Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

リムスキー=コルサコフ 交響組曲「シェエラザード」

2006-10-30 01:52:37 | music
R・コルサコフ:シェエラザード
キリル・コンドラシン, ロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団(アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団), ヘルマン・クレバース, リムスキー=コルサコフ
ユニバーサルクラシック

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フィギュアスケートのGPシリーズ第1戦、スケートアメリカ。
安藤美姫の感動的逆転優勝のシーンをTVで観て、涙腺が緩む私です。
昨シーズンの不調をしっかりと乗り越える姿がなんといっても感動的です。
自分もあの100分の1でもあやかりたいと・・

ということはさておき、安藤美姫がショートプログラムで使った曲は、
ロシアの作曲家ニコライ・リムスキー=コルサコフの交響組曲「シェエラザード」のつぎはぎだったわけです。

この曲はあまり生粋のクラシック曲として扱われることはなくて、言ってはなんなんですが、やや通俗的な文脈で扱われることが多いような気がします。たとえばオーマンディとかストコフスキーとかがとりあげるような・・・(笑)

でも私はこの曲大好きなのであります。
千夜一夜物語という世界遺産的超古典を題材にしつつ、曲想が、あまり露骨な異国趣味に走らず、ほどよいバランス。
そして、オーケストレーションの緻密なこと。海のうねりをあらわす弦の分散和音の連なっていく先にある管楽器の半音進行などは、オーケストラという楽器を熟知した人の技と感服せずにはいられません。

で、ここに挙げた、キリル・コンドラシン指揮のアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団の演奏。
いろいろなオケの演奏を聴いたけれども、この盤が自分には一番しっくりきます。
・・というか、もうこれ最高!なわけです。

丁寧な演奏ではあるんですが、全体的に、エモーションの流れや高低を最大の表現目標としたような演奏で、タメやキメ、静と動がばっちりツボに入り、流れに身を委ねるとアドレナリンはでるわ、アルファ波はでるわでもう大変!
このコンセプトのもと、激興したときに弦のアンサンブルがざざっと乱れるのも、まるで計算したかのように効果的に響くのです。
まとまりよりも、崩壊寸前の危うさを選び、表現として生かしてしまったというわけですね。
特に第4楽章後半の音が混んできてテンポも速くなるところは、細かい粒がそろわなくても、曲の高まりを最重要課題に、実にダイナミックな躍動を聴かせてくれます。。

1979年の録音。
コンドラシンはすでにこの世の人ではありませんが(81年没)、この名演も彼の偉大な業績の一つといっていいでしょう。

アムステルダム・コンセルトヘボウというオケは、地味ながらも、特に70年代の録音で、ときおり腰を抜かすような演奏を聴かせてくれます。
非常に要注意なオケですネ。

**

ニコライ・リムスキー=コルサコフ(1844ー1908)
交響組曲「シェエラザード」作品35
 第1楽章「海とシンドバッドの舟」
 第2楽章「カレンダー王子の物語」
 第3楽章「若い王子と王女」
 第4楽章「バグダッドの祭り。海。舟は青銅の騎士のある岩で難破。終曲」

キリル・コンドラシンwikipedia

リムスキー=コルサコフwikipedia



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レコーディング♪

2006-10-29 18:38:16 | movelog
今日は白くまアリスのレコーディング。
今日はドラムとベースの録り
2曲やったが2曲とも2テイクでとりおわり。
2に縁がある
(ちなみにスタジオ代もひとり2000円)

時間があったのでCDジャケ用の写真も取る

写真の自分の体形にちょっとだけアゼンとする

あのスリムな青年はどこへいってしまったのか?

てなことをディックがどの小説かでも書いていたなあ
あれを地で行ってるわけだな。

ましょうがないか


帰り道スタバでCANを聴きまくる。
かっこよさに痺れる
タゴマゴのOH!YEAHなんか、そのまんま今のバンドで通用するな。
(後半の日本語で歌うとこね)

いや前半なんかはもっと未来にいっちゃってるよ!


