たる、ロクデナシ兄フンギが暗殺される場面での
「フンギ、フンギ、ふんぎゃあ〜〜〜〜〜」というセリフ?だけを強烈に覚えている(笑)

あの設定のために名前が「フンギ」になっているんだろうというバカバカしさが最高である。
ちょっとまた読んでみたいかも。。。。



ちなみにこの著者、他に「にわとりのジョナサン」つーのも書いている。
こちらは青島幸男訳(笑)
そちらも愛読した。

いまや1円である。。。
にわとりのジョナサン (ケイブンシャノベルス)
クリエーター情報なし
勁文社



「にわとりのジョナサン」はそこそこ話題になり、
なぜか日本ではイメージアルバム?的なものが制作された

これまた青島幸男ファミリーが歌を歌ったりする不思議なアルバムで、
神谷重徳氏がシンセサイザーをやってたりという、妙に先進的なところもある。

実家に音盤があるはずであるなあ。


脱線しまくり。
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「君よ憤怒の河を渉れ」佐藤純彌

2019-03-01 00:50:48 | cinema
君よ憤怒の河を渉れ [Blu-ray]
クリエーター情報なし
KADOKAWA / 角川書店


確か今年最初に観たのがこれ。
WOWWOWでなぜか放送。

大変面白かった。
硬派で社会派なものがベースでありながら、大変に奇想天外という、
なんだか太っ腹な印象の映画です。
原作の力であるのかもしれないが、
70年代はこういう太い勢いが日本映画全般にありましたねー。

導入からとても意気込みがある。
よくわからない。いったいなにが起きているのか?
こいつは何者なんだ?
こいつらと関係がありそうだがなんなんだ?
というような疑問がどんどん吹き出すような流れで始まる。

素敵だわ。

それで原田芳雄がこの上なく原田芳雄である(笑)
正義の奴がとても感じの悪い奴で、権威に対してすげー反抗的で、
きたないこともするし、
なんども間違った方向に暴走しまくるみたいな。

これですよ。これ。


中野良子も、もう妄想の世界にのみ存在するようなじゃじゃ馬設定。
高倉健との出会いの場面の設定からしてもうすごい。
その設定というかネタがのちに原田芳雄の重症につながるところもすごいし、
じゃじゃ馬設定のまま新宿駅西口に出現しちゃうところなんぞは、
もうリアルに開いた口が塞がらない。

東日本を大胆に移動する逃亡ロードムーヴィーの面もある。
東京への帰還方法がまたエキサイティングだし。


と、思い出すだけでかなり楽しめる。
こんなにエンタメ性のあるものだとは知りませんでした。
エンディングもそうとうにマズいだろうこれは的なもので、感動的。


ネタバレ回避話法ではほんとよくわからんですねww





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バッハとの出会い〜「Das Wohltemperirte Clavier Erster Teil, BWV 846〜869」グレン・グールド

2019-02-14 01:53:24 | music
Glenn Gould plays Bach: The Well-Tempered Clavier Books I & II, BWV 846-893
クリエーター情報なし
Sony Classical


ご多聞に漏れずということと思いますが、
やはりグールドのバッハで強烈な体験をする世代であります。

ゴルトベルクももちろんでありますが、
平均律の第1巻をよく聴きました。

2枚組LPレコードのそっけないというかデザイン的というかアーティスティックというか
まあそんな感じのジャケットが新しいというか懐かしいというか
60年代の最先端!みたいなワタシにとってのモダニズムの記号みたいな印象でした。(適当な)


