最近は全然映画ブログではありませんな、ここ。
今回も違いますねえ。
ひさびさに「ウツ記」執筆です。
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昔の栄光を懐かしむような人間ではなかったし、そういう人間でないことが自分にとっての普通だったし、今後もそういう人間になるつもりはなかったのだし、そういう人間にならない努力すら無縁のことだと思っていたのだが、どうもこのところ、以前の自分について思いを致すことがあり、そのことについて書いておこうとなんとなく思うのだ。
というのも、ここ数年間、物事に対する「意欲」が著しく低下してしまい、特に自分がやりたいとも思わないこと(=仕事)に対しては、面白いように意欲が湧かない。これはやる気がないとかそういう水準ではないような気がする。課題や課題の解決に対して意義が感じられない、過程が億劫である、気力が湧かない、体がだるい、論理的思考が働かない、視力が低下したような気がする、ワープロで誤字ばかり打つ、すぐにタバコをすいたくなる、コーヒーが飲みたい、話したことをすぐに忘れる・・etc. と、体中が総動員されて意欲の方向に行かないようにしている、そんな水準だ。
以前は、正確には平成9年1月から平成16年2月までの7年と1ヶ月間には、ワタシは意欲的だった。それはもう意欲的だった。意欲の権化と言ってよいかもしれない。自分の割当だけで飽き足らず、他人の仕事を奪っていた。今思えばかなり嫌なヤツかもしれないが、奪った。くやしかったら奪い返してみろと思っていた。新しい仕事もどんどん自分でしゃしゃり出て引き受けた。事務分担に関わらず引き受けた。悔しかったら自分でしゃしゃり出ろと思っていた。嫌なヤツだ。
先を見越して課題を捉え、分析し、影響範囲を見定め、変更や準備をしなければならないことを明確にし、実施する項目とスケジュールを定め、人のアサインをし、やることが明確になったら一気に押し進めた。結果が将来に及ぼすインパクトも予想し、しかるべき手を打った。
熱に浮かされていたようだった。課題はいくらでも出てきたし、情勢はいくらでも変化した。業界的にも政治的にも。次から次に休む間もあらばこそ。
ついでに子育てもしていた。もちろん母親のほうがはるかにがんばっていたけれど、控えめに言ってもそこそこ父親としてがんばってもいたはずだ。なにしろ近所の人がウチは父子家庭かも?と思っていたくらいで(笑)
仕事が終わらないときはあまり残業はせず家に持ち帰り、子供の相手をした後に深夜にやった。風呂に入っているときに解決策がひらめき「ユリイカ!」と叫ぶようなアルキメデスまがいのこともおきた。(さすがに裸で外は走らない。)
そんなこんなで、当然?上司のウケもよく、度重なる異動時期の到来にも関わらず、異例なほど同一部署に留め置かれ、そして来るべき大プロジェクトに請われて参加することになる。
このプロジェクトではまたよく働いたと思う。最盛期にプロジェクトにとりこまれるはずだったライン係の面子の質が悪かったこともあって、その係がやるはずだった仕事をひとりでやった。ひとりで8人分くらいの仕事をしたように思う。そしてそれは当然のことながら自分で思うほどうまくいくものではなかった。仕事は粗くなるし、期限は滞りがちになるし、あちこちほころんでいるガタガタの自転車操業だったと思う。そういうほころびがまた自分の尺度からして許しがたいものだったのだろう。とうとうワタシは壊れてしまう。請われて残った仕事で壊れてしまったのだ。やれやれ。
あの意欲はどこからきていたのかなあ?