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どうやらハロウィンらしい

2006-10-28 05:46:58 | diary
今日職場のバイトの人が、
「ハロウィンですから(^^)」とにこやかに
ハロウィン味(=カボチャ味?)のキットカットを配って歩いていた。

どうやら若い人たちのなかでは、ハロウィンていうのは
いろいろな年中行事のひとつとしてなんとなく定着しているらしい。

自分ではさすがに見かけなかったが、仮装して町中を歩いてる人がいるっていうような話を聞いた・・
というか、日頃コスプレちっくな服装をするひとタチがハロウィンモードになっているということなんだろうけど、そんな状況らしい。

ハロウィン、みんな意味わかってやってんのかね?と疑問を呈したいところだけど、
自分自身、ハロウィンてなに?って何回か調べたのにもう忘れてる。
わたしのなかにはクリスマスってなにというのにくらべて、全然定着しない祝祭日なのだ。

ハロウィンというものを初めて知ったのは、アメリカのコミック「Peanuts」で、(もちろん懐かしの鶴書房版だけれど)チャーリーやライナスがtrick or treat!といいながら近所の家を訪問するわけです。で、その訳文が、どうしても思い出せないんだけど、「めぐんでくれるか?いたずらするか?」みたいな感じで、子供心に、なんとも日本ぽくないな~というか、異国情緒をたっぷり味わったもんです。

それにあの赤いカボチャ。
カボチャといえば緑と相場が決まっていた私の周辺では、いかにもあれは異国の産物。そしてそれに彫り込まれる表情のなんというかコミカルな味わいもまた、日本的ではないなあと。

そういえば、仮装して民家に入り込もうとして、家人に「フリーズ!」と警告され、射殺されてしまった日本人留学生の話も記憶に新しいところですが(いや、古いって)
慣れないことをすると失敗もするんだ・・と変な教訓を私のなかに残した事件でした。(彼はちゃんとtrick or treat!!って大声で言ったのかなあ?)

で、そんなこんなで、ハロウィンというのはあくまで他人事であって、よその国のどこかで盛大に行なわれているもんで、日本とは関係ないと思い続けているのです。


ところが、ふと自分が使っているシステム手帳の10/31をみると、ちっちゃく
「Halloween」って書いてある・・・むむむむっ?
気になって、他に日本の祝祭日以外に書いてあるのはどんな日??
とページをめくってみると、他は「christmas Day」「St.Valentine's Day」「White Day」の三つだった。
これはつまり、ハロウィンって、クリスマスと肩を並べるほどのイベントデイになってきたということ?
少なくとも「日本の商習慣なり生活習慣のなかで意識しといたほうがいい日」と手帳の製造元は判断しているということだよね。
(ついでに「White Day」もかよ~(^^;))

う~~~ん、あんなに日本的でないと思っていた風習がいつのまにぃ・・

・・まあでもさすがにtrick or treat!は見かけないね(笑)
お店でハロウィングッズとか、ハロウィンに衣替えしたお菓子を売っているくらい?
あちこちでハロウィンイベントが行なわれて、騒ぐくらい?
ディズニーランドとかサンリオとか?
まあ要するに商業的な好機として定着しているんだろうな。
これはクリスマスもヴァレンタインも同じだけれど。

とくにハロウィンって・・日本にはしっかりお盆というのがあるしね
宗教的意味合いの強い行事にはなりにくいだろね。

trick or treat!だって、
アメリカでも毒物入りお菓子事件なんかがあったようで、市販のお菓子が中心らしいけど、不特定多数からお菓子を巻き上げる習慣ってのは、このご時世だんだんすたれていくんではなかろうか・・・??

そうそう、そういえば、ウチの子供の通ってるE○Cジュニアで、今度の日曜にハロウィンパーティーをするそうな。
そういう子供体験もじわじわと日本人に定着してきて、ハロウィンに抵抗のない大人というのがどんどん増えているのかもしれないな。
で、パソコンに抵抗のある社会人がどんどん減っていくように、ハロウィンに抵抗のある大人ってどんどん古い人間になっていっちゃうのだろう・・・




と、たいして興味のないハロウィンについてなぜか思いを巡らした今日でした。

バイトさんもどうせなら仮装してtrick or treat!!って叫んで職場まわったら面白かったのにな~(うちの職場ではきっと笑って許してくれないっ!!(笑))


(で、次の商業的ターゲットはイースターか???)