あまりピアニスティックでない乾燥した軽妙なタッチがやはり新鮮であったし、
余計な重みのない音楽がバッハの骨格をよく表現しているように思えたですね。

後にいろいろ学んでいくと、これもまたグールドの独自性であるのだとわかってくるのだけれど。


音楽的には、曲によってはとにかくめっちゃ速く、
主のメロディと思われたものがコンパクトに速いオブリガートに畳まれてしまって、
代わりにバス音形が早回しされてメロディとして全体像を伴って昇格?してくるという感じが
とても面白いと思われました。

f-mollのプレリュードのような、過剰といってもよい繊細さは
これまた好みです。
マイナス方向のピアニズムという感じもするけれども。


ということで、まあ聴いているうちに楽譜とか買ってみて
ピアノで弾いてみようとしたりもするんですが、
冒頭プレリュードはなんとかなったにしても、それ以降の曲は当時は1ミリも弾けませんでしたww

以来ン十年と練習し続けてだいぶいろいろ弾けるようにはなったんで、
ほんと人生は捨てたもんじゃないです。

****

オリジナルなジャケットはこれですな


ちなみに第2巻のジャケットもなかなか味わい深い。



ゴルトベルクのジャケットもなかなかに最先端デザイン感があるなあと思ったが、
よく考えるとこれじゃないね当時のジャケットは。
J.S.バッハ:ゴールドベルク変奏曲(55年モノラル録音)
クリエーター情報なし
SMJ


最初のジャケットはこれだすな。



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2018年を振り返る~極私的映画ランキング~

2019-01-23 00:26:24 | cinema
2018年を振り返る~極私的映画ランキング~


毎度言うことですが、ワタシの映画鑑賞スタイルは劇場に足繁く通うというよりは、
旧作中心にDVDでというものなので、年間公開作のランキングはできません。
なので、新旧作とりまぜてのすた☆脳内限定ランキングをやって喜ぼうという私的企画です。

という文章自体、昨年のランキングページからコピペしてるくらい毎年言ってますw

という例年の枕詞ではじめますが、
あまり人の参考にもならないし話題に同調することもできない企画なので
やめちゃおうかと思ってたんですが、
とらねこさんが楽しみにしてくれているということでしたので、
ひとりでも読んでくれるのなら続行するかと。


・・・と、ここまでが昨年からのコピペです(笑)

・・・と、ここまでが昨年からのコピペ(笑)

・・・とここまでが昨年からのほぼコピペです。

・・・とここまでが昨年からのほぼコピペです。

**********

・・・と、ここまでが昨年からのほぼコピペです(笑)


さて、お約束のオープニングのあとは、
2018年に観た映画を並べてみる(順不同)

