Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

ピエル・パオロ・パゾリーニ「アポロンの地獄」「カンタベリー物語」

2005-03-31 16:16:00 | cinema

 


パゾリーニ2本、まずは「アポロンの地獄」

オイディプス王の悲劇を題材とした、史劇+現代劇。

まず、言葉の扱い方がとても独特だった。
台詞はほとんど物語の核ではなく、核となる言葉は文字で表される。
つまり映像がすべてを語る。
かっこいい!

しかしこの不毛で異教的な王国の描写はすごい。
音源は日本ぽい笛と太鼓だったり、ケチャだったりするし、
イメージのゴッタ煮が、赤茶けた荒れ地と青い空をベースに繰り広げられる。
ギリシャ神話のイメージからするとビックリだわ。

そして、その歴史劇を通じて、冒頭と終盤でちょっとだけ出てくる現代の世界で
どんなドラマがあったかが暗示される。
終わりのシーンがすごく重みがある。
こんな構造の映画は観たことないぞ!
一つのドラマで二つの世界を描いちゃうなんて・・・

かっこいい映画でした。

アリダ・ヴァリの存在感がいいです。
よくみるとけっこうそうそうたる役者陣。



 


つぎは「カンタベリー物語」

チョーサー原作の中世寓話世界が、パゾリーニのやりたい放題の腕力を得て、
生々しく雑然と繰り広げられる。
この独特の質感はなんだろう。すべてが薄汚れ、じめじめして、古ぼけて貧相だ。
この質感を貫ける力量はさすがだな。

8つくらいの挿話からなっている作品だけれど、挿話間の区切りはあまり明確でない。
チョーサー本人が狂言回し的に登場して、なんとなく次の挿話へ移っていくのは
面白い。
話が進むについてれどんどん猥雑さと下品さに磨きがかかり、
最後に行く地獄のシーンは見物だ!
これまたなんだか異教的な風情。
この地獄のあと、いきなりFIN!というあっけにとられる終わり方も、
パゾリーニっぽいのかもしれない。

しかし、観た版がボカシだらけだったので残念。
無修正だとやっぱり伝わる物が違ってくるだろう。

パゾリーニ面白いです。
もっと前に観たかったなー

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

J.S.バッハBWV216「満ち足りたプライセの町」

2005-03-31 11:18:27 | music

 

 


バッハのカンタータBWV216のパート譜のファクシミリ版が出版された。
欲しい。

バッハが1728年ライプツィヒ時代に、関税吏の娘の結婚式のために書いた
この結婚カンタータ、
1920年代にオリジナルパート譜が行方不明になり、そしてどういう経緯か、
2004年に、この日本で発見されたという逸話を持つ。(わお!大発見だ)

なので、晴れて日本でパート譜および、日独英3カ国語の解説書が
セットで販売される運びとなったようだ。


・・・私に必要か?
・・・まったく必要ない。
でもカンタータのスコアがなかなか手に入りにくいのも事実。
オリジナル譜のファクシミリ版+解説本として考えると、破格に安い気もするし・・・

でも必要ないから買わない。
・・・買わないんですっ!(T T)b


えー楽譜は、バッハ自身による総譜から弟子が筆写したパート譜。
1901年にウイーンでオークションにかけられた時は
バッハ直筆と思われていたようですが、実は違うそうです。
20年代ころ最後の所有者はメンデルスゾーンの遺族だったとか。
その遺族からここからスペインのチェリストの所有になり、
チェリストと結婚した日本人の手に渡ったとみられているらしい。

バッハ自筆じゃないからいいか(^^;)

コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヤン・シュヴァンクマイエル「オテサーネク」

2005-03-31 10:36:09 | cinema

 

 


チェコの映画・アニメ製作者?シュヴァンクマイエルの長編。

チェコの民話に基づく、グロテスクな作品。
ハリウッドとかだと簡単にホラーに位置づけられた味付けになっちまいそうな内容だけど、
この映画はあくまでシュルレアリスムな映画という微妙な位置づけを保っている。
そこがうれしいし、感心する。