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復帰した今はこうだ。
月曜日は出勤するだけで一日のパワーを使ってしまうので、とてもじゃないが仕事をやる気が起こらない。仕事をしなくてはと思うと体の芯がきゅっと縮む。仕事をするなという体のサインが出る。今日は仕事をするふりをしてサボろう、と思うと、体が少し楽になる。午前中はちょっと我慢しているとなんとか時間をやり過ごせるが、午後は長い。13時半ごろに、ああ、まだ5時間もあるよ~と途方にくれる。いかに自分を失いつつ仕事をしないで済むかを考え、こういう文章を書いてみたりする。まだ14時だ・・まだ14時半だ・・・と思いながら長いときをなんとかやりすごす。15時を過ぎるとちょっと楽になってくる。終わりが見えてくる。16時を過ぎると、本当に終わってしまう。気力も集中力も続かないので、傍目にも脱力していることがわかるだろう。時間はまだあるが、今日の仕事は終わってしまったのだ。自分の中で。時には口にして周りに言ったりする。「今日はワタシ終わってしまったよ」
火曜日は、月曜日の疲れ(笑)で寝坊することが多い。いや、寝坊ではなく二度寝だな。遅刻していく日は体は休まっているし、仕事時間もその分短いので割りと楽である。ちょっと仕事をしてみたりもする。
水曜日になると、また気分はまったりしてくる。このまったり感は金曜日の感じに似ている。もう金曜かと思ったらまだ水曜だよ~というまた違った疲労感に襲われてサボる^^;サボってばかりだ。
木曜日は、週末が目前なのであせって仕事しても仕方ないよな、気分は金曜日だし、とかいってまただらだらする。
金曜日になると、もう今週は終わりだと思い、ちょっと元気になる。また仕事をしてみたりする。
週のうち2日分も働いていないと思う。このご時勢、いつクビになってもおかしくない。上司も処遇に困っているはずだ。このコストパフォーマンスの悪い人間の扱いに。
10年一昔。人間変われば変わるもんである。過去のあの意欲はどこから来ていたのだろう。思うに、意欲が意欲を生んでいたのではないかと思う。力の出し方も思考回路のでき方に似て、同じやり方を何度か繰り返すと、その方向でどんどんパワーが出るように育つ。脳のシナプスのとおりがよくなった経路をどんどん再活用することでさらにとおりがよくなる。意欲を発揮したことが次のパワーにつながり、そのパワーを元手にまた意欲を発揮する。と、そのパワーを元手にさらに・・・パワー発揮のスパイラルだ。
で、今はこのスパイラルがぷっつりと途絶えてしまったのだ。仕事をしないことにすっかり慣れ、そのまったり度がまた次のまったりを呼ぶ。逆スパイラルだ。去年の今頃と比べても去年のほうがまだ意欲的だったような気がする。ぐるぐるとまったりが拡大再生産されて落ちていく。
もちろん意欲的な仕事などできるわけもなく、頭では「これはこうしてこうするべき」とわかりながらも、実際は「まあいいか」と、手抜き、先送り、後ろ倒しの日々である。
今がいいとも思わないが、前の状態がよかったのかというとまたそうでもない。パワーの拡大再生産体制は、短期的にはいい結果を生むが、長い目で見ると持続性がない。あるときぷっつりとその回路は途絶える。その途絶え方が人によっては打撃となってやってくる。単に加齢により能力や体力が衰えるということもあるだろうし、パワー発揮体制が徐々にストレスを蓄積しているということもあるだろう。
今思えば、若いうちはこの回路切断を意識しながらパワーを発揮するのがよいだろう。できればその期間に生産したもので残りの人生を食っていくくらいのつもりでいるとよいのだろう。パワー期はある程度必要であるが、そこに全存在をつぎ込んではいけない。一過性の天の恵みと考え、いつか終わることに備えておく冷静さが必要だ。
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さてと、もはや意欲を取り戻そうなどというのは非常に高次の欲求になってしまったワタシが望むのは、休まずに出勤できる基礎体力と睡眠コントロールなのだ。朝ちゃんと仕事に行き定時にカードを通すこと。これだけだ。
そう再三お医者さんに相談した結果出てきたのが、「安息香酸ナトリウムカフェイン」略して「アンナカ」(笑)。
クスリ全般について劇的に効くということがないワタシなので、あまり期待していなかったのだが、これが意外といいかもしれない。朝置きぬけにアンナカ粉末を飲む。と、これまで朝食後に強烈に眠くて二度寝をしないとダメだったのが、結構起きていられるではないですか!これまでのところ5日連続で無遅刻無欠席である。。。(笑うでない。これがワタシの進歩なのである~)
・・まだ5日かあ・・・これが1ヶ月2ヶ月~と続いていくといいけどね。
意欲がどうたらはそれからでいいや。
しかし、夜は眠剤でドガッと寝て、朝はカフェイン大量摂取でガツッと起きる。
なんか極端だなあ・・・まあ、こういう極端は好きな正確なのでよし。
ああ、長かった~
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