自転車仲間であり、いつもお世話になっているメガネ屋さんの店主であるakiraさんと赤岳に登ってきた。
最初の計画では常念岳に向かう予定だった。しかしやってきた寒波のせいで、北アルプスあたりは予報が晴れから曇りにかわってしまった。なので、まだ晴れ予報の八ヶ岳や奥秩父あたりで日帰りできるどこかの山に登りましょうと、茅ヶ崎を出発した。赤岳に決めたのは、中央高速に入ってからだった。他の候補は、位置的標高的にまだもう少しのあいだ登れそう。赤岳もまだ大丈夫だとは思うけれど、標高的にこのあたりでは冬の訪れが早いほうだろう。ならば、今のうちに登ってしまいましょうということになったのだった。
中央道からは南アルプスとそして富士山がばっちり。朝日を浴びたそれらの姿に気持ちが昂る。しかしもう少し進んで八ヶ岳が近づいてみたら、なんと八ヶ岳は雲がかかっている。一応晴れの予報だったので、赤岳に決めたのに。大丈夫だろうか?akiraさんからは、「今からでも甲武信ヶ岳間に合いますよ」といったことばも。信州側からの甲武信ヶ岳という案にも僕がひかれていたからなのだけれども、ここまで来たらやはり赤岳でしょう。晴れなかったとしても、それはそれで経験値を高める山行になるはずと思い、結局赤岳に向かうことにした。
歩き出しは美濃戸口ではなく、赤岳山荘から。美濃戸口以降は荒れた道で、僕の車、そして僕の運転ではきついかなと思っていたけれど、楽勝だった。さすが。
ガスのなかではないけれど、頭上には厚い雲。森の中は暗く、そして寒い。決して雰囲気が悪いわけではないのだけれども、今日は青空は無理かもしれないとお互い思わざる得なかった。
天気はそんな感じではあったけれど、苔に覆われた木や岩のなかを歩くこのコースはとても良い感じだ。天気の良い休日であればもっとたくさん人がいるのだろうけれど、そんなに人が多くないのもいい。行者小屋まではそんなに道が険しくないこともあり、楽しく歩くことができた。
これもナナカマドなのだろうか?ガスのなかの赤というのもなかなかいいなと思った。
宮崎駿の世界みたいですね、とakiraさんに言われて気づいた景色。確かに。声かけてもらって良かった。
こちらもakiraさんに言われて気づいた苔の実?自然のなかを歩くのはやはり面白いなぁ。
行者小屋あたりはかなり冷え込んでいた。そしてこのあたりまで来ると頭上だけではなく、周囲も薄っすらとガスに包まれた。ベンチに座って、冷たくなった手で補給をしたりしながら、これはやはり今日は青空は無理だなとほとんど確信したところで、隣のベンチの男性が同行者に「山頂あたりでは晴れると思うんだよな~、賭けようぜ」と言っているのを聞いて、その前向きさに驚く。これはさすがに青空には賭けられないでしょ。
行者小屋からは文三郎道を行く。地蔵尾根よりこちらのほうが険しい印象があったので、文三郎道から登って、地蔵尾根を下るというほうが安全かなと思ったのだ。
行者小屋からはずっと急斜面。でも気温は低く、また風も少しあるので、汗はほとんどかかない。
少しずつ標高をあげながら、気づいたらハイマツが凍りつきはじめているではないか。まだ10月13日なのに。
周囲はすっかりガスに覆われている。頭上では強い風が吹いているようで、やたら雲の流れがはやい。そんななか、時折薄い雲越しに太陽の姿が見えたり、雲の切れ目からほんのわずかだけ青空が覗いたりはした。
そして周囲のガスが薄くなると、
木々には霧氷が。この時期、こんな景色はまったく想像していなかったので、これはこれで気持ちが昂ってきた。
このあたりで、中岳との分岐まで登って引き返してきた人たちとすれ違う。分岐あたりでは体が飛ばされそうな風が吹いているという。
そんな話を聞いているうちに、少しずつ青空が見えはじめ、
今まではまったく見えていなかった中岳の姿も見えはじめた。ガスは依然として濃いけれど、引き返す気にはなれない。とりあえず分岐まで行って決めましょうと、このまま登り続けることにした。
秋の山登りに来たのだけれども、
辺りはどちらかというと冬の気配。これはこれでラッキーではないか。そしてこれで青空になったりしたら・・・
ガスのなかに太陽。
さぁどちらの勢力が上回るか。
分岐の標識にはエビの尻尾が。確かに冷たくて強い風が吹いているけれど、引き返すほどではない気がする。天気も少しずつ良くなっている気もするし、ここから頂上まではもうそう遠くないはずなので、相談して頂上に向かうことにした。
だんだんと青空が優勢になってきた。
強い風が吹く中、凍てついた斜面を登るakiraさん。絵になる景色だ!