クレジットからすると外国資本も入っていそうなのに・・・なんだイギリスか納得(笑)。

**

W不妊症で子供が欲しい強迫観念にとらわれた奥さん。
慰めるために掘り起こした木の根っこを赤ちゃんに見立てる旦那。
それに本気になっちゃう奥さん。引っ込み着かない旦那。
かいがいしく世話するあいだに根っこは何でも食いまくるトンデモ赤ちゃんに大成長する。

そして夫婦は、隣人たちに隠して育て続けるが、次第にとんでもないことに・・・

隣人の娘アルジュビェトカ(覚えらんないよこの名前)の存在が、
この映画を単なるホラーでなく、おとぎ話と現実の地続き感を持った
不気味なものにしているように思う。
彼女だけは鋭い直感と、まっさかりの内なる好奇心で、身の回りの不思議な出来事を理解し、
ついには「赤ちゃん」と交流し、養護する。
この「幼い母性」の存在がなければ、単なる怪物ものになってしまうだろう。

また、常軌を逸しちゃった奥さんの発する「母性」も不気味な説得力がある。
あくまで「子供」の汚点を認めず、将来へ希望を繋ぎ、障害となるものを断じ切る。
(郵便屋は退職寸前、保健婦は傲慢ゆえに、社会的損失はないとまで言うし)

いよいよ思い切った旦那の最期の「父性」もまた理不尽に胸を打つ。

というわけで、なんだか「母性と父性」のグロテスクという見方で観てしまった。
もちろんファンタジーなんだからどんな受け取り方もありだ。

結末は「描かずして描く」という、最近のグロ物では失われた奥ゆかしさというか、
突き放した感性があって、また納得。

**

ボーナス映像で、この少女役のオーディション・リハーサル風景があった。
なかなか利発そうな女の子だ。変にかわいらしくなく、この役にぴったりだ。

他の長編も観たいなあ。シュヴァンクマイエル中毒。

コメント (6)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

歌録り顛末

2005-03-31 09:31:01 | recording日誌
昨日14時にスタジオ集合。
時間がないのでひとり10分前に強行入室をしてセッティングを始める。

14時にKさん到着。その瞬間、二人で、
開始を13時に変更すればなんの問題もなかった
と気づく。これがいい大人の頭脳だろうか(しかも頭脳2個)

そして今回、やっとマイクとポップガードのセッティングの仕方を理解する。
マイクは上から逆さまにセットするんだよこれ。(こんなことも知らない私たち)
→写真は「理解前」のセッティング(Kさん未承諾画像m(__)m)

今回は2週間くらい前に初めて渡した歌の録音なのでちょっと不安ー
と思っていたら、
ややっ、なかなかいい味出てるよっKさん。
さすがぁ。

途中私のクスリタイムを挟んで(笑)、正味1時間で8テイクくらい録れた。
これだけあればいいバージョンができるでしょ(^^)v

ここでKさんは仕事のため退場。いやお疲れ様ですー。

残り2時間弱を、私一人で、「コーラス」に挑戦。
自慢じゃないが私、歌は完膚無きまでに下手である。

今回は間奏部分のハミングなので自分でやってみる気に・・・
これも全然ダメなテイクは潰しながら、2パート分8テイクくらい録る。
聞き返してみると「うおえぇぇ~」な印象・・・ボツかも・・・

のどもかれてきたしあきらめて撤収にはいる。
20分かけてのんびり機材をばらし、
「終了5分前お知らせストロボライト」を待つ。

いつもはライトが点滅中もまだ演奏してたりして、撤収も本気モード
てっっしゅ~~う!!」ってやつなんだけど、今回は余裕。

しかし今回はオケを全部自宅で仕込んじゃうので、自分は現場で楽器を弾かない。
これはとっても気が楽かもしれない。
うたうほうは大変だな。よくちゃんと歌ってると思います。
感謝->Kさんm(_ _)m

