Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

バッハとの出会い〜「フリッツ・ヴェルナー カンタータ集」

2018-12-04 00:24:17 | music
バッハ好きでありまして、
某アマ楽団でバッハのカンタータ連続演奏に幸運にも参加させていただいているのですが、

突如、そもそも自分はどのようにしてバッハに接近して行ったのか??
をふと考えたので、ここに連載でメモることにしました。

で、第一弾はフリッツ・ヴェルナー指揮のカンタータのレコードから。
某SNSで書いたことを加筆修正のうえ転載です。

*****

バッハのカンタータで初めて買った音盤はこれだったと思う。
多分80年代の真ん中辺に?

フリッツ・ヴェルナーがハイルブロン・ハインリヒ・シュッツ合唱団と録音したシリーズのうちの1枚。

なぜこれにしたかというと、
安かった+ジャケットよし+「汝ら泣き叫ばん」というタイトルが刺激的だったからw


ですが、このBWV103が気に入っちゃいましてねー。
冒頭からのリコーダーが当時としては新鮮で。

さらに、何回か聴くうちに、冒頭曲の中盤のバスのアリオーソ?、
そこまでの流れが急に深い空間に解き放たれて、
おおーと思ったらまたおもむろに復活するあたりにぐっとくるわけです。

さらにアリアのオブリガート、この盤ではバイオリンでやっているんですが、
これがまた憂いに満ちたモノで良かったんですよ。



どうもこのレコードは1969年リリースのようです。
録音は66年と書かれた記事もありましたがそこは未確認。

今聴くとさすがにちょっと古風な演奏。
全体的に平坦で均等な感じ。ロングトーンはずーっとまっすぐだし、
楽器も歌も、のべつまくなしにビブラート。

でも、
この均質感はもしかしたら「ノイエザッハリヒカイト」ってことなんかも。
大仰な抑揚とかルバートとかでロマン派的な解釈はしませんよ、
楽譜通りにやってます!ということなのかもしれない?

とふと思いました。

ご承知の通り20世紀中盤頃からいわゆる古楽勢が発展するわけですけど、
60年代はリヒターやこのヴェルナーなどが従来のロマンティックな演奏習慣にとらわれない演奏を初めていたころで。
その後の古楽躍進を経た今聴くとこれもまた十分に大時代的に聞こえるんですが、
おそらく当時では随分オーセンティックな風に聞こえたのではなかろうかしら。

自分が生きている間にもこんなに演奏習慣が変わってしまうんだから、
300年前の演奏がどうだったかというのはもう学者の領域だな。。とも。


しかしこれは通奏低音、てかチェロ何台いるんだい?という厚み(汗)
この辺りはやはり今は抵抗感はあるね。

ということでバッハ開眼の巻。


特におすすめはしないけれども(笑)いまはCDのボックスになって出ていますな。
こちら(HMV)で買えるかしら?

コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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「おそらく当時では随分オーセンティックな風に」 (pfaelzerwein)
2018-12-04 03:18:28
ご無沙汰しています。

ノイエザッハリッヒかどうかはおいといて、時代からすると、初期ミュンヒンガー指揮の合唱版という印象ですが、どうでしょうか?シュツッツガルトとも近いですしね。リリング指揮になるとまた変わりますね。
ミュンヒンガー (すた)
2018-12-06 01:15:16
Herr pfaelzerwein
お久しぶりです。コメントありがとうございます。
ミュンヒンガーはほぼ聴いたことがないので、YouTubeで少し聴いてみました。
ヴェルナー以上に均質感のある印象ですね。
これもまた現在ではなかなか古臭い感じがしますが、当時は端正な原点主義的に聴こえたのではないかと思わせるものはありますね。

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