Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

チェンバロでした

2010-09-28 02:50:04 | ちぇんばろ
というわけで、雨の降る2010年9月23日に
我が師匠一門による
チェンバロ演奏発表会がありました。

小さい会場でしたが
音の響きはよく
楽器もよく鳴る楽器で
なんというか
いつもの5倍くらい遠くに伝わっていそうな音がしました。

今回は前述の通り
バッハの平均律第2巻12番
主にプレリュードが醸し出す
「冬の日の薄日」感をなんとか現出させたい!
ということをメインテーマに頑張ったのですが、
午前のリハの感じはなかなかいいでないですか!という風で。
幸先よく。

板紙A4三枚を連結した楽譜立てには
緊張防止用にユニクロでもらったチョッパーのステッカーを貼って。
このチョッパーがなんとも間抜け面でいいんですよねー

お昼はちかくのマックでだらだらして
やはり近所のマルエツでメロンパンを買ったりして。
で控え室でもぐもぐしたりして。

このメロンパンは本気にメロンの香りを出そうとしたものらしく
なかなかのものでした。

とかいっているうちにあっというまに
本番時間になり。
ワタシは12人中5番目の登場でした。

なるべく天上と魂を繋いでいる音楽のことだけを考えるように努め
ほとんどそこにいながら別世界にいるような人間になりつつ
プレリュードを弾き始めると
緊張しつつもなんとなく指が意のままに動き
結果としては、今の自分で望める最良の演奏ができたように思えます。

これは感覚としては
自分人前演奏史上最高に上手く行ったって感じです。
録音したものをきくとどうかわかりませんが
このプレリュードでこの日はもう満足です。

プレリュードを上手く弾いてしまったものだから
次のフーガのときは、「これも上手く弾かねば」と思ってしまい、
そういう邪念を抱くと大概失敗するもので、
フーガは指がこんがらがってつっかえつつ転がるように終わってしまいました。

フーガもまた音楽にただ向き合えばよかったのですけどねー
これはできることならやり直したいですね。タイムマシンで戻って。


ということで、
すばらしき思い出となった発表会でした。

こんなヤツでして


終了後片付けを手伝いつつ、流れで
師匠夫妻のお茶タイムにお邪魔虫でついていき、
そのまま打ち上げ会場へごいっしょしてしまいました。

打ち上げもなんとも楽しいというか
上品というか
みなそれぞれまったくつながりのない人が
チェンバロを習っているという一点だけでつながって
その場にいること
その不思議をみな感じているようでした。

酒類がみなアルコール薄いぞ!とかいうクレームもあったようではありますがw
それはそれで。


よい時を過ごしましたのさ、
という報告でした。




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バッハ平均律クラヴィア曲集第2巻第12番へ短調

2010-09-23 00:56:46 | ちぇんばろ
バッハ:平均律クラヴィーア曲集第2巻(全曲)
レオンハルト(グスタフ)
BMG JAPAN

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今回はなんでピンポイントで平均律第2巻の12番なのかというと
明日(いやすでに今日)ワタシはチェンバロの発表会で
この曲を弾くことになっているのです。

内輪の会とはいえ鍵盤楽器はもう完全にアウェー感満載で
ききききき緊張するなあ^^;

平均律第2巻を選んだのは、単に最近はこれのレッスンを受けているから。
で、12番にしたのは、
●フーガが3声だから(笑)
●割と長めなのでこれ1曲でお役御免となるから(笑)
●曲が好きだから(これは笑わない)

特にプレリュードは好きな人が多いみたい。
それはもう憂いを含んだ曲調で、バロックの憂いの修辞法をしっかり用いている。

冒頭から八分音符のテーマが「ため息の音型」の連続で、
その下では「十字架音型」のバスがゆっくりと歩みを進める
といった感じです。葬送の歩みのよう。

それでも中盤16分音符でアルペジオがおずおずと動き出すと
そこになんともロマンティックな風が吹いてくるんだよねー。
7度とか減7度とかを含んだ和音が動いていくところは
それはもう魂抜かれる系の体験で。