さーて今日からまた恐怖の「テイク選び」あーんど「切り張り」だ。
疲れるんだよなー

しかしくだらない割に長い日誌だよな・・・
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

うそ~

2005-03-29 23:44:53 | recording日誌
いつもはこの時間は果てているのだが、
今日は起きている。
というのも、
さっきO型のKさんから電話で起こされる。
「明日のレコーディング、後半は出られなくなったのー」

・・がぁ~~ん・・

「なので、あっちの曲優先でやりましょう。あの曲は切る感じで歌えばいいのかなぁ?」
「あの曲・・・あの曲??ってえーっと・・・うーんと・・うん・・いやちがう・・」
(ショックの上、寝ぼける私)


結局昨日と今日やったオケの仕込み作業は再び水の泡に
いまからスタジオキャンセルだとどっちみち全額払いなので、
別の作業を考えなきゃあぁぁぁ・・・
・・・でも今日は水の泡にくるまれて寝よう。

まあこういうこともあるさZZZzzzzzzz.....
コメント (3)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

きびしーぞっ

2005-03-29 15:16:44 | recording日誌
明日は2曲を歌録りの予定。

昨日1曲分のオケをMTRに落として、残りは今日やるか・・・
と思い、午前中はパゾリーニなんか観てのんびりしてたら、いきなりメールで、
「サビを最後にリピートして、エンディングもつけましたー」
とかいって、MIDIファイルが送られてきた。

つまり?昨日の作業は水の泡??

のようにファイルを作りなおして、いましがたやっと完成!
ふぅーと息を吐いたところで、またメール。
「ちょっとキー上げてみようかなぁー
となっ?!

そんなご無体な・・・しくしく・・・・
まだ1曲のこっているのにぃ・・・

なんだか妙に仕事モードなテンションになってきたぞ、
これは体に悪い・・・・・・く・く・苦しい・・・・

・・・あ、そうだ薬を飲んでなかったんだ、
これ飲むと夜は仕事にならないんだよなー

よおしあと2時間で勝負だっ!
(いや無理だってば)

O型のパートナーはなかなか厳しいなあ・・・
(私はA型+天秤座)
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

本が欲しいよお

2005-03-29 15:03:44 | book

 

 

 

 


フィリップ・K・ディック賞というのがあるんだそうです。
で2002年の受賞作なんだそうです、「オルタード・カーボン」。

これはもう、
私に「買え!」と言わんばかりの肩書きと装丁!
著者も名前を知らないし、ものすごく気になる本です。
本屋に平積みになっていた。

しくしくお金がないので買えないのだよ・・・・
まっておれ、小金を貯めたら買いにいくからね。

コメント (5)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

敗北!

2005-03-28 19:00:24 | diary
今日は、パゾリーニの「ソドムの市」を借りるぞ!と意を決してレンタルビデオ屋へ。

しかし・・・ない・・・いつもあるのに、今日に限って・・・ない・・・

仕方がないので、「カンタベリー物語」にした。
あとはシュヴァンクマイエルの「オテサーネク」を借りた。

**

そして、近所の古書店に行ったら、
珍しくグレッグ・イーガンの「万物理論」がある!
・・・しかしイーガンの長編を一冊持っていたはず(未読で)・・・
あれは「宇宙消失」だったか「万物理論」だったか・・・
・・・うーん・・・ええいっ買いだっ!!

そして家に帰ると、「万物理論」が2冊になっていたのでした・・・

負けた・・・・

こういう「2冊本」が家には何冊かある・・(T_T)

**

よーし夕飯作るぞ(焼き鳥丼)
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

TIPTREE

2005-03-28 09:40:48 | diary
ジェイムズ・ティプトリー・Jrの小説を読み始めたとたんに、
我が家にあるのを発見しました。
TIPTREEのジャム瓶!

幸先いいかも
コメント (2)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

テッド・チャン読了!

