Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

バッハとの出会い〜「Die Kunst Der Fuge BWV 1080」Gustav Leonhardt

2022-09-08 23:36:50 | music

久々にバッハを巡る個人的な思い出

バッハについてほとんど何も知らないころに、
とりあえず何を聴くもんだろか?と思い、いろいろ巡ったなかで、
「フーガの技法」なんか凄そうだしチェンバロだし
ということで購入したレオンハルト盤

当時はもちろんアナログ盤で、真っ黒いジャケットだった。

最初は同じような曲調(まあ当然だ)でしかもチェンバロの単調な響きなので
なんだかよくわからん〜と聴いてはうとうとしていたものでした。

それでも、ある日突然全体がなんとなく抵抗なく入ってきて、
ああこういう音楽なのかと目覚めるので、音楽を根気よく聴いてみるのは面白い。

それで、レオンハルトによる解説がライナーにあって、
楽譜としては楽器指定のない四声だが、鍵盤楽器を想定したものだろうということが書いてあったので、
よし、とばかり楽譜を買いに行ったが、
2手に編曲(?)された楽譜というのが当時なかなか見当たらなく、
ようやくヘンレから出ていることを突き止め購入。

で、自分でも弾いてみるものの、手も足も出ず。
まあ仕方がない、と楽譜をみながら音源を聴いたりして、親しみを深めていったわけです。

その後もめげずにときおり引っ張り出して弾いているうちに
月日が経つについてそこそこ全部弾けるようになってきたので、
人間積み重ねが大事なのだなあ。。

今はベーレンライター版で2手のもの(しかも新バッハ全集版)が買える。

*******

レオンハルトはフランス風のContrapunctus6で、
16分音符をイネガルというよりはかなり付点で跳ねるように演奏している。
これは他の声部との関係などの面で、合理的な理由があるとは思うが、
これをかなり譜面通りに弾いている演奏もあって、
正解というのがあるのかしら?

というようなあれこれ考える楽しみがあるですね。
楽譜に親しむと。

ということで、60年代の録音なんだが、そんなに時代を感じない。

 

 

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「ポーラX」レオス・カラックス

2022-09-04 21:34:42 | cinema

これも観たのは結構前になってしまったので、
雑感メモ程度で。。

公開時に観損ねて、依頼機会をずっと伺っていたものの
ことごとく見逃してしまった「ポーラX」

「アネット」公開にあわせた回顧上映でついにみることができましたぜ。

(あとは「マルメロの陽光」エリセ←機会があったら絶対見るぞ)

******

で、
例によってオープニングがすごく変

あのどかんどかんは正直今のところなんなのかよくわかっていない。
よく考えたら何かがわかるかもしれない。

(でもカラックスいつもそんな感じかも)

それに続く謎のスプリンクラーからのクレーン撮影(と思う)も不思議

ストーリー的に暗いというのもあるが、
どうやら父親の所業に由来する暗さが
主人公と「姉」の人生に影を落としていることが匂わされる以外に
なにも理由というか事件というか必然性がないのに
生きているだけでどん底に落ちてゆく
そういう恐ろしさがみなぎっている。

「姉」と出会う森の暗さ
森を彷徨うシーンの視界の不明瞭さ
都会の殺伐とした空気
子供が殴られるシーンの視点(なんと殴るやつの視点)

バイクの疾走シーンの(いつもの通りの)禍々しいアングル
(カラックスのバイクシーンはいつも他に類のない異様さがある)
主演俳優の事故と重ね合わせているのか、
バイク事故の持つ変な意味合い

奇妙な夢、暗闇のベッドシーン
謎のロック・ノイズ・オーケストラ

メルヴィルの原作以上に
カラックス的な暗さが炸裂(というか充満)している

恐ろしい。。

***

スコット・ウォーカーのサウンドトラックもとてもよい。
機械が巡ってきたらサントラ欲しい。

シャルナス・バルタスはリトアニアの映画監督であり、
彼の作品にカラックスが出演したこともあるが、
バルタスのパートナーというかミューズ的な存在が
「姉」役のカテリーナ・ゴルベワであった。

ゴルベワは後に(というかポーラXの時点で既に?)カラックスのパートナーとなり
早逝している。

カラックスはゴルベワの娘を養女とし、
娘は「ホーリーモーターズ」「アネット」に出演して(というか少し写って)いる。

という話のようだ。

@ユーロスペース

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