新しい映画はほとんどない適当感。
かつWOWOW視聴も入れているのでこんな感じ。



「パリ・テキサス」ヴィム・ヴェンダース
「ピアソラ 永遠のリベルタンゴ」ダニエル・ローゼンフェルド
「カンフー・ヨガ」スタンリー・トン
「セブン・サイコパス」マーティン・マクドナー
「攻殻機動隊新劇場版」野村和也
「イット・フォローズ」デヴィッド・ロバート・ミッチェル
「レミニセンティア」井上雅貴
「顔たち、ところどころ」アニエス・ヴァルダ
「暗殺のオペラ」ベルナルト・ベルトルッチ
「マリリンとアインシュタイン」ニコラス・ローグ
「告白小説、その結末」ロマン・ポランスキー
「イカリエXB-1」インドゥジヒ・ポラーク
「007ドクター・ノオ」テレンス・ヤング
「007ロシアより愛を込めて」テレンス・ヤング
「007ゴールドフィンガー」ガイ・ハミルトン
「007サンダーボール作戦」テレンス・ヤング
「007は二度死ぬ」ルイス・ギルバート
「女王陛下の007」ピーター・ハント
「007ダイヤモンドは永遠に」ガイ・ハミルトン
「007死ぬのは奴らだ」ガイ・ハミルトン
「007黄金銃を持つ男」ガイ・ハミルトン
「007私を愛したスパイ」ルイス・ギルバート
「007ムーンレイカー」ルイス・ギルバート
「007ユア・アイズ・オンリー」ジョン・グレン
「007オクトパシー」ジョン・グレン
「007美しき獲物たち」ジョン・グレン
「007リビング・デイライツ」ジョン・グレン
「007消されたライセンス」ジョン・グレン
「007ゴールデン・アイ」マーティン・キャンベル
「007トゥモロー・ネバー・ダイ」ロジャー・スポティスウッド
「007ワールド・イズ・ノット・イナフ」マイケル・アプテッド
「007ダイ・アナザー・デイ」リー・タマホリ
「007カジノ・ロワイヤル」マーティン・キャンベル
「007慰めの報酬」マーク・フォースター
「007スカイフォール」サム・メンデス
「007スペクター」サム・メンデス
「ネバーセイ・ネバーアゲイン」アーヴィン・カーシュナー
「ラッキー」ジョン・キャロル・リンチ
「エイリアン3」デヴィッド・フィンチャー
「ラ・ラ・ランド」デミアン・チャゼル
「オペラ座 血の喝采 完全版」ダリオ・アルジェント
「早春」イエジー・スコリモフスキ
「エル」ポール・バーホーヴェン
「オブリビオン」ジョセフ・コシンスキー
「パターソン」ジム・ジャームッシュ
「ロシュフォールの恋人たち」ジャック・ドゥミ
「ラストエンペラー」ベルナルト・ベルトルッチ
「オーケストラ・クラス」ラシド・ハミ
「誘拐アンナ」佐藤懐智
「あの胸にもういちど」ジャック・カーディフ
「グッバイ・ゴダール」ミシェル・アザナヴィシウス
「ラスト・ワルツ」マーティン・スコセッシ
「静かなふたり」エリーズ・ジラール
「わらの犬」サム・ペキンパー
「マラソンマン」ジョン・シュレシンジャー
「ヤンヤン 夏の想い出」エドワード・ヤン
「機動警察パトレイバーthe Movie」押井守
「機動警察パトレイバー2the movie」押井守
「イノセンス」押井守
「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」押井守
「ヒッチコック/トリュフォー」ケント・ジョーンズ
「男と女」クロード・ルルーシュ
「プロジェクト・イーグル」ジャッキー・チェン
「サンダーアーム/龍兄虎弟」ジャッキー・チェン
「プロジェクトA2」ジャッキー・チェン
「プロジェクトA」ジャッキー・チェン
「攻殻機動隊新劇場版」黄瀬和哉・野村和也
「死刑台のエレベーター」ルイ・マル
「ボヘミアン・ラプソディ」ブライアン・シンガー
「ベイビー・ドライバー」エドガー・ライト


他にもあったような気もするが。。。

*************

目につくのは007シリーズ全作一気観ですかね。
テレビ放映などで以前観たことがあるものも多いですが、あまり腰を入れて観ていなかったんで、
記憶としてはどれがどれだか??

なのでWOWWOWで放映したのを順番に見たわけです。
が、結果的には結局どれがどれだったかね?みたいな感じですw


「ドクター・ノオ」は好きだな。
オープニングのあの三人は、個人的にはとっさにブリューゲルの版画や絵画を思い出すんだけれど、
これも聖書にある寓話を題材としている。

実際にそこからのネタかどうかは定かでないが、
そういうほのかに教養ぽいものを漂わせながらダーティーに修羅場を乗り越え、
窮地に立った時こそユーモアを発揮する、というような
英国魂路線がこのオープニングからすでに定まっているんだなと勝手に感心したりするわけです。


「二度死ぬ」もなかなかにキッチュな雰囲気があって面白い。
ロマンティックなあの主題歌も、こうして聴くと東洋的な夢幻感を取り込んで作られたんだなあとわかる。
整形して猫背になって「日本人になる」とか、
なかなか今はやらなさそうなネタが満載で可笑しい。


なぜかブロスナン時代のものがあまり印象に残らない。
どれがどれだっけ?
ソフィー・マルソーのおかげでノット・イナフだけはわりと記憶にある。

逆に近年のクレイグ主演作はどれも印象深い。
画面が深みがあり細部まで作られているし、仕掛けも派手、
テンポが完璧で脚本も凝っていて、音も音楽もよくできている
というイマドキの映画だなー。