2005-03-28 09:05:59 | book

 

なんだかんだと読む時間がなかったけれど、やっと読み終えた。
期待の俊英テッド・チャンの短編集で、いまのところ唯一の出版物。
今のSFの最先端に触れた思い。どの作品も密度がとても濃い。
着いていくのがやっとな博識と見識は頭が下がる。

やっぱり表題作の「あなたの人生の物語」が好きだな。
認識とか記憶とか時間の概念とかの根本に触れながら、
エイリアンとの接触を通じて人生がどう見えるようになったかを、
泣けるツボを攻めつつ描く。

「理解」は表題作にちょっと似たところがある。
世界を認識/表現するのに、多元的・ホログラフィックな概念を
持ってくるあたりが似てる。

あとは「地獄とか神の不在なり」も面白かったなあ。
天使の降臨がぽこぽこ発生するという設定もおもしろいけれど、
神への愛の真実を知ったとたんに神の不在を痛いほどに知る、という
最後のプロットがなんだかかっこいい。

他の作品も水準が高い。
物語としてのドラマ性という観点では、ちょっと薄いのかもしれないけれど、
着想を掘り下げて物語につなげるところだけで十分に面白い。
これだけのものを書くと、次作は結構プレッシャーなんじゃなかろうか。

これでさらにトータルなドラマ性が高まれば恐ろしいことになるな。
長編に期待しよう。(というプレッシャーがかかってるだろうなーw)


しかし面白かった。大絶賛。


次はティプトリーを読みます!

コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ペドロ・アルモドバル「バチ当たり修道院の最期」

2005-03-27 20:09:01 | cinema

 

ペドロ・アルモドバル監督の旧作を観た。

例によって濃い女性ばかりが登場する。
地味にしかしねっとりと描かれるクレイジーな修道院の生活。

高学歴だけれどなぜかすさみぎみの生活の女性歌手。
ふとしたきっかけで、「駆け込み寺」修道院に居候する。
久々の「外部」との接触によって微妙に揺れ動く修道院の尼僧たちの生活。

まああらすじはそれだけ。(笑)

異様っぷりを日常の怠惰のようにえんえん描いて、終わる。
これはいったいなにを動機に作られた映画なのか??(^^;)

でも面白い。くせになりそうだ。
尼僧長をたたえるパーティーシーンがクライマックスといえばクライマックス。
そこでの歌手の、必要以上に妖艶な歌と踊り。
伴奏する尼僧達の演奏姿が、妙に音楽としっかりシンクロしているところに、
なにかただならぬ静かな気迫めいた者を感じた。

それにしても音楽が濃い!濃い!
「神経衰弱・・・」もそうだったが、既成曲の引用も含めて
やたら濃すぎる!!
これがスペインの感性?

人生を送る上で不可欠な映画か?
そうじゃないだろう(^^;)
でもなんだか濃い澱となって心の中に沈んでいる・・・・

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

退化系

2005-03-27 17:21:31 | ひこうき雲
誕生後かなり経過した飛行機雲
ふつうの雲のふりをしている

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

猫沢エミお気楽レビュー

2005-03-25 12:40:23 | 猫沢エミ

ライブに行ったので盛り上がり気味!なので、今入手できそうな主なCDをレビューしちゃいます。
は個人的な気に入り度を表します。

ではスタート・・・

1 GOLDFISH PIE

最初のフルアルバムです。
初々しい初期衝動につらぬかれた、キュートでエロティックでポップな1枚。
強気だったり弱気だったり、陽気になったりしみじみしたり、
万華鏡のようにいろいろな姿をみせてくれます。
「スクーター」「恋の沈没飛行機」「睡蓮」が好きです。

2 Chelsea Girl

2枚目のアルバム。キュートガールポップでなんとかブレイクさせたいという、
制作側の意図がちょっと勝ちすぎな気もします。
プロデューサやライター陣に渡辺善太郎や朝本浩文を迎えるなど、力入れた感じがします。
内容はかなり女の子向けという気がします。
白いレースにくるまれたジャケ写と盤面デザインが象徴的です。

