自転車とともにある小さな日常
湘南発、六畳一間の自転車生活
2015.10.06 ぎりぎり秋の穂高へ 2日目
日付がかわる前、ひどい体の震えで目覚めた。熱があがる前のような嫌な感じの悪寒。しつこい喉風邪が治り切っていなかったのでもしかしたら熱が出るのかと少し不安になったのだけれども、あらためて寝袋にしっかりくるまっていたら震えも寒さもおさまった。良かった。
夜中の2時半頃。水分を控えていたにもかかわらず、トイレに行きたくなった。しばらく我慢をしていたのだけれども、朝までは到底もちそうもない。外は月明りと星のきらめきのおかげか、まったくの暗闇ではない。これならと思って、そこそこ距離のある小屋のトイレに向かおうとするが、不安定な石ばかりの道を歩くのはやはり難しく、しばし瞬く星を眺めてからテントに戻り、どうしてものときはと考えていた手段をとることにした。
夕飯に食べたアルファ米。お湯を注いでつくるわけだから、当然入っていたビニールに水を入れても問題はない。なんとか危機を乗り越えた。
そんなこんなで迎えた朝。朝食はすでに済ませていたので、コーヒーを淹れて、モルゲンロート目当てに外に出た。
そしてコーヒーを飲みながら朝日に照らされた周りの山々を眺める。こちらは奥穂。
奥穂から涸沢岳、涸沢槍。
涸沢小屋の向うは涸沢槍から北穂。
マイテント越しに奥穂。20年以上前に買ったテント。残念ながら今回が最後になりそうだ。あちこち不具合がでている。
それにしても素晴らしい景色だ。淹れたときは熱々だったコーヒーはあっという間に冷めてしまったのだけれども、その冷めたコーヒーを飲みながらしばらく見入ってしまった。
下山は、パノラマコース。名前の通り、素晴らしい景色のなかを歩くコースのようで楽しみにしていた。
で、実際これが素晴らしいコースだった。コースの入り口にあったように、所によっては前日の岩場以上に危険じゃないかと思った場所もあったのだけれども、景色も雰囲気もほんとうに素晴らしかった。
まずは振り返った穂高方面。穂高の山々はもちろんだけれども、涸沢を穂高方面からとは別の角度で上から眺められるのが良かった。
そして昨日は見ることができなかった槍ヶ岳。ここまで槍ヶ岳を見ずには帰るのはやっぱり残念だったので、見れて良かった。
ただコースはちょっと難しい場所もある。たくさん人歩いていたけれど、天気悪い日は避けたほうがいいかもしれないし、雪のある時期は少なくとも僕には絶対無理だと思った。
岩々した場所も悪くないけれど、こういう雰囲気のほうが好きかもしれない。
槍をアップで。殺生ヒュッテ、肩の小屋もしっかり見えていた。こうして見ると殺生ヒュッテまでもかなり険しくてちょっとびっくり。
贅沢なくっきりとした青空と、秋の終りを感じさせる葉の少なくなった木。
自転車でも山歩きでも、次の景色への入り口ではいつもわくわくだ。どんな景色が飛び込んでくるのだろう、と。
あぁ、こちらも好きな景色だ。
青空に映えるナナカマドの実。
振り返るとまだ見えている奥穂~涸沢岳~北穂。
このあと下る道に金色の光が射し込んでいた。
湧き出てきたガスもまたよし。
さらなる展望を求めて屏風の耳に向かう。
雲海。
屏風の耳は人がいっぱいだったので、人のいない小ピークまであとほんの少し歩いた。
前穂~吊尾根~奥穂と歩いてきた場所が良く見えた。実感はあまりなかったけれど。
最後しっかり目に焼き付けよう。
分岐からは黄色い斜面の下り。
まだ先は長いのに、すでに余韻に浸りはじめていた。
だんだんと黄色から緑へ。
もう少しで横尾からの道に合流。
その手前で脇の森のなかでざわめきが。前を歩いていた女性の体が強張る。決して小さなざわめきではなかったので、僕も焦った。結局猿だったのだけれど、結構びびった。
休まず行けるかなと思っていたのだけれども、疲れが出てきたので徳沢で休憩。サッポロ一番味噌ラーメンに餅を入れて食べたのだけれども、うまかったなぁ。食後は贅沢にコーヒー。僕はここのテン場の雰囲気が好きなのだ。
補給後は、近づく終わりを残念に思いながら上高地まで歩いた。
そんなふうに感じることってあまりないのだけれども、山旅が終わってしまうのがすごく残念だった。
それだけ充実した山歩きだったからなのかもしれないな。
考えていた場所が駄目で、直前に決めた穂高&涸沢だったけれど、心も体もものすごく満足できた。最近は軽装での山歩きばかりだっただけに、久し振りのテント泊も、当然荷物は重かったけれど、とても楽しかった。いい山登りができて良かった。