空をすごい速さでガスが流れる。少し早い寒波に化粧をほどこされた周囲の景色がとても格好いい。
赤岳にして今日は大正解だったようだ。
左に小さく見える登山者の姿と見比べると、なかなかのスケールだということがより実感される。
このあたりで、akiraさんが高度の影響か肺の痛みを訴えはじめた。まさか肺水腫ということはないだろうし、頂上まであと少しなのでakiraさんなら頑張れるはずと思ったけれど、無理そうであれば引き返すので言って下さいと伝えて、akiraさんのペースで山頂を目指してもらった。えっと下山後、「あのとき全然引き返す気なかったですよね」と言われてしまったけれど。いやぁ、akiraさんなら登れるはずって信頼していたってことですって。
岩場を登って山頂を目指す。
なんかすごく格好良いんですけど。
ホント、いい日に来れた。
登ってきた岩の斜面。
そして頂上まであと少しの踊り場で姿をあらわした富士山。青空、そして周りの景色も見えてきたじゃないですか。行者小屋で賭けようと言っていた人、すごいなとakiraさんと笑いあった。
そして最後の岩場、
階段を登り、
青空にかわった山頂にakiraさんと一緒に立った。やった~
山頂からの景色。大展望とはいかなかったけれど、候補だった奥秩父方面は良く見える。あちらはずっと晴れだったのかな。でも、やはりいろいろな景色が楽しめた赤岳で今日は正解だったのだと思う。
こちらは川上村方面。中央奥に見える岩々した山塊は妙義の山だろうか?
そして見下ろした黄葉。
またガスが濃くなってきた。もしかしたら最高のタイミングで頂上に立てた?
赤岳頂上山荘は冬の気配。
先週の穂高にもこんなのなかったけれど、北アルプスは少なくとも今日は冬の気配ではなく、初冬の景色になっているだろうな。
下山は慎重に。見えて来た展望荘。記憶していたより、急な斜面だった。
稜線を離れる前に富士山と、
奥秩父の山々の姿を目に焼き付けた。
地蔵尾根と横岳との分岐。嘘でしょ?と言われそうだけれども、近づくまで小柄な女性が休憩しているのだと思っていた。目の前はガス、そして冷たい風が吹いているのでおかしいとは思ったのだけれど。
こちらも記憶していたより、ずいぶんと急な斜面だった。ただそんなには長い下りではなくて良かった。
せっかく火器の準備をしてきたことだしと、行者小屋に戻ってきて温かいものと一緒に最後の補給。自分のカップ麺に加えて、多めに持ってきたというakiraさんからおにぎりとサンドイッチをもらって、すっかり満腹になってしまった。
登るときは見えていなかった横岳周辺の山々、
そして主峰である赤岳。
樹林帯に入る前にしっかり目に焼き付けた。
帰りはさすがに疲労を感じながら来た道を歩いた。紅葉はやはり陽射しがあったほうが映えるなぁ。
途中、岩場で足を滑らせて、転倒を避けるために変な挙動をして、後ろのakiraさん大笑い。しばらくそれをネタに2人で笑いながら歩いた。
そして16時過ぎに駐車場に帰着~。いやぁ、お疲れさまでした。寒波のおかげもあり、充実感いっぱいの印象深い山行になりました。
最後はすっかり青空にかわっていた。周りの木々を眺めながら帰り支度。
お疲れのところ、帰りも運転はakiraさんにお願いしてしまった。さすが、僕の運転とは全然違う。この軽がこんな走りをするとはまったくもって思っていなかった。楽しい1日をありがとうございました。またよろしくお願いします!