3 BROKEN SEWING MACHINE

傑作コンセプトアルバム!
恋を巡る喜怒哀楽を、清濁併せ飲む気概をもって、キュートに歌い上げます。
名曲多し!詳しくは過去記事見てね↓
BROKEN SEWING MACHINE

4 Gyan-Gyan

ちょっとアンビバレンツな作品。3つの性格を持つアルバムだと思う。
その1:前作までの喜怒哀楽路線をもった曲たち(「happy song」とか)
その2:当時MISIAへの曲提供で大ヒットの佐々木潤をプロデュース陣に迎え、
    R&Bぽい要素もとりいれたブレイクねらいの性格(「目に見えないもの」)
その3:そしてそれ以上に、ガールポップの枠を乗り越えてゆく瞬間を記録したような、
    新しい方向を示したいくつかの曲が入っていること→これ重要!
    (「Attends」「赤い星」「サンフラワーの歌」とか)
このアルバムで、広いリスナーに訴えるソングライティングができることが示されたんじゃないかなと思います。
でもその一方で、自分の指向する方向に自覚的に進んでいこうという意志も強く表現されているようにも思うのです。


5 SWING

SWING猫沢エミ, 佐々木潤コロムビアミュージックエンタテインメントこのアイテムの詳細を見る


これはシングルです。前作のブレイク狙い路線で打って出たものです。PVもありましたね。
いい曲です。
これでもう前途洋々にも思えましたが・・・猫沢さんはあくまで自分の道を行くのです。

6 GENTIANE

 

これはベストアルバムです。
特筆すべきはアルバムにはない「Attends」のフレンチバージョンが入っているくらいでしょうか。

7 cafe tu ronronnes

猫沢さんはブレイク路線を歩まず、インディペンデント・レーベルから、このアルバムを出します。
フレンチカルチャーの影響、憧れと疎外の混ざったような、切なく楽しいアルバムです。
歌詞もフランス語が主体。サウンドもとってもあんにゅい~なものです。
ガールポップのファンだった人にはビックリのアルバムだったかもしれません。
けれど、このアルバムで猫沢さんの本当にやりたかったことを納得できたファンも多かったのではないでしょうか。
このころ?猫沢さんはパリに居を構えます。

番外編 クローカ

クローカSunaga`t Experienceカッティング・エッジこのアイテムの詳細を見る


番外編ですが、猫沢さんが参加している、須永辰緒のプロジェクトSunaga tExperienceのアルバム。
全編心地いいアルバムですが、その後猫沢さんの重要なレパートリーとなる2曲が入っています。
うち1曲はいとうせいこう作詞の「かすかなしるし」。
大変にいい曲ですが、私はもう1曲のc'est vous sur le pontをさらに押します。


・他にもシングルや、MOMUSさんとのコラボ「MUSH CAT」などがあります。
・BROKEN SEWING MACHINEまでのアルバムは廃盤のようです(T T)中古での購入はできそうです。
・興味がある方はぜひ、このページ経由で買ってください(^^;)

おしまい。


コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

通院医療費公費負担制度について

2005-03-25 10:08:41 | diary




『通院医療費公費負担制度』という制度があります。
精神保健福祉法の32条に規定されています。

内容は、精神疾患に係る外来通院医療費について、
「95%を国が負担し、患者本人の負担は5%」というものです。

精神疾患については、
 ・治療が長期に継続することが少なくないこと
 ・就労できないケースが少なくないこと
等から、32条の制度は患者にとっては、経済的・心理的な負担を軽減する、大切な制度です。

**

現在厚生労働省では、平成17年10月を目途に、この制度の見直しが進んでいます。
見直しの内容は、おおむね以下のとおりです。

 ・患者負担を10%とする。
 ・一定所得以上を有する世帯の患者は30%負担とする。
 ・制度適用対象者範囲の制限(詳細未定)