ハロウィン・ジャパン・インフォ
↑ナイトメアー・ビフォア・クリスマスの映画パンフがここの文章をパクったらしいです。
そのわりには同グッズの販売をおもいきりやっているみたいですが・・

ナイトメアー・ビフォア・クリスマス

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イェジィ・スコリモフスキ「早春」

2006-10-24 18:09:57 | cinema
「早春」DEEP END
1970西ドイツ/アメリカ
監督:イェジィ・スコリモフスキ
脚本:イェジィ・スコリモフスキ、イェジィ・グルザ、ボレスワフ・スリク
出演:ジェーン・アッシャー、ジョン・モロダー=ブラウン
   ダイアナ・ドース


これも「中欧映画地下上映会」にて鑑賞。

ポーランドの作家の映画というんで、多少の先入観を(「灰とダイヤモンド」「尼僧ヨアンナ」「水の中のナイフ」「偶然」・・・・・えらい先入観だ)もって観にいったけれども、
蓋をあけてみるとちょっと場末な雰囲気のただよう純朴な青春映画だったので、意外。

観た後に思いおこしてみるにつれ、どんどん愛着がわいてくる。
ああ、いい映画だったなあ(しみじみ)

**

15歳の少年マイクは、(たぶん)ロンドンのプール付き公衆浴場で接客係として働きはじめる。おなじ接客係のスーザンは年上の美人。
マイクはスーザンに恋心を抱くようになる。
スーザンには婚約者がいて、デートに出かけるのだが、マイクは後をつけて、ポルノ映画館に忍び込んだり、会員制クラブの入り口で待ち伏せたりする。
(ああ、こういう怪しい行動、身に覚えがあるなあ(^^;))
スーザンはプールの指導員の親父とも関係があることがわかり、マイクは混乱する。アバズレめ!でも恋心はつのるばかり。
(これもわかるなあ(^^;))
ある雪の日、マイクはスーザンが乗るプール指導員の車に細工をし、パンクさせてしまう。怒ったスーがマイクにつかみかかるうちに、指輪のダイヤが外れて雪にまぎれてしまう。焦るスー。
マイクとスーは雪を根こそぎプールに運び、雪を溶かしてダイヤを見つけようとする。
スーがプール指導員とけんかをしているあいだに、マイクはダイヤを見つけるが、見返りに無言でスーとの関係を求める・・・

**

浴場やプールという、極端にウエットな舞台なのに、
全編のトーンはけっこうドライである。
マイクの恋心に過度に移入することなく、淡々とすれちがいや葛藤をつきはなして描く。この距離感が面白い。

ウエットなプールはマイクとスーザンの二人の関係が変容していく舞台装置なのだろう。
プールの中でのマイクとスーザンの関係性がおもしろかった。
最初は幻覚として。
つぎは看板の人形と。
そして最後はスーザン自身と。
最後に空のプールで関係が帰着したかと思わせながら、そこへ流れ込んでくる水。
思わぬかたちで終わりを遂げるふたりの、
妄想から現実へと至り、また妄想へと帰る道である。

**

というようなことをさておいても、
全編妙に軽いネタがしこまれていて退屈しない。

クラブ前で待ち伏せする時のホットドック食いまくりネタとか、
ポルノ映画館で追い出された復讐に夜道でスーの婚約者をハメるネタとか、
浴場の受付のおねえさんがスーの飲んでいる飲み物に香水?をシュッシュッとやる絶妙な間合いとか、
笑いに事欠かないのがよかった。

あと途中、カンの「マザースカイ」がすごくいい感じに流れる。
うわ、カンってこんなかっこよかったか??

それと、ジェーン・アッシャーってこんなにいい感じの女優さんだったんだ~と萌え
場末のポルノ映画館なんかのエピソードなんかは、どうもジェーン・アッシャーがいるせいか、ハンブルク時代のビートルズの面々の多分汚れた青春時代なんかを脈絡なくも思い起こさせたりする、ちょっとダーティなヨーロッパの青春?
(ジェーンはポール・マッカートニーとデキてたんですよね)

**

上映会後、「この映画にちなんでホットドッグが食べたい」といった友人の
その発想に清き一票!!


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ブライアン・デ・パルマ「ブラック・ダリア」

2006-10-23 16:52:40 | cinema
ブラック・ダリア

監督:ブライアン・デ・パルマ
製作:ルディ・コーエン、モシュ・ディアマント、アート・リンソン
製作総指揮: ロルフ・ディール
ダニー・ディムボート
ジェームズ・B・ハリス
ヘンリク・ヒュイッツ
ジョセフ・ローテンシュレイガー
アヴィ・ラーナー
トレヴァー・ショート
アンドレアス・ティースマイヤー
ジョン・トンプソン
原作:ジェームズ・エルロイ
脚本:ジョシュ・フリードマン
撮影:ヴィルモス・ジグモンド
音楽:マーク・アイシャム
出演:ジョシュ・ハートネット(バッキー)アーロン・エッカート(リー)スカーレット・ヨハンソン(ケイ)ヒラリー・スワンク(マデリン)ミア・カーシュナー(エリザベス・ショート)
↑なんでこんなに製作総指揮がいるんだ??


なんだか心配だったんだけれど、わりと気に入りました。ああよかった。
もともと映画としての強度や深度をこいつに求めていたわけではないし、
もともとデ・パルマファンでもないので、なんだかニュートラルに安心して娯楽作をみちゃった感じで、
ブラックダリアご当人にはちょっと申し訳ないねえお嬢さん、という気分です。

いくつものエピソードが輻輳する構造になっていて、最初はついていけるか??と心配になりました。
ブラック・ダリアのエピソードのみに絞ったほうがすっきりしていいという意見もありそうですが、見終わったあとの楽しみとしてはあれくらい込み入っていたほうがよかったなと私は思いました。

繰り広げられるフィルム・ノワール的世界の、セット臭というか要するにその嘘くささも、現在真っ当なフィルムノワールというのが存在しえないことからの当然の帰結であって、嘘であることを責めるのはなんとなくむなしい気もします。
これはむしろちゃんとした憧れの表れとして受け止めるべき嘘なのだろうと思います。

***



【おっとネタばれ警報!!】
個人的にはっとしたのは、宣伝で使われていた女性の腰の「BD」のみみず腫れはブラック・ダリアの頭文字ではなかったということです。(ここまでは言ってもいいかな??)

まあ原作を離れてしまうのかもしれないけれど、この点は唯一この映画でミステリアスな符合です。ここに注目してうんとミステリアスに、いやオカルティックなまでに、主人公たちとブラックダリア事件をからませていったとしたらどうでしょう。
それはもしかするとデヴィッド・リンチの世界になっちまうのかもしれません。「ツイン・ピークス」の、「ロスト・ハイウェイ」の、「マルホランド・ドライブ」の、あの世界になったかもしれません。
私はそっちのほうだったら、これ、きっと大好きな映画になっていたでしょう。

でも逆にこのミステリーを、なんの引っかかりもなく、さらっと流してしまったこの映画も、実は捨てがたくミステリアスな存在なのかもしれません。
そのことにより、あるエピソードを特権的に中心に据えることを拒否したと言えるのかもしれません。巧妙に中心の生成を回避し、まさにブラック・ダリアのエピソードさえも傍流のひとつにしてしまったこの映画は、その空疎さに自覚的である点で、まさに現代におけるフィルムノワール(=表層的・時代考証的・歴史的再現)というありかたを現出するという、あるいは「それ「らしさ」にとどまること」に奉仕するという、デ・パルマ的目標をしっかりかなえてしまっているのかもしれません。

(好意的すぎますかね?)

というわけで、はじめに戻っちゃうけれども、すごく表面をなぞる感触と、わらわらとまとわりつくエピソードの流れをまさぐるという快楽に、素直に喜んでしまった私なのです。

***



音楽はもちろん40年代風なんだけど、ちょっとサウンドの艶というのか、そういうレベルで現代臭さを脱し切れなくて、残念でした。意外と、それ風を狙わないほうがそれらしく聞こえるのかもしれません。「カポーティ」ではその線で音楽が成功していたと思うし。

あとキャストには当然のことながら大スター性というのはないのだけれど、これも観ていてそんなに悪くないと思いました。現代のスターを持ち出しても、そのスター性というのは40年代におけるスター性とは違うわけだから。むしろ地味なキャスティングのおかげで、なんだか未見のフィルムを発掘しているような気分になりました。