ロマンティックといっても絢爛豪華なロマンじゃなくて
過ぎし日を思う冬の朝の薄日~みたいな?w
何も動くものはなく、魂だけがすっと永遠の世界と繋がっているような

この感じ、この感じの曲はほかにもあるよねえ?
と思い起こしてみると、
●平均律第1巻の同じくf-mollプレリュード
●シンフォニアの同じく3声f-moll
●オルゲルビュヒラインの「Ich Ruf zu Dir, Herr Jesu Christ」Bwv639
他にもあるかなあ・・・
見事に3曲ともf-mollなんですね~~

まちがいなくバッハはそういう曲はf-mollで、というかf-mollならそういう曲、つって書いてましたよね。
(バッハは平均律で調律していたのではない、調性の「民主化」の開拓者なのではないのだなと、こういうところでもわかりますねー)

というわけで、
冒頭にはレオンハルト大師匠のCDを掲げてみました。

明日はこの「冬の日の薄日」を醸し出すべく心身を捧げ、
間違っても、大勢の前で弾くとか間違ったらどうしようとか緊張するよなとか
そういう個人的な些事からは遠く離れて
ただ音楽のために弾くんだもんね。

もんね。
(どきどきどきどき)



****

BWV639というのはあれですよ
タルコフスキー「惑星ソラリス」のあの曲ですよ。
思えばバッハに接近したのもあの映画がきっかけだったかもしれません。

オルガンコラール前奏曲集である「オルゲルビュヒライン」に入っている曲です。
オルゲルビュヒラインの入ったCDは、おそらくワタシが最初に買ったクラシックのCDだったと思います。

J・S・バッハ:オルガン作品集 第3巻 (2CD) [Import]
Hans Fagius
Bis

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アイ・ヴィ・シー

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チェンバロ発表会でよれよれ

2008-10-19 22:47:20 | ちぇんばろ
というわけで、チェンバロ発表会当日を迎えました

二子玉川駅からバスで20分弱
ここは23区か?というくらい緑豊かな住宅街に分け入って
道も細く坂も多く、ちょっとした旅行気分^^;

いや~駅でばったり先生に会ったんでよかったけど
一人だったらたどり着く自信無しでしたわ


会場はかつて某個人の邸宅だったものを音楽ホールとして使用しているもので、
建物全体を写真にとろうとしたら、カメラに納まらん^^;
お金持ちというのはすごいもんだ

なのでとりあえず入り口の写真~


入ると鹿がにらんでます


エントランスホールを上からみたところ~

これが家の玄関だったんだからすごいよ

外壁にはカマキリさんが・・・



で、肝心の演奏ですけどぉ
いや~メンタルが弱くてねえ^^;
もともとメンヘルな人なんだけれどもさあ

リハはよかったんだけど、本番はかなり緊張してしまって
緊張が集中に向うよいときもあるんだけれど、
今回は手がこわばってしまって
前日までの強化練習の成果もむなしく
かなりよれた演奏になってしまいました~

よれよれ

平均律2番を最初にやりましたが、プレリュード左右の指があわず^^;
フーガに至っては途中で大脱線して中断;;
練習したのになあ
スタッカートとスラーがどうこう言ってる場合ではありまへんですたよ(笑)

22番のプレリュードではすこし持ち直し、フーガもなんとかノンストップでいけましたが・・

いや~実力の5割
もともとたいしてない実力の、さらに5割
いや、3割5分くらいか??

しょぼ~ん


メンタルを鍛えるにはどうしたらいいんでしょうか??

このあいだのソニマのライブは平気だったんだけどな~
あのときは克服のために最初からしゃべりに入るという技をつかったからなあ
クラシックの発表会ではいきなりしゃべれないし

・・っつーか、メンタル、鍛えるとかいう段階ではなく
そもそも人並みに回復させようとクスリとか飲んでるんだけどね^^;
(ということで、言い訳にしよう)


なわけで!!
次回は(もしあったら)モアベターよ!(古い)


美しいチェンバロを調律する美しい先生
(お顔をだせないのがもったいないくらいステキ)

先生いろいろとおつかれさまでした


そうそう、打ち上げが!!
打ち上げ、きれいなお姉様方に囲まれて大変幸せでございました、が、
なにやら生き物好きの方が妙に多いことが判明し、
ドジョウの種類やらインコの生態やら、金魚がどのくらい大きくなるとか
はてはウーパールーパーの種類まで、
怒濤のようにもりあがって
すっごく面白かったです(笑)