この改定により、現在この制度の適用を受けている患者の多くが、
負担増を強いられることになります。

改定の視点は「公正かつ応分の自己負担」という名目だと思われますが、
問題は、
多くの患者にとって、かなりドラスティックな負担増になる
という点にあると、私は思います。

**

精神疾患の患者は、通常の通院加療の他に、
デイケアやカウンセリングなどが必要なケースが多く、
想像以上の出費があります。

特に、就労が困難な患者で、家族と同居している場合、
患者は、常に家族への負担要因としての負い目を背負っています。
その状況の中で治療に係る負担が増大すれば、
世帯の状況によっては、極端な場合、
治療を断念するケースさえでてくることが想定されます。

また、精神疾患の性質上、こうした改正による心理的負担が
疾病へ悪い影響を及ぼすことも考えられるし、
当事者がこうした改正に対して異議申し立て等の活動をすることも
通常以上に多大な負担となります。

ストレス社会といわれ、誰でもがなりうる病気として精神疾患が認識されつつある中でのこの改定は、
患者の自立支援の立場に立ったものというより、
単に患者増に対抗する経費削減の枠組みとして検討されているのではないでしょうか。

***

えー、私はうつ病歴1年です。32条の制度自体を最近認識した次第で・・
ちなみに、私はこの制度の適用を受けない状態で治療を続けていましたが、
年間では、年末調整時に医療費控除の申請ができる程度の負担額でした。

というわけで、私の立場としては、この改正に反対でして、
いまとなっては、タイミングとしては遅きに失した感はありますが、
この記事を目にした方に、制度の存在と、改定の意味を考えていただくきっかけとなればと思い、
しばらく、このページをトップに置きっぱなしにしようかと思っています。

署名運動等を行っているグループもあります。
いまからでも、できることをやるか・・・・

<関連サイトへのリンク>
32projectさん

ポヨレボさん

**

それにしても、マスコミはど!う!し!て!こういう問題を扱わないのですか?
ニッポン放送株買収騒動はそんなに大事な事件なのでしょうか。
マスメディアの「公共性」をどうしても信用する気にならないのは、
センセーションばかりを追って、こういうことを扱わないからですよ!

(追記2020:リンク切れのためリンク削除)

コメント (7)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ペドロ・アルモドバル「神経衰弱ぎりぎりの女たち」

2005-03-24 10:04:13 | cinema
神経衰弱ぎりぎりの女たち20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

1987(スペイン)
監督・制作・脚本:ペドロ・アルモドバル
音楽:ベルナルド・ボネッツィ
出演:カルメン・マウラ、フェルナンド・ギリェン他このアイテムの詳細を見る

 


あーびっくりした。
面白いというかばかばかしいというか、変にインパクトのある怪作でした。

ひとりの浮気中年を巡って、偶然に偶然が重なりまくって、
精神状態崩壊寸前の女達がわらわらと、あるペントハウスに集結してしまう。
その偶然の重ね具合がなんとも珍妙で笑える。
タクシーまで同じタクシーに3回も乗ってしまうんだから、筋金入りの偶然だ。
(タクシーのドライバー、ないすがい!)

冒頭の、ヒロイン?の女優と浮気男とがすれちがい、なかなか会話できないあたりの
筋書きはなかなかよくできてる。
映画のアフレコをするシーンや留守番電話などの小道具をうまくつかって、
実際は会話していないのに、シーンを並べてみると会話になっていたりする。
うまいなあ。

でもこれが驚愕のあのカーチェイスに発展するなんて(笑)

登場してすぐに眠りこけちゃって、最後まで眠り続ける奴もいたり、
しかもその人はラストシーンではヒロインと差しで会話してたりして、
この人何で出てきたの???

という、プロットが洗練されているくせに、画面の肌合いや、
登場人物にものすごくクセがあって、全然洗練を感じさせない。
そこがすごい!

アルモドバル監督は今やアカデミー賞外国語映画賞や脚本賞を手にした「巨匠」。
その監督の出世作らしい。

機会があったらおすすめ映画!
笑った笑った


コメント (4)
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする