Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

クリストファー・ノーラン「メメント」

2005-06-28 13:55:26 | cinema
メメント

アミューズソフトエンタテインメント

2000アメリカ
監督・脚本:クリストファー・ノーラン
原案:ジョナサン・ノーラン
出演:ガイ・ピアース他
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なかなか手の込んだ秀作でした。

過去の記憶はあるが、ある時点から短期記憶がすぐに失われてしまう障害を持った男が主人公。
ついさっき起きたことや、いつも会っている人のことなどをすぐに忘れてしまう。
彼はどうやら、妻を殺害した犯人を探し復讐しようとしているらしい。
しかし記憶の障害のため、重要な事柄はメモや体に刻むタトゥーやポラロイドカメラで残す。
彼はとうとう犯人を発見し、復讐を遂げたかに見えたが、
本当にそうなのか?記憶(メモ)は裏の裏に裏返り、本当のところはいったい・・?

視点を主人公からの視点に据え、時間軸を巧みに組み替えてある。
なので、観る者の想像と裏切りを巧みに誘導する。
とってもスリリングだ。(すりりんごと打ってしまったよ)

記憶を失うという設定が、単にアイデアレベルでなく、
時間軸と各プロットの作りに深く関わっている。
その上、ちゃんと記憶が失われることによって起こる事柄をしっかり検証して
セリフが書かれている。
ほんとうによくできた脚本だ。

というか、よくできすぎている(笑)
リンチの「ロスト・ハイウェイ」や「マルホランド・ドライブ」の持つ
危うい時間感覚に通じるものがあるけれど、
リンチのもつ、他の部分でのノワール感やサイコな雰囲気は薄い。
よくできすぎているが故に、すべてが光の元で展開してしまう。

エンタテインメントとしてはいいですね。最後までどきどきする。
でもなんだかリンチが大手を振って歩きだしちゃった~みたいな感じで、
ちょっと気恥ずかしかった。
私的にはもうちょっとサイコな暗さが欲しいな・・・

<追記>
エンディングにデヴィッド・ボウイを使っているところもリンチっぽい!
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2 コメント

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わたしには、 (st/ST)
2005-06-28 20:14:59
出来過ぎ感が強く、破綻が無いぶん、不満でした。

この監督の前作『フォロウィング』の方が好ましかったかも。

『インソムニア』は、オリジナル版見ちまったので、

地味な北欧俳優キャストがハリウッド化してるのでパスしてしまいました。

また、別の監督ですが『ドニー・ダーコ』等、

最近、この手が増えてますが、

リンチの影響を受けた節があるのは良いのですが、

何か、リンチの悪意を薄めてメジャー化させた感じがして

ちょっちね~、と思ったりしてます。



パズルのバラし方が物足りない。

目眩感が圧倒的に足りないと思うのですが...。

まあ、見直して確認しなきゃと思いつつ、

ワタシャ『去年マリエンバードで』さえ、

整合性があり過ぎると、不満を持った不逞の輩ですから。



整合性があるのがイカンというわけでもないんですが、

例えば、『エンゼルハート』はカッチリと

オチも決まってますが、目眩感はあるし、

当時殆どの人が気付かなかったと思われる、

人を捜しながら、実は無意識にメロディーを捜していたという、

伏線が素晴らしい効果を挙げてると思うのです。

(微妙にネタばらしになっちゃてるかも....

 未見の方スミマセン。)



年取ったということなのかしら....。
そうすね (manimani)
2005-06-29 08:26:44
この作品、めまい感は脚本の中にあって、こんな時間軸のずれは実は不要なんじゃないかなって思ったりもします。

リンチの作品は目眩は映像のなかにこそあって、悪意やサイコと切り離せない状態にあると思います。

私も上に書いたとおりですが物足りないというか、気恥ずかしい派です。

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