みんなお友達になりたいステキな人々でした。
皆さんの人生がいっそうすてきでありますように


で、へとへとになって帰還し、
しめに一人スタバにてラテを飲み本日終了。

年明けには今度はベーシストをやることになったので
明日からはそちらのリハビリに入る予定(自転車操業みゅーじしゃん)


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今日もチェンバロの自主トレ

2008-10-18 22:35:13 | ちぇんばろ
いや~
発表会目前のぎりぎり調整のため
ふたたび某所にてチェンバロ自主トレでした

早めに某所についたので&マックのコーヒータダ券があったので
マックでちょいと一服~
と思ったら、がきんちょの妙に多いマックで(特に小学校高学年~中学生ジョシ)
も の す ご く やかましかった。
ありえん。
これが目白の実態か??

室温も妙に高めで、だんだん気分が悪くなりそう~~
外に出て新鮮な空気を吸いたい!!

てなかんじで全然一服はできませんでしたよお



なことはどおでもいいんですが

チェンバロは、今日はちょっと調律が甘めでしたが
(前回のは完璧でした)
前回の反省点をふまえてきっちり演奏を・・・
したいんですが、ぼろぼろ間違えてしくしく;;

その日一発目の演奏を本番一期一会と思って弾くことにしているんだけど、
見事完敗で、これは当日思いやられる~

平均律の2番プレリュードは、音形二度目の頭の音の長さが前回は長過ぎたので、今回は短く。で録音してみたら、今度は短すぎ^^;
長過ぎず短すぎず(あ~むずかし)

2番フーガはだいたいいいので、スタッカートとスラーの使い分けをもっとはっきりさせるよう努力。でもそれに気を取られていると大脱線でどか~ん
あまりシビアにならずに、せめて落ちないようにする方向でどうでしょう??

次22番のプレリュードは意外と問題の多い曲
これはフレージングを徹底して適用してみる。
録音してみたら、おお、これだ!的
ぐっどぐっど
これで当日勝負です

22番フーガは5声なので弾いてる最中はほとんど自分でわかってないんだが、録音聴くとけっこう5声してるじゃ~ん
実は一番だいじょうぶだったりして??


とか、甘~い考えで本番を迎えることになりました
せいぜい楽しんでこようと思います。
(オリンピックの選手がひところよく言っていたな)



ところで、某所の近所をちょっと散歩したら、
なんと、噂の「道が木をよけて通っている」という場所が
すぐ近くにありました!

いや~昔TVかなんかで見たことあるけど
本物みちゃった~




帰りに新規開拓コーヒー屋さんにより
ラテをいただく
おいしかったけどちょっと高かった
店内女子率高し!

さらにタワレコに寄り、昨日mixiラジオで聴いて気に入った
sotte bosseとカヒミカリィを買う
10周年記念で新宿店は15%オフですから

しかも4000円ごとに抽選券(1000円券があたる)
をくれるんで、計算して買ったつもりが、3800円なり~
計算間違った^^;あと200円~~~~

Blooming e.p.(通常盤)
Sotte Bosse,Cana,ナカムラヒロシ,宇多田ヒカル
UNIVERSAL SIGMA(P)(M)

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家に帰って鍋を食らう
(正確には鍋で煮られたものを食らうですが。鍋は食えねえよ)



さあ~~~今日は寝るぞ!
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チェンバロ自主トレ

2008-10-13 00:00:06 | ちぇんばろ
午後はすっきりと秋らしく晴れた土曜日
某所でチェンバロを借りて1時間ばかし自主トレをしてきました。

自分の演奏を録音して、後で聴いてみたんですが、
予想よりはよく出来ていて(自分に甘い)
わりと弾いてる時の感じと音がそんなに離れてはいなくて
まずは一安心。

なんだけど、やっぱり録音を丹念に聴くと、
ここはこうしたほうがいいな、とか
細かく細かくビジョンが見えてくる。
それに、先生がレッスンで仰っていたことが、
ああ、こういうことだったのか~~とにわかに理解が深まったり。
なかなか面白い作業だ。

この反省をもとに来週もう一回、今度は2時間の自主トレ予定。
今度は録音して聴きながら修正しよう
・・でも本番の前日なんだよね、それって
ちょっと遅かりし??^^;