最初の計画では常念岳に向かう予定だった。しかしやってきた寒波のせいで、北アルプスあたりは予報が晴れから曇りにかわってしまった。なので、まだ晴れ予報の八ヶ岳や奥秩父あたりで日帰りできるどこかの山に登りましょうと、茅ヶ崎を出発した。赤岳に決めたのは、中央高速に入ってからだった。他の候補は、位置的標高的にまだもう少しのあいだ登れそう。赤岳もまだ大丈夫だとは思うけれど、標高的にこのあたりでは冬の訪れが早いほうだろう。ならば、今のうちに登ってしまいましょうということになったのだった。
中央道からは南アルプスとそして富士山がばっちり。朝日を浴びたそれらの姿に気持ちが昂る。しかしもう少し進んで八ヶ岳が近づいてみたら、なんと八ヶ岳は雲がかかっている。一応晴れの予報だったので、赤岳に決めたのに。大丈夫だろうか?akiraさんからは、「今からでも甲武信ヶ岳間に合いますよ」といったことばも。信州側からの甲武信ヶ岳という案にも僕がひかれていたからなのだけれども、ここまで来たらやはり赤岳でしょう。晴れなかったとしても、それはそれで経験値を高める山行になるはずと思い、結局赤岳に向かうことにした。
歩き出しは美濃戸口ではなく、赤岳山荘から。美濃戸口以降は荒れた道で、僕の車、そして僕の運転ではきついかなと思っていたけれど、楽勝だった。さすが。
ガスのなかではないけれど、頭上には厚い雲。森の中は暗く、そして寒い。決して雰囲気が悪いわけではないのだけれども、今日は青空は無理かもしれないとお互い思わざる得なかった。
天気はそんな感じではあったけれど、苔に覆われた木や岩のなかを歩くこのコースはとても良い感じだ。天気の良い休日であればもっとたくさん人がいるのだろうけれど、そんなに人が多くないのもいい。行者小屋まではそんなに道が険しくないこともあり、楽しく歩くことができた。
これもナナカマドなのだろうか?ガスのなかの赤というのもなかなかいいなと思った。
宮崎駿の世界みたいですね、とakiraさんに言われて気づいた景色。確かに。声かけてもらって良かった。
こちらもakiraさんに言われて気づいた苔の実?自然のなかを歩くのはやはり面白いなぁ。
行者小屋あたりはかなり冷え込んでいた。そしてこのあたりまで来ると頭上だけではなく、周囲も薄っすらとガスに包まれた。ベンチに座って、冷たくなった手で補給をしたりしながら、これはやはり今日は青空は無理だなとほとんど確信したところで、隣のベンチの男性が同行者に「山頂あたりでは晴れると思うんだよな~、賭けようぜ」と言っているのを聞いて、その前向きさに驚く。これはさすがに青空には賭けられないでしょ。
行者小屋からは文三郎道を行く。地蔵尾根よりこちらのほうが険しい印象があったので、文三郎道から登って、地蔵尾根を下るというほうが安全かなと思ったのだ。
行者小屋からはずっと急斜面。でも気温は低く、また風も少しあるので、汗はほとんどかかない。
少しずつ標高をあげながら、気づいたらハイマツが凍りつきはじめているではないか。まだ10月13日なのに。
周囲はすっかりガスに覆われている。頭上では強い風が吹いているようで、やたら雲の流れがはやい。そんななか、時折薄い雲越しに太陽の姿が見えたり、雲の切れ目からほんのわずかだけ青空が覗いたりはした。
そして周囲のガスが薄くなると、
木々には霧氷が。この時期、こんな景色はまったく想像していなかったので、これはこれで気持ちが昂ってきた。
このあたりで、中岳との分岐まで登って引き返してきた人たちとすれ違う。分岐あたりでは体が飛ばされそうな風が吹いているという。
そんな話を聞いているうちに、少しずつ青空が見えはじめ、
今まではまったく見えていなかった中岳の姿も見えはじめた。ガスは依然として濃いけれど、引き返す気にはなれない。とりあえず分岐まで行って決めましょうと、このまま登り続けることにした。
秋の山登りに来たのだけれども、
辺りはどちらかというと冬の気配。これはこれでラッキーではないか。そしてこれで青空になったりしたら・・・
ガスのなかに太陽。
さぁどちらの勢力が上回るか。
分岐の標識にはエビの尻尾が。確かに冷たくて強い風が吹いているけれど、引き返すほどではない気がする。天気も少しずつ良くなっている気もするし、ここから頂上まではもうそう遠くないはずなので、相談して頂上に向かうことにした。
だんだんと青空が優勢になってきた。
強い風が吹く中、凍てついた斜面を登るakiraさん。絵になる景色だ!
空をすごい速さでガスが流れる。少し早い寒波に化粧をほどこされた周囲の景色がとても格好いい。
赤岳にして今日は大正解だったようだ。
左に小さく見える登山者の姿と見比べると、なかなかのスケールだということがより実感される。
このあたりで、akiraさんが高度の影響か肺の痛みを訴えはじめた。まさか肺水腫ということはないだろうし、頂上まであと少しなのでakiraさんなら頑張れるはずと思ったけれど、無理そうであれば引き返すので言って下さいと伝えて、akiraさんのペースで山頂を目指してもらった。えっと下山後、「あのとき全然引き返す気なかったですよね」と言われてしまったけれど。いやぁ、akiraさんなら登れるはずって信頼していたってことですって。
岩場を登って山頂を目指す。
なんかすごく格好良いんですけど。
ホント、いい日に来れた。
登ってきた岩の斜面。
そして頂上まであと少しの踊り場で姿をあらわした富士山。青空、そして周りの景色も見えてきたじゃないですか。行者小屋で賭けようと言っていた人、すごいなとakiraさんと笑いあった。
そして最後の岩場、
階段を登り、
青空にかわった山頂にakiraさんと一緒に立った。やった~
山頂からの景色。大展望とはいかなかったけれど、候補だった奥秩父方面は良く見える。あちらはずっと晴れだったのかな。でも、やはりいろいろな景色が楽しめた赤岳で今日は正解だったのだと思う。
こちらは川上村方面。中央奥に見える岩々した山塊は妙義の山だろうか?
