コロンブス 永遠の海(2007)
CRISTOVAO COLOMBO O ENIGMA
2007ポルトガル/フランス
監督:マノエル・デ・オリヴェイラ
原案:マヌエル・ルシアーノ・ダ・シルヴァ、シルヴィア・ジョルジュ・ダ・シルヴァ
脚本:マノエル・デ・オリヴェイラ
出演:リカルド・トレパ、レオノール・バルダック、マノエル・デ・オリヴェイラ、マリア・イザベル・デ・オリヴェイラ
ちょっと前になるが、岩波ホールで鑑賞。いままで書かなかったのは、例によって寝たから^^;
ワタシが寝てしまうのは、作品がつまらないからとかそういうことではなくて、睡眠障害のケがあるからであって、そこのところはご理解いただきたい。
*********
冒頭はコロンブスの署名についての解説から、若き日の歴史研究家マヌエル・ルシアーノが兄(弟?)とともに船で大西洋を横断するところ。1946年ころ。陽光降り注ぐ港での母親との別れのシーンと対照的に、薄暗い船内での秘密めいた年長者との会話や、到着したアメリカ東海岸の霧の立ち込める港はなんとも気の重くなる画面だ。
ルシアーノ兄弟は入国手続きでちょっともめる。荷物の楽譜(だったかなあ?)が一時留め置きになっていることへの講義。つたない英語。
その後、どうやら学成ったマヌエルがどこかで講義をしている。。。
そして、はっと気づくと、ふたたび陽光あふれるおそらくはポルトガルの港町。おそらくは老齢と成ったルシアーノ夫妻が、コロンブスの生家と伝えられる小さく質素な(といっても日本なら豪邸だ)家を訪ねる。茶色い木組み、白壁。ところどころ夫妻を先回りするように精霊めいた少女がいにしえの装束で立っている。
マヌエルの言葉。コロン(コロンブス)の出自について明らかにし、あの時代(大航海時代)の精神に還らなければならない。情熱を取り戻さなければ成らない。
窓から青い海を望み、エンドロール。。
あら?終わりか^^;
・・・という体験でしたw
なので何を書くでもないんですけど。
冒頭の渡米はなかなか渋い光使いの画で劇映画的な印象を持たせるのだが、一方でドキュメンタリー的な面も強く、終盤のポルトガル訪問では監督自身がマヌエルを演じていることもあって、新しい学説を跡付けようとする現在のルポのような感覚がある。オリヴェイラ監督によるコロン生家訪問。。(NHKドキュメントとかにありそうな感じ)
そのようにして過去から現在を地続きにしていこうという映画なんだろう。
冒頭のマヌエル渡米はもちろんコロンブスの渡航の再現であり、マヌエルはコロンブスが定説のイタリア出身ではなくポルトガル人だという学説を唱え、そこに祖国の精神のよりどころを象徴的に見出したマヌエル(=オリヴェイラ)が今度はアメリカからポルトガルへと精神回復の凱旋を現在進行形で行ってみせる。
そういう、めぐり巡るエネルギーの移動の試みなのだろう。
と、75分ほどの短い上映時間の大半を寝たワタシは、寝ぼけながら思ったのでしたが、まあ、説得力はないわね。
***
初オリヴェイラだったので体調も整えて行ったつもりだったがこのていたらく。悔しいのでパンフを買いシナリオ採録を読み画面を想像するのだった。
国なり民族の精神のよりどころというか構成というか源泉を考えてみるとき、ポルトガルだとコロンブスの時代になるのか~とあらためて思う。ヨーロッパ世界の大国だった13世紀。強い王政と強い商業。そこから現在の自分自身との連続性を意識するのは、その根深さにおいてやはりヨーロッパ的な感じ。
昔世界史の授業では「地理上の発見」とか習ったな。あれはヨーロッパの繁栄とともに帝国主義拡大によるワールドワイドな秩序撹乱という暗黒史でもあるわけで、あの時代に還ろうとか無邪気に考えてるのではないだろうけど。
日本ではどうなんだろうな。
それはこっそり考えることにしようw
CRISTOVAO COLOMBO O ENIGMA