という予定調和的大団円を、一瞬突破ってしまいそうだったのが、フィオナ・ショウ演じるラモーナ母さん。
あれはまずい。あの人だけがリンチ映画から抜け出てきたみたいだった。いつテーブルの上の料理がもぞもぞ動き出すかとひやひやしちまったですわよのさ・・・・


ブラック・ダリア コレクターズ・エディション 2枚組

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ヴィエラ・ヒティロヴァー「楽園の果実」

2006-10-23 12:45:48 | cinema
「楽園の果実」
1969チェコスロヴァキア
監督:ヴィエラ・ヒティロヴァー
脚本:ヴィエラ・ヒティロヴァー、エステル・クルンバホヴァー
音楽:ズデニェク・リシュカ

物語としてはわりと単純で、
リンゴをかじる女と、傍らに眠る男、女の腕を這う小さな蛇、と、
内容を示唆するイメージが冒頭から開示される。

奔放で好奇心旺盛なイブ(エヴァ)と、質素で寡黙なアダム(ジョセフ)の夫婦に、誘惑者としての蛇(ロベルテ)がからむ。
魅力的な外部としてのロベルテは言葉巧みにエヴァに近付くが、実は連続殺人犯でもある。エヴァは自らの知恵と行動でその真実とともにロベルテへの愛情をも知ることになり、ロベルテを殺す。
果実を味わい、真実を知る力を得て追放されるエヴァとジョセフ。

この創世記の楽園追放劇を、この映画は物語的にではなく、形式的な、記号的なあるいは映像的な語法で紡いでゆく。

砂山で遊ぶ姿、
自転車で転んでは起き転んでは起きする姿、
赤い長い布を引っ張って絡まり絡まり歩く姿、
湿地を難儀しながら歩く姿、
背の高い枯れ木の中を走り抜ける姿、
映像はそうした人物の所作をじっくりと写し、
音楽は時にパーカッシヴで、時にヴォイスパフォーミング風に、
所作によりそうようになり響く。

これは映画というより、ダンスや舞踏、パフォーミングアートに近いたたずまいといえるだろう。
私は、野外におけるダンス・ドラマとしての関連で、ローザスの映像作品を思い出したし、また、自然の風景と演劇的書き割りを原初的衝動で融合してみせた寺山修司の「田園に死す」や、やなぎみわの映像作品「砂女」なども思い出した。
即興的な動きと、それにあわせる音の饗宴としてみるだけでも、そのドラマ性は十分伝わってくるだろう。


とはいうものの、冒頭の10分くらいか?これはまさに映像の楽しみだ。
ひとときもじっとしていない多層的なイメージと色彩の移ろいに、アダムとイヴを思わせる裸の男女のダンスのような所作が織り込まれる。
グリーナウェイの「プロスペローの本」のプロローグを思わせる映像のマジック。
それに絡まる冒険的な音響。
この映画、これだけでも十分観る価値はあるだろう。

この冒頭にみられるアダムとイブのぎこちないコマ落としの動きは、
単に技法を超えて、プリミティヴな情動を私のなかに引き起こした。
見てはいけないもののうごめきをみてしまったような・・・うしろめたさに近い感覚。
これはたとえばシュヴァンクマイエルのアニメーションにみられる独特の緊張感に似ていた。
これをチェコ的な生理といってゆるされるだろうか・・・・

***

中欧映画地下上映会にて鑑賞

ヒティロヴァー略歴

1929年チェコのオストラヴァに生まれる。
1962年国立芸術アカデミー映画学部を卒業。
1966年「ひなぎく」を製作するが公開禁止となるが、翌年公開、ベルガモ映画祭でグランプリ獲得。
1968年プラハの春挫折、同僚たちが国外へ活動の場を求めるなか、チェコにとどまる。
1969年「楽園の果実」これ以降6年間映画製作を禁止される。
1970年「楽園の果実」カンヌパルムドールノミネート。
2006年最近作「保証のないすばらしい瞬間」