そして見下ろした黄葉。
またガスが濃くなってきた。もしかしたら最高のタイミングで頂上に立てた?
赤岳頂上山荘は冬の気配。
先週の穂高にもこんなのなかったけれど、北アルプスは少なくとも今日は冬の気配ではなく、初冬の景色になっているだろうな。
下山は慎重に。見えて来た展望荘。記憶していたより、急な斜面だった。
稜線を離れる前に富士山と、
奥秩父の山々の姿を目に焼き付けた。
地蔵尾根と横岳との分岐。嘘でしょ?と言われそうだけれども、近づくまで小柄な女性が休憩しているのだと思っていた。目の前はガス、そして冷たい風が吹いているのでおかしいとは思ったのだけれど。
こちらも記憶していたより、ずいぶんと急な斜面だった。ただそんなには長い下りではなくて良かった。
せっかく火器の準備をしてきたことだしと、行者小屋に戻ってきて温かいものと一緒に最後の補給。自分のカップ麺に加えて、多めに持ってきたというakiraさんからおにぎりとサンドイッチをもらって、すっかり満腹になってしまった。
登るときは見えていなかった横岳周辺の山々、
そして主峰である赤岳。
樹林帯に入る前にしっかり目に焼き付けた。
帰りはさすがに疲労を感じながら来た道を歩いた。紅葉はやはり陽射しがあったほうが映えるなぁ。
途中、岩場で足を滑らせて、転倒を避けるために変な挙動をして、後ろのakiraさん大笑い。しばらくそれをネタに2人で笑いながら歩いた。
そして16時過ぎに駐車場に帰着~。いやぁ、お疲れさまでした。寒波のおかげもあり、充実感いっぱいの印象深い山行になりました。
最後はすっかり青空にかわっていた。周りの木々を眺めながら帰り支度。
お疲れのところ、帰りも運転はakiraさんにお願いしてしまった。さすが、僕の運転とは全然違う。この軽がこんな走りをするとはまったくもって思っていなかった。楽しい1日をありがとうございました。またよろしくお願いします!
あと一時間早かったら山頂は真っ白だったかもですね。
私のペースが遅くて良かった!?(笑)w
お蔭さまでエピソードが多くてとっても楽しい登山でした。
文三郎道は二度と登りたくないって思ったけど、また登って阿弥陀岳も回りたくなってます。不思議ですが、それだけ魅力ある山を楽しめたってことですね!
運転は任せてくださいな、また行きましょう♪
終わってみれば、ベストなタイミングの山登りだったように思えます。行者小屋から頂上までの登りはもちろんのこと、登山口から行者小屋までの往復も、それぞれ違った陽射しの違った景色を堪能できましたから。
ペースはまったく遅くなかったですよ!僕もバテ気味でしたから。そして終盤は気味ではなく、完全バテてました。あの挙動を疲労のせいにするわけではありませんが(笑)
きつかったですが、あんな景色を見てしまうと、どうしてもまた行きたくなっちゃいますよね。ホント印象に残る山行になりました。
凍てついた岩場を登っていくakiraさんの姿が格好良くてしびれました。
またよろしくお願いします!
あぁ~赤岳よ!僕も何時か行くから待ってってね!
って感じで読ませてもらいました~♪
macoさんの山歩き、楽しく読んでます。前回の赤岳は残念でしたが、展望荘から引き返せるのは強さだと思いました。外遊びは何よりも安全第一。不安があったら撤退が正解だといつも思っています。
3000m近い標高なので、確かにありえなくもないのでしょうが、この時期八ヶ岳でこんな景色になるなんてまったく想定外でした。山を甘く見てはいけないとあらためて思い知らされました。まだ大丈夫と思ってしまうからか、この時期の気象遭難って何気に多いですし。
ただ通常は10月いっぱいは秋山として登れる山ですし、最初からこういう天候もあり得ると準備しておけば、無理は禁物ですし登頂できるかは別ですが、対処は可能だと思います。いずれにせよ、山は逃げませんので、どんと構えてコンディション良さそうな日にぜひ!