2007ポルトガル/フランス
監督:マノエル・デ・オリヴェイラ
原案:マヌエル・ルシアーノ・ダ・シルヴァ、シルヴィア・ジョルジュ・ダ・シルヴァ
脚本:マノエル・デ・オリヴェイラ
出演:リカルド・トレパ、レオノール・バルダック、マノエル・デ・オリヴェイラ、マリア・イザベル・デ・オリヴェイラ
ちょっと前になるが、岩波ホールで鑑賞。いままで書かなかったのは、例によって寝たから^^;
ワタシが寝てしまうのは、作品がつまらないからとかそういうことではなくて、睡眠障害のケがあるからであって、そこのところはご理解いただきたい。
*********
冒頭はコロンブスの署名についての解説から、若き日の歴史研究家マヌエル・ルシアーノが兄(弟?)とともに船で大西洋を横断するところ。1946年ころ。陽光降り注ぐ港での母親との別れのシーンと対照的に、薄暗い船内での秘密めいた年長者との会話や、到着したアメリカ東海岸の霧の立ち込める港はなんとも気の重くなる画面だ。
ルシアーノ兄弟は入国手続きでちょっともめる。荷物の楽譜(だったかなあ?)が一時留め置きになっていることへの講義。つたない英語。
その後、どうやら学成ったマヌエルがどこかで講義をしている。。。
そして、はっと気づくと、ふたたび陽光あふれるおそらくはポルトガルの港町。おそらくは老齢と成ったルシアーノ夫妻が、コロンブスの生家と伝えられる小さく質素な(といっても日本なら豪邸だ)家を訪ねる。茶色い木組み、白壁。ところどころ夫妻を先回りするように精霊めいた少女がいにしえの装束で立っている。
マヌエルの言葉。コロン(コロンブス)の出自について明らかにし、あの時代(大航海時代)の精神に還らなければならない。情熱を取り戻さなければ成らない。
窓から青い海を望み、エンドロール。。
あら?終わりか^^;
・・・という体験でしたw
なので何を書くでもないんですけど。
冒頭の渡米はなかなか渋い光使いの画で劇映画的な印象を持たせるのだが、一方でドキュメンタリー的な面も強く、終盤のポルトガル訪問では監督自身がマヌエルを演じていることもあって、新しい学説を跡付けようとする現在のルポのような感覚がある。オリヴェイラ監督によるコロン生家訪問。。(NHKドキュメントとかにありそうな感じ)
そのようにして過去から現在を地続きにしていこうという映画なんだろう。
冒頭のマヌエル渡米はもちろんコロンブスの渡航の再現であり、マヌエルはコロンブスが定説のイタリア出身ではなくポルトガル人だという学説を唱え、そこに祖国の精神のよりどころを象徴的に見出したマヌエル(=オリヴェイラ)が今度はアメリカからポルトガルへと精神回復の凱旋を現在進行形で行ってみせる。
そういう、めぐり巡るエネルギーの移動の試みなのだろう。
と、75分ほどの短い上映時間の大半を寝たワタシは、寝ぼけながら思ったのでしたが、まあ、説得力はないわね。
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初オリヴェイラだったので体調も整えて行ったつもりだったがこのていたらく。悔しいのでパンフを買いシナリオ採録を読み画面を想像するのだった。
国なり民族の精神のよりどころというか構成というか源泉を考えてみるとき、ポルトガルだとコロンブスの時代になるのか~とあらためて思う。ヨーロッパ世界の大国だった13世紀。強い王政と強い商業。そこから現在の自分自身との連続性を意識するのは、その根深さにおいてやはりヨーロッパ的な感じ。
昔世界史の授業では「地理上の発見」とか習ったな。あれはヨーロッパの繁栄とともに帝国主義拡大によるワールドワイドな秩序撹乱という暗黒史でもあるわけで、あの時代に還ろうとか無邪気に考えてるのではないだろうけど。
日本ではどうなんだろうな。
それはこっそり考えることにしようw