湘南発、六畳一間の自転車生活

自転車とともにある小さな日常

Broken Bicycles

2006年09月17日 | 日常生活
トム・ウェイツの歌に、Broken Bicyclesというとっても物悲しいメロディーの曲がある。先日ふとしたときにこの曲のことを思い出した。で、「壊れた自転車」なんていったいどんな詩なのだろうかと気になって調べてみたら、これがなんとも迫力のある重たい歌詞で驚いてしまった。とくにサイクリストにとってはその情景がものすごくリアルに目に浮かぶだけに余計に胸が痛むような気がした。

というわけで是非ともこのBroken Bicyclesの歌詞をここでご紹介してみたい。

壊れた自転車 切れて垂れ下がった古いチェーン
錆び付いたハンドル 雨曝しのまま
誰にも必要とされない物のために
誰かが孤児院を作らなきゃ

9月は7月を思い出させる
そろそろさよならをいう頃
夏は去り 私たちの愛は残る
壊れた古い自転車のように 雨曝しのまま

壊れた自転車 家族には内緒
だってトランプがスポークに貼ってあるから
芝生に投げ出された骸骨みたいに放ってある
片方がなくなった車輪がまわることはない
季節はすぐに移り変わるのに
いつもそれを忘れてしまう


壊れて放っておかれている自転車に見事なまでに自分の悲しい気持ちを重ね合わせている。サイクリストであればこの詩に描かれている情景を実に良く理解できるのではないだろうか?放っておいたために駄目にしてしまった自転車。錆だらけでレストアする気も起きないようなかつて大切にしていた愛車。愛していた人が去っていったあとに、庭にある雨曝しになったままのそんな自転車が目に入る。それはなんと物悲しい光景だろうか・・・。そして車輪がひとつだけになってしまったそんな自転車のスポークには何かの印のようにトランプが張り付いているのである。きっとそのトランプは秋の寂しい風に吹かれて頼りなげに揺れたりもしているのだろう。あぁ、なんて切ないのだろう。頼むから僕の自転車のスポークにはトランプを貼り付けないで欲しい。もし面白半分に僕の自転車のスポークにトランプを貼り付けていくような人間がいたならば、僕はその人間を絶対に許さないだろう。

ところでエルヴィス・コステロがスウェーデンのメッゾ・ソプラノ歌手アンネ・ソフィー・フォン・オッターと共演してこのBorken Bicyclesとポール・マッカートニーのジャンクをひとつの曲としてまとめあげて歌っているのだけれども、これはひじょうに良いです。是非聴いてもらいたいところなんですが、自分でも何で買ったのかわからないようなこんなアルバムを持っている人はほとんどいないような気がするのでちょっと残念です。


雨の夜にいくつかの自転車ソングを聴いてみた

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