そうそう、チェンバロの発表会に出させていただくことになったのですよ。
人前で鍵盤楽器を弾くのは20年ぶりくらいか?
しかもクラシックの曲を人前で弾くのは初めてという暴挙に
出ることにしたのです。

きっと何カ所か間違えてぼろぼろな演奏になるでしょう。
なんか結果が手に取るようにわかってしまう。。

でも最後まで努力をするのです。
がんばるのです。
(でも宣伝はしません(笑))


某所



それはそれとして!
この某所のチェンバロは、よく調整されていて
とっても弾きやすい、バランスの良い楽器でしたよ!!
普段通っている教室のチェンバロは、なんだったのか??
この楽器なら練習しがいがあるってもんですよ。

先生が「ここ(某所)のチェンバロが基準と思ってください」と仰ってましたが、
だとするとチェンバロの未来は明るいぞっ!!

ああ、チェンバロがほしくなっちゃったなあ~~~~~~~~
(だれか買って)




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電子チェンバロ!?

2008-03-14 02:42:59 | ちぇんばろ
これはどうでしょう??

ローランドでは以前も電子チェンバロを発売していましたが、
これは内容を見るに、まさに次世代のものという感じがします。

本物の?楽器に比べてしまえばおそらく全く別物なのでしょうが、
チェンバロを弾くために家でピアノを弾いている&家が狭い身としては、
これがあるだけでも大分違うのではないかなと。。。

しかしな
いくらなんだろうHow much??
(おそらく買えない)


3月19日ころ発売だそうです。
誰か、プレゼントしてくださいm(__)m







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チェンバロでした

2006-04-11 12:49:48 | ちぇんばろ
凹んでいてもしょうがない。

昨日はチェンバロでした。
月3回、300年の時を隔ててバッハやクープランと出会うのはいい気晴らし。
情熱的に弾いてきました。

バッハはフランス組曲4番を卒業し、1番に突入しました。
d-mollの重厚な響きに魂をもっていかれそうになる。
アルマンド冒頭小節の1拍めのローDに覆い被さる3拍めのC#!
いい曲だなあ。

と調子よく弾いていたら、次のクープランでガタガタ
「指圧感がすごいので、もっと柔らかく弾いてください」
「そこはポロポロと弾かないでタヤタヤと」
う~んよくわからないぞ先生!

****

で、なんとなく先生と世間話をする。

家庭教師のバイト時代に、教え子の女子高生の制服を一式借りて、着て街を歩いたことがあるそうで、なかなか面白い人だ。
セーラー服じゃない制服を着てみたかったんだそうです。
(ちなみに女性ですので。男性が女装じゃありません)

10ヶ月の男の子がいる人で、
将来子供が反抗期になったとき、いやがらせとして、
「家に帰ってきたら、服全部脱いでエプロンだけで出迎えてやる」
とか計画しているらしいです。

面白い人だ。
きっともっといろいろ面白いことを考えているのだろう。
これから毎回つついてみよう。

***

その先生がやってるバンドが4月21日の12時から
新宿パークタワーのお昼休みコンサートに出るそうです。
新宿在勤の方は見に行ってあげましょう。
(それ私です)

そのバンドの人の曲が、6月に公開される「花よりもなお」という映画で使われるそうです。
宮沢りえが出る是枝監督の作品だそうです。
タブラトゥーラが音楽を担当する映画だそうです。
すげ~

****

なんだかチェンバロの記事じゃなくなってしまった・・・・
コメント (3)
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F.クープラン修行中

2006-03-07 13:04:10 | ちぇんばろ
フランソワクープラン クラヴサン奏法



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F.クープランの魅力に目覚めつつあります。
特に「クラヴサン奏法」に載っている8曲のプレリュード。
どれも最初に弾くと、「?」な曲ばかり。
なのに弾きこんでいくと、次第に全体像が結ばれてきて、どれも表情豊かで奥の深い佳作ばかりなのがわかる。

主旨としては、
「本来プレリュードは即興的に演奏されるべきものだが、その天賦の才のない場合にはこうした楽譜をみて弾くのがよい。従っていちおう譜割はしてあるけれども、テンポやリズムはより自由に即興的に弾くべし」
ということらしいので、弾く場合も単に譜面通りに弾けばいいというわけではない。
譜面から読み取ったタイム感を、いかに即興演奏における「間合い」に向けて解体/再構築するか・・・という作業が必要となる。
これがなかなか難しく、しかし快感である。

自分では十分デコンストラクションしているつもりでも、ちょっとした細部で妙に譜割どおりに弾いていることがあるらしく、レッスンの間は主にそういう箇所の指摘に終始する。
演奏することと、演奏しながら自分の演奏を音楽として聴くことの違いを意識しながら、演奏すること・・・この微妙な入れ子感覚が楽しい。

1716年に出版された教則本を通じて、21世紀こんなアジアの片隅でこんな事を学んでいる、この不思議な感覚・・・


家にチェンバロがないのが残念。
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橋本英二チェンバロリサイタル

2005-11-08 12:34:32 | ちぇんばろ
橋本英二チェンバロリサイタルに行ったのを忘れていた。
 2005年11月1日 於:東京文化会館小ホール

橋本氏は60年代からチェンバロ奏者・教育者・研究者として世界的に活躍している演奏家。
で私の母の友人の友人らしい(^^;)
その縁でもう20年近く前から日本でやるリサイタルにはたまに足を運んでいる。
今回も母と聴きに行く。

曲目はこんな具合
 ゲオルグ・ベーム(1661-1733):組曲第8番ヘ短調
 J.S.バッハ(1685-1750):トッカータニ長調BWV912
 J.Ph.ラモー(1683-1764):クラヴサン曲集から
 小鳥のさえずり/旋風/女神ミューズ達の会話/めんどり/ガヴォットと変奏曲
 橋本英二:5の戯れ
 ドメニコ・スカルラッティ:ソナタK20,K53,K98,K158,K159,K412,K413

昔はチェンバロの音を延々聴いているとすぐに寝息を立ててしまっていたものだが、いまは自分がチェンバロを習っているので、逆にその音に妙に目が冴えてしまった。

ベームの組曲は繊細でドイツらしい静謐感のある曲。
2段の鍵盤を使い分けて、濃淡をキレイに出した演奏だった。
バッハのトッカータは、若い頃の作品らしく、即興的楽想の律動。
ラモーは有名な表題付きの小品集。
スカルラッティのソナタ群は、意外なほどモダンな響きで、激情とも言える曲想。

こちらが年を食った分、いろいろなものが聞こえるようになってきたということか。
演奏は、鍵盤を弾くタッチは驚くほどダイナミックで、
でも出てくる音は丸く優しい。
自分が弾くときはまだオソルオソルなので、あのダイナミズムを今度は真似してみよう。

会場で橋本氏の著作を販売していたので買う。(いや、母に買ってもらう(笑))

演奏会後、ロビーで演奏者を取り囲んで談笑する方々のなかに割り込んで、
本にサインをしてもらった。
いつでもどんなときでも私はミーハーなのだ。

取り囲みのなかには、元大臣とかいうお歴々がいたり、花飾りに外務省だかなんだかの名札があったり、妙に世俗な感じを振りまいていたところも、現代におけるクラシック音楽のありようを示すようで、苦笑。
昔なら貴族が取り巻いているといったところか。

買った本はこれ。
バロックから初期古典派までの音楽の奏法―当時の演奏習慣を知り、正しい解釈をするために

音楽之友社


「演奏習慣」とは、60年代ころからの古楽器による古典作品演奏の運動のなかで根付いてきた言葉だ。今では「演奏習慣」の問題を避けてクラシックを演奏することも聴くことも出来ない。(というと言い過ぎかな)
なので、こういうタイトルの本に私は滅法弱いのだ・・・

久しぶりに親にモノを買ってもらう気分を味わった。
懐かしかった。
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クープラン/バッハ

2005-10-25 14:59:52 | ちぇんばろ

今回からフランソワ・クープランの「クラヴサン奏法」のレッスンが加わった。

フランソワ・クープランはフランス・バロック期の作曲家で、ほぼバッハと同時代人(15年ほどクープランの方が先)
鍵盤楽器音楽の分野で大きな業績を残した人。
フランスでは鍵盤楽器をクラヴサンと呼ぶが、クープランの時代のクラヴサンといえばチェンバロのこと。クープランはクラヴサンのために4巻の組曲集と教則本を残している。

その教則本が今回出逢った「クラヴサン奏法」
鍵盤楽器を弾くときの姿勢から始まって、格調高いお言葉がびっしりかかれておりまする。
至極もっともなことも多いが、なかには、ここまで書くか~?という内容もある

・しかめ面を直すには譜面台に鏡を置け
・あまり一点を見つめすぎず、しかしあらぬ方向を向くな

**

しかしチェンバロの先生はあんまりそこに書かれていることには頓着しないようである。
とりあえずプレリュードの1番を弾いてみてください。とだけ。

家でピアノで弾いてみると妙に難解な曲だったけれど、チェンバロで弾いてみると以外と曲っぽい。いいなあチェンバロは。

・すこしテンポを上げて、かつ自由なテンポで弾いてみること
・オーバーレガートの箇所に留意すること
 (括弧表示の部分と、トリルの部分)

**

しかし今までどちらかというとドイツ・イタリア圏の音楽に親しんでいたので、いきなりフレンチの世界に入ると、用語がさっぱりわっかりません。
とらんぶるまんぱんせぽーる・どぅ・う゛ぉわ

・一般的にぱんせ・どぅぶるぽーる・どぅ・う゛ぉわ・どぅぶる、およびとらんぶるまんの長さを決定するものは、その音符の価値でなければならない。

いや、わからないんですけど・・・・

**

クープランの他にはバッハのインベンション
14番B-Durは卒業した。次は5番Es-Dur。
左手のアーティキュレーションが拙いそうです。(だって余裕無し!;;)

もう一曲のフランス組曲・・・やる時間がなかった^^;

レッスン時間は45分なのに、課題曲が3曲あるというのは・・・
ちょっと無理ではないですか?先生;;;

**

先生にもson*imaのCDを進呈。
そしたら先生も趣味でバンドをやっているそうです。これは何とか仲間に引き込んでしまおうかしら(ふっふっふっ)

コメント (2)
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四苦八苦

2005-10-18 10:51:30 | ちぇんばろ

雨のなかチェンバロのレッスンでした。

●まずバッハのインベンション14番B-Dur
どうも鍵盤の幅が家にあるピアノと違うので、特に左手の感覚がムズカシイ。
ミスタッチ続発でしどろもどろ。
これぞしどろもどろという演奏を繰り広げる。

カナシイ;;

●そして同じくバッハのフランス組曲4番
私が使っている楽譜はベーレンライター版
ベーレンライター版にはフランス組曲の2つのバージョンが載っていて、私が弾いているのはそのうちのA稿。
バッハの弟子たちと婿のアルトニコルの写本による伝承版である。

で、先生の使っている楽譜はヘンレ版。版の詳細は不明。

で、この両者、面白いほど内容が異なっている
これはフランス組曲を扱う場合、必ず問題になる点である。
どのバージョンでいくか・・・・
ここを決めてからレッスンに入るべきなのだ。

しかし、先生は初めて気づいたかのように、
これとこれ、バージョンがちがいますねえ」と言いだし、
「最初から弾いてみてください」となり、全曲弾くはめに・・・

れ・練習していません・・・

ふたたびしどろもどろ奏法での演奏を披露するはめに・・・

うまく弾けない日はがっかりしちゃうんですけど・先生・・・・

**

しかし、ピアノで弾けるからといってチェンバロでも弾けるかというと、そうではなかった。甘かった。
今まで意識していなかったチェンバロらしいアーティキュレーションなんぞを意識しながら、間違いなく弾くのは今の私には無理ですぅぅうぅううぅうぅぅぅ・・・・

お医者さんは「自信をなくすようなことはやめたほうがよい」と仰っていました。チェンバロは果たして今の私には「よい」のか?「悪い」のか?

