マップ・トゥ・ザ・スターズ
MAPS TO THE STARS
2014カナダ/アメリカ/ドイツ/フランス
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
脚本:ブルース・ワグナー
出演:ジュリアン・ムーア、ミア・ワシコウスカ、オリヴィア・ウィリアムズ、サラ・ガドン、エヴァン・バード 、ジョン・キューザック、ロバート・パティンソン ほか
クローネンバーグは最高だよ
とためいきをつく。
監督のちからも感じるけど
脚本もキャスティングもすばらしいよね。
ジュリアンを押しのけてメインヴィジュアルに選ばれている
ミア・ワシコウスカのアガサのいかにも含みのありそうな顔はもうもちろんのこと、
朴訥としつつもどこか胡散臭く奇妙であるジョン・キューザックといい
最初に登場したときにおやっいかにも屈折したなまいきなやつだなっと思わせるエヴァン・バード君とか
この母の役をジュリアン・ムーアがやるのはそうとうに困難だろうと納得させるサラ・ガドンの美しさとか
(というかあの登場シーン!)
いちいちが素晴らしく何かをものがたる顔なので
役にあった人を選ぶという単純なことが
こうまでシンプルにすばらしいことなんだなと
あらためて思う次第です。
****
ハリウッド内幕ものという宣伝だったので
前作『コズモポリス』的な成功者の内面の屈折物語かと思ったが
微妙にさにあらず。
過去・記憶・因縁にとらわれ導かれる人々が
不思議なつながりをもってそれぞれの破滅を生きる
トラウマストーリーともいうべきものでした。
近親相姦や母親の呪縛といった過去の消しがたい記憶は
どんなに克服したり忘れたりしたと思っても
内面の奥深くにしっかりひそんでいて
表層の人格の模様を形作っている。
その呪縛は関係なかった人々の間で共鳴するように呼び合い
人々を不吉に結びつける。
そして最後にはそれらの呪縛から誰一人逃れ得ず、
元の鞘に収まるように破滅の道に収斂する。
そういう内面の魔が主題なのである。
それを本作では関係性としての近親相姦や親子の呪縛という事柄に
火や水による死というなんとなくユング的なモチーフも絡めて撚り合わせていて
なかなかに深みのあるものとして表していて
さすがである。
手触りとしては
『コズモポリス』の俗物感+『スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする』の幻想
という印象でした。
特にラストのなんだかなつかしいような気分になるカタルシスの印象でそう思いました。
******
といいつつも全編ハリウッドゴシップ的なネタが満載で
それも面白いのでした。
実名でスターの噂話とかも出るし、
往年の人気女優が落ち目になって必死になる姿とか
子役が天狗になっていい気になってるのもつかのま、次の子役にお株を奪われそうになって嫉妬
とか、
いろいろ。
あと
名前を忘れたがハバナの友人の女優さんが子供をつれていて
こどもがとてもシャイで陰のある雰囲気なのが
とてもクローネンバーグぽい感じがした。
子供の運命は『デッドゾーン』を思い出す感じ。
その子供はたしかマイカという名だったが
マイカが不思議なところで再登場するんだよね。
あれ?と思う。」
ああいう関係性の交差が随所に現れるのが面白いところなんだよね。
とまあいろいろと。
@新宿武蔵野館
MAPS TO THE STARS
2014カナダ/アメリカ/ドイツ/フランス
監督:デヴィッド・クローネンバーグ
脚本:ブルース・ワグナー
出演:ジュリアン・ムーア、ミア・ワシコウスカ、オリヴィア・ウィリアムズ、サラ・ガドン、エヴァン・バード 、ジョン・キューザック、ロバート・パティンソン ほか
クローネンバーグは最高だよ
とためいきをつく。
監督のちからも感じるけど
脚本もキャスティングもすばらしいよね。
ジュリアンを押しのけてメインヴィジュアルに選ばれている
ミア・ワシコウスカのアガサのいかにも含みのありそうな顔はもうもちろんのこと、
朴訥としつつもどこか胡散臭く奇妙であるジョン・キューザックといい
最初に登場したときにおやっいかにも屈折したなまいきなやつだなっと思わせるエヴァン・バード君とか
この母の役をジュリアン・ムーアがやるのはそうとうに困難だろうと納得させるサラ・ガドンの美しさとか
(というかあの登場シーン!)
いちいちが素晴らしく何かをものがたる顔なので
役にあった人を選ぶという単純なことが
こうまでシンプルにすばらしいことなんだなと
あらためて思う次第です。
****
ハリウッド内幕ものという宣伝だったので
前作『コズモポリス』的な成功者の内面の屈折物語かと思ったが
微妙にさにあらず。
過去・記憶・因縁にとらわれ導かれる人々が
不思議なつながりをもってそれぞれの破滅を生きる
トラウマストーリーともいうべきものでした。
近親相姦や母親の呪縛といった過去の消しがたい記憶は
どんなに克服したり忘れたりしたと思っても
内面の奥深くにしっかりひそんでいて
表層の人格の模様を形作っている。
その呪縛は関係なかった人々の間で共鳴するように呼び合い
人々を不吉に結びつける。
そして最後にはそれらの呪縛から誰一人逃れ得ず、
元の鞘に収まるように破滅の道に収斂する。
そういう内面の魔が主題なのである。
それを本作では関係性としての近親相姦や親子の呪縛という事柄に
火や水による死というなんとなくユング的なモチーフも絡めて撚り合わせていて
なかなかに深みのあるものとして表していて
さすがである。
手触りとしては
『コズモポリス』の俗物感+『スパイダー/少年は蜘蛛にキスをする』の幻想
という印象でした。
特にラストのなんだかなつかしいような気分になるカタルシスの印象でそう思いました。
******
といいつつも全編ハリウッドゴシップ的なネタが満載で
それも面白いのでした。
実名でスターの噂話とかも出るし、
往年の人気女優が落ち目になって必死になる姿とか
子役が天狗になっていい気になってるのもつかのま、次の子役にお株を奪われそうになって嫉妬
とか、
いろいろ。
あと
名前を忘れたがハバナの友人の女優さんが子供をつれていて
こどもがとてもシャイで陰のある雰囲気なのが
とてもクローネンバーグぽい感じがした。
子供の運命は『デッドゾーン』を思い出す感じ。
その子供はたしかマイカという名だったが
マイカが不思議なところで再登場するんだよね。
あれ?と思う。」
ああいう関係性の交差が随所に現れるのが面白いところなんだよね。
とまあいろいろと。
@新宿武蔵野館