**

ミロシュ・フォルマンらとともにチェコ・ヌーベルバーグの一員として知られる。

フォルマンは後にアメリカに渡り、「カッコーの巣の上で」「ヘアー」「アマデウス」を撮りますね。

「楽園の果実」が撮られた69年というのは、関係ないけど、いろいろと面白いことが起きた年で、イエスがデビューアルバムを発表し、ザ・バンドが「ミュージックフロムビッグピンク」を出し、ウッドストックフェスティヴァルが開かれ、ヴァン・モリソンの「アストラル・ウィークス」が出て、ビートルズが事実上崩壊し、ブライアン・ジョーンズが死んだ。ゲンズブールとバーキンが結婚し(あ、これは68年のようです)、ボブ・ディランはナッシュヴィル・スカイラインでちょっとばかしみんなをびっくりさせる。

ああ、関係ないですかね・・・・





ひなぎく

ハピネット・ピクチャーズ

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ギャラリーmanimage

2006-10-22 17:37:27 | diary
フォトギャラリーを細々と開設しました。

manimage

ウチの環境だと表示におもいっきり時間がかかるんだけど。

細々と不定期更新予定です。
どうかよろしく。
コメント (3)
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きみはだれ?

2006-10-21 13:12:21 | movelog


なぜここにいるの?
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なにこれ?

2006-10-18 18:47:05 | movelog
駅の柱に鍵穴だけポツリ

ちょっとトマソン系
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のだめカンタービレ初日!!

2006-10-17 01:01:09 | music
そもそもまったく期待していませんでした

なので、相当意識のなかでは割引してました。
もうおおばんぶるまい、3割5割は当たり前!

てな状況で見たせいか、意外としっかり楽しんでしまいました
「のだめカンタービレ」TV初日!!


さすがになにもかもムリがあって、特に男子キャラはかなりイメージと違い・・
いくらなんでも千秋の幼少からの天才的カリスマオーラは実写のしようもなく、
この点はもう観る前から非難よりも同情が先立つ心持ちでいたのです。

ところが、最大の難関と思われた「のだめ」が、
なかなかいい
じゃありませんか!
もちろんコミックにおけるキャラとは相当の開きがありますが、
それはそれとして、ドラマのキャラとして別物的に十分いけるかな?と
期待を持たせるものではなかったでしょうか。。

なんといっても演奏シーン、
ちゃんと弾いているように見える上に、これはまさにコミックで描かれていた
のだめ的弾き方をしっかりクリアしていたのではないかしら??
音楽に支配され、自由に、奔放に、
時に恍惚として、しかもしっかり「あの口」も忘れない
特にモーツアルトのあの演奏シーンは説得力ありましたよ。
上野樹里、株急上昇中!!
(うっひょ~86年生まれだって。関係ないけどチェルノブイリ事故の年ですね。ついこの間です。)



シュトレーゼマンがあれってありかい?とか
清良があの学校の生徒になってる??とか
ヴィオラ先生は年食い過ぎじゃないか??とか
突っ込みどころがあえて満載なのも、むしろ確信犯的なつくりになっていて
ときおり挟まれる、CG的技術を駆使した漫画コマ再現シーンと相俟って
これは開き直ったな!とむしろ笑いの方向へ。。

のだめの部屋(とベランダ)の密度の濃さといい、
ぷりごろ太グッズの徹底した作り込みといい、
5割引なレベルではありましたが、私はかなり好感を持って観ましたよ。


あの調子だと、ドラマは内容をぐぐっとコンプレスして急展開で進んでいくのでしょう。
それを覚悟してまあ楽~に楽しむのがいいでしょうね。

さて皆さんの感想はいかに??



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試験あとの空は奇跡のような

2006-10-16 04:41:16 | diary
情報処理試験が終わり、
定番のスタバで外れラテを飲み
チョコを自棄食いした。

そして見上げると、秋の雲に
夕日がほんのりとピンク色をさして
えも言われぬ風情

空のすべてを抱きしめたい
空のすべてを写したい
この色彩が永遠に心に残りますように
永遠に
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ナタリオ・ゴリン「ピアソラ 自身を語る」