中では「スカイフォール」が好きかも。
「カジノ・ロワイヤル」もいい。エヴァ・グリーンだし。
ということではマチュー君悪役+キュリレンコの「慰めの報酬」も、ユルイけれども好き。
となるとレア・セドゥ「スペクター」だってとてもよい(笑)


ティモシーもけっこう好きである。
ちょっと陰りのあるキャラクターは、コネリーやムーアのような
「自信満々ユーモアたっぷりタフでダーティーな世界も飄々と乗り越える英国紳士」
ってのとはちょっと違う、現代的な造形と思う。

少し戻ってレーゼンビーだって結構良い。
「女王陛下」は普通に映画としてよい作りではないかと思われる。
印象に残る。
好きである。

(なんだよ結局全部好きなんじゃないかねw)


*****


あー、ランキングを考えていたんだった(笑)
ラインナップが適当なんでランキングは例年になく困難だわ〜〜〜


第1位「告白小説、その結末」ロマン・ポランスキー
ついつい「早春」もしくは「暗殺のオペラ」を掲げてしまいそうになるんだが、
幻の映画の再観に感激するパターンで毎年行ってしまうのもなんなんで、
ここは新しい映画としました。

もちろんとても好きなノリの映画です。ポランスキー。
初期作から最新作までほぼ一貫してツボにはめてくるポランスキー。

で、これもエヴァ・グリーンだわね。

過去記事


第2位「レミニセンティア」井上雅貴
申し分なく気に入ったというわけではなく、
もっと作り込むというか煮詰めていく余地があるようには思うものの、
タルコフスキー、ソクーロフの香りを継承しつつ、
その背後にあるロシア、東欧のエッセンスを求めてこだわる作り方は貴重だと思うし
そういう創作があることが我々に与えられた希望だろう。

ということでプッシュ。
次回作があるようにと切に願うところです。


第3位「早春」イエジー・スコリモフスキ
でこれです。
名作ということでもないのかもしれないが、
大変好みなわけです。
いいわこれ。いいわー。
長らく日本語字幕付きで見ることができなかったので感無量。


第4位「暗殺のオペラ」ベルナルド・ベルトルッチ
とうとう再観シリーズということでこちらも。
ベルトルッチも大変好きであるのだが、
ベルトルッチには常に凄みと同時に胡散臭さが漂うのです。
真剣なんだけどほのかに偽物感がある感じがなんだか好きなのよ。

この感覚はパゾリーニにもあるかもしれない。
パゾのほうがより複雑怪奇であるけれど。


第5位「顔たち、ところどころ」アニエス・ヴァルダ
ランキングとしては第4位まででもういいや感があるんだが、
せっかくなので5位も挙げて見る。

「アニエスの浜辺」ほどよくはなかったが、
結局は素朴で前向きなささやかなアートこそがひとりひとりの生を支えるのだろう
と静かに思わせるような真摯な映画でした。
アートのコンセプトは自分や他人の心の真ん中にあるものから生まれるものであって、
戦略とか改革とかそういうことはアートとは直接は関係なんだよと思いました。

ゴダールとの関係を絡めていくところとかね。


ということで、終了いたします〜〜。
良いお年を!(違)

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あーそうだ、
フランス物では「男と女」「死刑台のエレベーター」観たです。
親しんでいるので違和感はないけれども、やはりフランス映画らしい間合いみたいなものってあるよなーと。
「暗黒街のふたり」もちょっと観はじめたんだけど、話が重すぎて挫折しているところです(笑)

あと「ラッキー」を忘れていた。。。
これが3位くらいでもいいじゃんね。。

スタントンということだと「セブン・サイコパス」も面白かった。
なんといっても、ハリー・ディーン、クリストファー・ウォーケン、トム・ウェイツときたもんでい!w
監督は「スリー・ビルボード」の人なのね。




キリがないのでこのへんで(笑)
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