Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

「リアリティ・ツアー」デヴィッド・ボウイ

2016-03-28 00:58:09 | music
リアリティ・ツアー [DVD]
クリエーター情報なし
ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル


引き続き追悼中なのですが、
ようやくこのDVDを観まして、
いやーすごいパワーですねえ。
かっこいいし、歌がしっかりしていて素晴らしい。

激しい曲は特にアルバム「リアリティ」に入っている曲などは
アルバムよりもアグレッシヴですごいです。
あのギターループで始まる曲をライブで実際にループ使ってやっちゃう演奏陣も強力だ。
一流というのはこうもすごいのか。

演奏陣ということではみんなすごかったんだけど
ベースのゲイル・アン・ドロシーさんがお気に入りですよ。
ベースもちろん上手い上に、ベース弾きながらボウイとデュエットして
強力な歌唱力を披露するんだよね。
楽器弾きながらアンダープレッシャー歌うというのはある意味これはフレディ超えだよね(笑)

ゲイル・アンはしかもワタシと同い年であります。
ワタシも頑張らないといけませんね。
彼女はアウトサイドツアーに参加していて
次のアルバム「アースリング」にも参加してるので、
あれですね、ツアーやってバンドが気に入ってアルバム作ったというやつですね。
ボウイをその気にさせる実力が素晴らしいな~


いろいろ感想はあるけど
Life On Mars?のくだりで涙腺崩壊寸前になりまして
追悼面では満ち足りた感じでございます。

歌詞和訳が字幕であるので
ボウイの深みを感じさせて良いですよー

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「蜂の旅人」テオ・アンゲロプロス

2016-03-19 03:19:42 | cinema
蜂の旅人 [DVD]
クリエーター情報なし
TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D)


蜂の旅人O MELISSOKOMOS
1986ギリシャ/フランス/イタリア
監督:テオ・アンゲロプロス
製作:ニコス・アンゲロプロス
脚本:テオ・アンゲロプロス、ディミトラス・ノラス、トニーノ・グエッラ
撮影:ヨルゴス・アルヴァニティス
音楽:エレニ・カラインドロウ
出演:マルチェロ・マストロヤンニ、ナディア・ムルージ ほか


アンゲロプロスとしてはいつものスケール感や
圧倒的な霊感、歴史の重み、などなどをあまり感じさせない作品でした。

主題はいろいろ過去を背負った老齢に達する男に訪れたメランコリーということになるだろう。
メランコリーをもたらしたいろいろなもの、ではなくて
メランコリーとはなにか、でもなくて
メランコリーな状態そのものが主題。
つまり徹底的に内向きなのですね。

マストロヤンニのスピロさんは映画の冒頭
娘の結婚パーティーのシーンからとにかくメランコリック。
いきなり。説明もなしに。
動作はにぶく、パーティーを楽しんでもいない。
ひとり別室にいって水道の蛇口から水を飲んだりしている。

スピロさんはメランコリーを充実?させるために
職も辞し、ひとり養蜂の旅に出るらしい。
どっぷりひたりこむつもりなのだ。それがメランコリーの特徴よね。

ところがそのひたりこみを阻害する要因が現れる
変に人懐こい若い女。
女だからいいじゃんと思わないこともないけれど、
最初はそれはひどく気分を害する存在なのだよね。メランコリーの人にとっては。
場違いというか異世界すぎる。

ウツのときに宴会に引っ張り出される気分かな。

そういう無理やりのぶつかりあいと混合がこの映画をけん引する力になっていくのだけど。
メランコリーなのにだんだん女にひかれていく自分もいるわけで
そういう両義的なありかたがまた愚かしくはらだたしい
ということで、憂鬱と劣情のあいだをゆっくり行き来しながら
二人の旅は行きつくところにいきつくのです。


いきつくところが閉館した映画館だというところは面白いですが
なんで映画館なんだろう。

あと肝心な養蜂のお仕事はあまり描かれないのがちょっと残念。
養蜂に打ち込む姿はメランコリックサイドに深みを与えたかもしれない。
でも仕事が観念的な扱いになっているところはアンゲロプロスらしいところかもしれない。
『エレニの帰郷』の彼の映画仕事みたいな扱いだ。
そういうふうにモチーフの具体性をさりげなく失わせることで
リアリズムっぽいのに実はファンタジーという彼の作風のトーンを生み出しているのかもしれないな。



マストロヤンニは動きがぎこちない印象
どの作品をみてもなにかぎくしゃくしていると思う。
動きが印象を支配するという点でジャック・タチっぽい(強引)


@自宅DVD
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「毛皮のヴィーナス」ロマン・ポランスキー

2016-03-01 02:09:47 | cinema
毛皮のヴィーナス [Blu-ray]
クリエーター情報なし
ポニーキャニオン


毛皮のヴィーナス [DVD]
クリエーター情報なし
ポニーキャニオン


毛皮のヴィーナスLA VENUS A LA FOURRURE
2013フランス
監督:ロマン・ポランスキー
原作戯曲:デヴィッド・アイヴス
脚本:デヴィッド・アイヴス、ロマン・ポランスキー
音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演:エマニュエル・セニエ、マチュー・アマルリック


軽妙なポランスキー
デヴィッド・アイヴスの戯曲の映画化ということで、
登場人物はふたり。
場面も劇場内のみ。
シンプルだけどこういう映画を撮るのは勇気がいるんじゃないかなあ(と推測)

主にふたりの話芸というか、会話と劇中劇のセリフで魅せるのだけど、
特にエマニュエル・セニエ演じるワンダが、マチュー君演じるトマを
そしてわれわれ観客をどうからめとっていくのかというところがキモですね~

大変な役割をエマニュエルはよく演じていたと思うのよね。
まあベタかもしれないけれどもやはり
最初登場した時からのなんともうざったい女性が、
セリフ読みが始まった瞬間に、はっとするような変貌を遂げる。
その瞬間をうまく演じていたし
うまく演出していたよね。

それからこの戯曲の面白さであるとおもうんだけど
劇中劇?となっているマゾッホのなかでの二人の関係性が
ほのかにワンダとトマの関係とダブってくる感じになってくるところね。

トマが電話で奥方だか彼女だかに、今日は帰れない
って言うあたりの怪しさがいい感じ。
ほぼエロティック丸出しな場面はないんだけど(二人は触れもしないって感じなんだけど)
でもとてもエロティックな映画よね。
電話とか衣装とか舞台装置とか舞台照明とか
そういうものを絡めて二人の関係がどんどんエロティックになっていくのが
ステキね。

そうそう、人物が二人しかいない分、
照明とか装置が語るのよね
それに音楽が主張が強いw
(デスプラさんなのかデプラさんなのかいまいちわからないけれど売れっ子ですね。)


ポランスキー好きだわあ♪
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