Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

「ミステリー・トレイン」ジム・ジャームッシュ

2021-07-21 02:45:00 | cinema
これまた久々の再鑑賞

日本の二人はとても若くて
とても幸せそうだ
大した希望はないが
全然希望がないわけではない
ゆるい空気が描かれている

ウォークマン、カセットテープ
華奢なヘッドフォン
安っぽいフィルムカメラ

基本は交わらないのに
相互に少しだけ関係する
こういうオムニバスの手法は
他に何があったっけ
いっぱいあるような気もするが、
こういうクスッと笑わせる感じが
当時のジャームッシュらしい

ふと思っただけなんだが、
メンフィス駅の
下に降りていく階段のあるホームの風情が
ジャック・タチっぽい。
サンスタジオで見学者が横揺れで動くギャグもとってもタチっぽい。

そういえばローマに国際電話の彼女が
異様に大声なのもなんとなくタチ風味
かつ‪ツイン・ピークス風味
(ゴードン捜査官ねw)

そういえば最初の方で
日本の二人が歩く通りでチラ見えするブシェミさんが釣竿でわたわたしてるのも
これまたタチ(というかあのころの喜劇)ぽいし

ジョー・ストラマーがどういう人だったのかは全然知らないので、
本当のところはわからないが、
こういう映画に喜んで出そうには思えないんだけど、
とてもハマっているし
なんだか楽しそうである。

スクリーミンは喜んで出そうに思えるし
ものすごくよいし
実に楽しそうである。

サンキー・リーは、今はサンク・リーとかサンキ・リーと表記するのかしら。
今どうしてるんだろか。

で思い出したのは
「デヴィッド・リンチのホテル・ルーム」
あれはなんとか美しく復活しないものかしら
某所にアップされている気配はあるが、
公式にリマスターとかしないかなー
(ついでに「オン・ジ・エアー」も)

あと、あの列車の汽笛は
ものすごく聴き覚えがあるんだけど、
なんだったかな???
と26時間くらい考えて
そうだ、ペットサウンドだわ!と

音楽はジョン・ルーリーで、
マーク・リボー、トニー・ガルニエ参加
ドラム誰だっけ?

WOWOWにて
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sonimariumデジタルリリースしてます

2021-07-10 01:27:00 | sonimarium通信
ここではなんとなく忘れがちな
sonimariumですが
2021年からは配信リリースもしておりまして、
今のところ3曲
ダウンロードもしくはストリーミングできます。

Amazonプライムの方などは、
サブスクでストリーミングし放題のこともあると思いますので、
ぜひじゃんじゃかと聴いてみて

tunecoreのアーティストページへのリンクを
下に貼ります。
ここから各配信サイトに飛べると思います。
試聴もできます♪たぶん

よろしくお願い申し上げ奉るー。

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「Arc アーク」石川慶

2021-07-09 01:50:00 | cinema
ケン・リュウ原作だし、
芳根京子だし。

ということで、観に行きましたが、
監督もウッチ映画大学で学んだ人ということで、
興味があったが作品を見たことはなかったので、
これも動機で(若干後付け的な)

前半はなんとなく内容も演出も
座りの悪い軽い感じがしたが、
中盤の反転を経て後半は
そのチープな前半の記憶を含めて
時の流れとともにしっかり馴染ませてくる。

時間とともに深く変わっていく体験を作り出しているのはとても良い。
それこそが映画が備えている可能性の一つであって、
かつこの映画の(原作の)テーマでもあるから。

生と死のことについて
そのケースワーク的な(というか哲学的な)ことが
ここで明示されるテーマであって
それはそれで深いんだけど、
そのほかにもさまざまな視点が散りばめられていて、
映画も我々も全部を背負いきれない。

永遠に生きる(かもしれない)層と
普通に死ぬであろう層に
ある日突然ワシらは分断される。
分断をもたらした者は
残された者を住まわせるユートピアを作り
施しを与え、
そこに訪れる者に対して親身になって
「何故手術を受けなかったのか」を問う。
答える方はまた自らを慰めるような優しさでその理由を話す。

永遠に生きる層にとっては
死(と老い)は選択するものになったのだろうか。
充実にしろ絶望にしろ
老いる理由を得た者は消え去り
永遠の未来には理由のないものだけが残っていく。

万年生きるという亀の葬式
モビールをカラカラ揺らす存在の印
技術的にも存在論的にも意味合いが不明瞭になっていくフィルムカメラ
自分の手で修理する船
愛するものの死
老いも若きもいる家族の風景

今の日本らしく
謎のほとんどない映画ではあるものの
世界の広さへ向かって滲み出る澱みは
沢山ある。

***

原作を読んだはずだが
まーったく覚えていないので
また読んでみよう。
読んだら追加するかも。
しないかも。

しかしワタシ脳内では
後半は芳根京子は黒木瞳にしか見えず
どう見ても黒木瞳で
しまいには黒木瞳がやっているものだとしてみていた。。。

https://youtube.com/watch?v=l2VnazqMA9E

@ユナイテッドシネマ豊洲



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「スノーピアサー」ポン・ジュノ

2021-07-04 22:20:00 | cinema



原作もので、発想としてはいかにもヨーロッパのヒエラルキー社会発という感じがするお話。

しかもどこかで類似の物(先頭車両に到達した!て感じの)を観た記憶がうっすらとあるが、あれはなんだったっけ
(例によってまったく思い出せない)

冷却化の原因やアレが1年で1周するなどはポン・ジュノのアイディアとのことで、
ポンが色々と盛り込んだことで、物語のレンジがぐんと広がったのではないか?という感じがある。

列車は人間社会の縮図という、まあありきたりなことにはなるんだけど、
そうやって細部を盛り込んだ結果、世界の多様性を丸ごと抽象的に濃縮することができている気がする。

また特に女性たちの存在感がそれに貢献しているように思われる。
あの総理や教師と秘書みたいなやつ。
それと子供を救いにいくターニャ。

彼女たちによって、列車内にPG12的凄惨からティム・バートン的ナンセンスまでの広さが生まれた感じ。

特に好きなのは「寿司」のシーン
あの空気はポン・ジュノにしか撮れん!とか
思わず叫んでしまう。

***

ナムグンとヨナは、少し付け足しみたいな違和感があるが、
おそらくは違和な存在であることが重要なんだろう。

ナムグンはただ一人異質な言語を話す存在だし、たぶん禁制の「火」を持っている。

最後尾から先頭へという線形な枠の中でのみ生きる列車の人々の中にあって、
ナムグンたちはただ一人(二人だけど)社会の外を見ている存在で、
外界を、1年サイクルで繰り返される風景ではなく、
具体的な場として思い、そこにある可能性をリアルに考えている。

垂直ではなく水平方向への突破を提示する彼こそがこの映画の強度かもしれん。

原作には彼らは居るのかしら。

***

ティルダは偶然だけど先日観た「デッド・ドント・ダイ」でも会ったし、
ちょっと前「サスペリア」(新)でも観たし
(で、どれもすごいし)

あのすごいw教師は、誰だっけ??
と思ったら、
「ミッドナイト・イン・パリ」のゼルダだ。
両作とも同じテイストのキャラだわ(笑)

ヨナは少女の頃のぺ・ドゥナにやって欲しい感じの存在感だが、
その意味でも「グエムル〜」の流れでコ・アソン起用は良い感じじゃないかしら。
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