2006-10-14 22:21:56 | book
ピアソラ自身を語る

河出書房新社

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前にも紹介したが、読み終わったので。

アストル・ピアソラという人を一言で紹介するのは難しい。
なんというか、あらゆる形容を、その音楽の持つパワーが突き破って、先走ってしまって、ことばにならないのだ。

アルゼンチン生まれのバンドネオン奏者/作曲家
偉大なるタンゴの改革者。
ジャンルを超えて世界的な支持を受けている音楽家/演奏家。
92年没
没後も多くの音楽家が彼の作品をとりあげている。

とにかくピアソラを聞かないと、20世紀の音楽は締めくくれない
っていうくらいすごいのだ。

んなとこで勘弁してもらいたい。

**

この本は、ピアソラが亡くなる前にインタビューした内容を編集したもので、
ピアソラ自身が生い立ちや音楽活動や愛の遍歴を語るというところがミソ。

本の2/5がピアソラの言葉。
2/5がナタリオ・ゴリンによるピアソラの生涯の再構成および
10人の関係者によるピアソラ評。
1/5がディスコグラフィ、年譜、索引、訳者解説。

伝記的に目新しいことは特にないけれど、折々でピアソラ自身がどういう思いであったかが記されているので、なかなか真に迫る面白さがある。

一方、ゴリンによる章は、ちょっと冗漫かもしれない。
語り口が流麗というか文語的になる分、ストレートな分かりやすさはない。
愛着に満ちていることはわかるけれども・・・

バンドネオンという楽器についての解説はおもしろかった。
いかに複雑で困難な楽器であることか・・

それから、以前から気になっていた、「ラスト・タンゴ・イン・パリ」用の音楽を書いてボツになったという逸話については、この本によるとやはりガセのようだ。
実際は報酬面でベルトルッチ側と折り合わず、作曲自体破談になっているらしい。
現在ボツ曲として知られている2曲は、既に以前に作曲されていた曲を別タイトルで発表したものと言うことだ。
なんとなくすっきりした。

ディスコグラフィは、原著のものに、訳者の斉藤充正氏が手を入れたもので、ある意味現在最強のディスコグラフィになっているかもしれない。
同氏の強力本「闘うタンゴ」と併せてみるとよいと思う。

**

というわけで、最近またもやピアソラづいているマイブーム。
膨大なディスコグラフィがあるので、紹介することはできないな~
なので、とりあえず持っているCDの紹介でもしてみるかな・・と
思っています。

そのうちにね。


↓世界最強ピアソラ本
アストル・ピアソラ 闘うタンゴ

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今日の戦利品

2006-10-14 21:30:27 | diary
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↑横浜で買いましたが、限定版!
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↑あまり買うつもりはなかったんだけど、急に品薄になったような気がして。


感想は読んでから。




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チャイコさんよ許せ

2006-10-14 18:32:23 | movelog

今日はバイオリンアンサンブルの日でした

チャイコの弦セレ

無謀な試みだこのメンバーでチャイコなんて

前回モーツァルトを踏みにじっただけでは飽きたらず。

でもモーツァルトはなんだか神性を冒涜という感じがするが、チャイコの場合もっと土臭い感じがする
ロシアの大地霊をよびさますというか。

普通の半分の早さで1楽章を4分の3弾いたところでタイムアウト!
なんとも欲求不満なかんじのまままた来月だ

アンサンブルは1日4時間月3回くらいやらないと間に合わないよなあ

@帰り道
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観たいけどたぶん観ないリスト

2006-10-12 13:12:42 | cinema
いちばんきれいな水


おもしろいかなあ。
注目はカヒミ・カリィが映画初出演というところ。
どうかなあ。



アダム-神の使い 悪魔の子-

どうかなあ。
ネタはSFチックで好きそうだけど、サスペンスホラー仕立てかあ。
デ・ニーロも主役ではなさそうだし。


悪魔とダニエルジョンストン

うつ病アーティストの物語ということらしいんだけれど、
「悪魔」という表現が気になるなあ。
実際のところ観てみたいもんであるが・・


ブラックダリア

思わせぶりな宣伝の仕方がかえってなんとなく眉唾な感じ。
実話ベースだしきっと面白いんだろうけれど。
デ・パルマはどうかなあ。


クリムト

これは観るかも。
マルコヴィッチがクリムトとはね。



昼休みに思いついたとこだけ。




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