**

次回からクープランもやることになった。
あとインベンションの5番Es-Durも。

クープランの「クラヴサン奏法」買わなきゃいけないんだけど、amazonでヒットしたけど・・詳細がまったく載ってないなあ・・・怪しい
やっぱりお店にでかけて買おう。

 

 

コメント (8)
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チェンバロのレッスンでした

2005-10-04 12:06:54 | ちぇんばろ

 

今使っているテキストはベーレンライターの原典版。
以前は全音から出ていたのだが、今は出してないらしい。

課題だったインベンション2番c-mollは、特訓の甲斐あって、2度弾いたらOKが出た。左手のアーティキュレーションがムズカシイのだ。右手が混んでくるとどうしても左手に気が回らなくなる。

次は14番B-Durに挑戦。この曲を弾いているとなぜかMちゃんのお友達のことを思い出す。まったく脈絡はないのだけれど。
こんなふうに曲を弾くとき、何の脈絡もなく特定の記憶が蘇ることが多い。以前住んでいた湯島の風景だったり、鴨が池に浮かんでいる風景だったり、最悪なことに弾いてると仕事の風景を思い出す曲なんかもあったりする。
子供をイメージ出来る曲なら安心してとりくめる。

一方、並行してやっているフランス組曲6番はなかなか完結しない。
講師が産休明けでもどってきたので、また最初のアルマンドからやり直している。どうも舞曲というのは、私のテクニックに余るような気がする。ところどころ3声になったり4声になったり。いっぱいいっぱいで弾くと、「もっと余裕をもって弾きましょう」と言われる。「余裕ありませ~ん」というと「余裕があるように聞こえるように作りましょう」とも言われる。これは逆に言うと、余裕のある形を作ることが出来なければ余裕があってもダメということかしら?なるほどぉ

フランス組曲6番は最後のジークが最大の難関である。
この曲だけはどうしたわけか全く指がまわってくれない。
やんわりと逃げをかましてみたが「弾けないということはありませんから」
釘をさされてしまった。ぷすっ。

4月からレッスンを初めてもう7ヶ月目だ。早いなあ。
その間、講師の方には赤ちゃんが産まれ、昨日はBCG、今度4ヶ月検診だそう。その間も仕事で子連れで飛行機に乗ったり、一時保育に預けたりと、短い産休+育休で大変そうである。もうちょっと余裕のある社会でないといかにも少子化は免れないよなあと実感する。

たった45分の短いレッスン。

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チェンバロです

2005-05-09 09:39:54 | ちぇんばろ
愛・地球博の疲れはこの土日でかえって増幅された感があり、へたり気味です・・・
なので、ここでチェンバロの話でもします。(なんでだ?)

**

こいつは、今レッスンを受けているところにあるチェンバロです。
フレミッシュ・チェンバロの一段鍵盤のやつです。
4オクターブで、(たぶん)8ft+4ftと8ftの切り替えレジスターがついています。

フレミッシュチェンバロというのは、16世紀末~17世紀前半にアントワープで活躍したリュッカースさん一族が製作・量産したタイプを原型とするものなんだそうです。
が、このタイプはその後18世紀中に時代に合わせた改造が盛んに行われたそうで、現存するリュッカースのチェンバロもほとんど製作時の原型はとどめていないそう。
(この改造は「ラヴァルマン」と呼ばれるそうです)

で、もちろん写真の楽器は「当時のもの」ではなくて、だいたい20年前くらいに日本でつくられたコピーです。20年前に新潟の演奏家が使っていたモノがめぐりめぐってここにあるそうです(^^;)。

というわけで、私が弾いているのはどうやら、
「フレミッシュタイプ1段鍵盤(ラヴァルマン)のコピー(made in Japan)」ということになりますね。

でこのチェンバロ、思いの外やっかいでした。
ピアノ(打弦)とちがって、撥弦という機構を持っているせいで、
鍵盤の高音部は割と軽目なのに対し、低音部では「どっこらしょ」と押さないと
音が出てくれません。
しかも鍵盤によって微妙に堅さがまちまちなのです。

なので、家でピアノで練習していっても、実際にチェンバロを弾くとボロボロ(-_-;)

ちょっと調整すればなんとかなりそうな気もするんですけどー
○○楽器さんお願いしますよぉレッスン代高いんだからー

で、今はバッハのインベンションとフランス組曲に取り組んでいます。
先生はラモーとかヘンデルとかを薦めていたんですが、私が無言のうちに
バッハ以外は弾きたくないオーラ
を出したらそれが効いたようです。


というわけで、いま月3回新宿の某楽器に通っています。
実は職場にかなり近く、時間帯も終業時刻ころなので、
知ってる人に会いそうでかなりスリリング(笑)
でもリハビリだからね(勝手な言い分)
コメント (2)
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