夜中の2時半頃。水分を控えていたにもかかわらず、トイレに行きたくなった。しばらく我慢をしていたのだけれども、朝までは到底もちそうもない。外は月明りと星のきらめきのおかげか、まったくの暗闇ではない。これならと思って、そこそこ距離のある小屋のトイレに向かおうとするが、不安定な石ばかりの道を歩くのはやはり難しく、しばし瞬く星を眺めてからテントに戻り、どうしてものときはと考えていた手段をとることにした。
夕飯に食べたアルファ米。お湯を注いでつくるわけだから、当然入っていたビニールに水を入れても問題はない。なんとか危機を乗り越えた。
そんなこんなで迎えた朝。朝食はすでに済ませていたので、コーヒーを淹れて、モルゲンロート目当てに外に出た。
そしてコーヒーを飲みながら朝日に照らされた周りの山々を眺める。こちらは奥穂。
奥穂から涸沢岳、涸沢槍。
涸沢小屋の向うは涸沢槍から北穂。
マイテント越しに奥穂。20年以上前に買ったテント。残念ながら今回が最後になりそうだ。あちこち不具合がでている。
それにしても素晴らしい景色だ。淹れたときは熱々だったコーヒーはあっという間に冷めてしまったのだけれども、その冷めたコーヒーを飲みながらしばらく見入ってしまった。
下山は、パノラマコース。名前の通り、素晴らしい景色のなかを歩くコースのようで楽しみにしていた。
で、実際これが素晴らしいコースだった。コースの入り口にあったように、所によっては前日の岩場以上に危険じゃないかと思った場所もあったのだけれども、景色も雰囲気もほんとうに素晴らしかった。
まずは振り返った穂高方面。穂高の山々はもちろんだけれども、涸沢を穂高方面からとは別の角度で上から眺められるのが良かった。
そして昨日は見ることができなかった槍ヶ岳。ここまで槍ヶ岳を見ずには帰るのはやっぱり残念だったので、見れて良かった。
ただコースはちょっと難しい場所もある。たくさん人歩いていたけれど、天気悪い日は避けたほうがいいかもしれないし、雪のある時期は少なくとも僕には絶対無理だと思った。
岩々した場所も悪くないけれど、こういう雰囲気のほうが好きかもしれない。
槍をアップで。殺生ヒュッテ、肩の小屋もしっかり見えていた。こうして見ると殺生ヒュッテまでもかなり険しくてちょっとびっくり。
贅沢なくっきりとした青空と、秋の終りを感じさせる葉の少なくなった木。
自転車でも山歩きでも、次の景色への入り口ではいつもわくわくだ。どんな景色が飛び込んでくるのだろう、と。
あぁ、こちらも好きな景色だ。
青空に映えるナナカマドの実。
振り返るとまだ見えている奥穂~涸沢岳~北穂。
このあと下る道に金色の光が射し込んでいた。
湧き出てきたガスもまたよし。
さらなる展望を求めて屏風の耳に向かう。
雲海。
屏風の耳は人がいっぱいだったので、人のいない小ピークまであとほんの少し歩いた。
前穂~吊尾根~奥穂と歩いてきた場所が良く見えた。実感はあまりなかったけれど。
最後しっかり目に焼き付けよう。
分岐からは黄色い斜面の下り。
まだ先は長いのに、すでに余韻に浸りはじめていた。
だんだんと黄色から緑へ。
もう少しで横尾からの道に合流。
その手前で脇の森のなかでざわめきが。前を歩いていた女性の体が強張る。決して小さなざわめきではなかったので、僕も焦った。結局猿だったのだけれど、結構びびった。
休まず行けるかなと思っていたのだけれども、疲れが出てきたので徳沢で休憩。サッポロ一番味噌ラーメンに餅を入れて食べたのだけれども、うまかったなぁ。食後は贅沢にコーヒー。僕はここのテン場の雰囲気が好きなのだ。
補給後は、近づく終わりを残念に思いながら上高地まで歩いた。
そんなふうに感じることってあまりないのだけれども、山旅が終わってしまうのがすごく残念だった。
それだけ充実した山歩きだったからなのかもしれないな。
考えていた場所が駄目で、直前に決めた穂高&涸沢だったけれど、心も体もものすごく満足できた。最近は軽装での山歩きばかりだっただけに、久し振りのテント泊も、当然荷物は重かったけれど、とても楽しかった。いい山登りができて良かった。
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
« 2015.08.04 ... | 2015.10.05 ... » |
パノラマコースは何年か前に歩きました。槍穂高が見えるのはやっぱりおー!ってなりましたよ。
徳沢への下りが急で長くて1週間筋肉痛になったのは内緒です。
パノラマコース歩いたことあるんですね!
今回まで全然こんな道があるなんて知らなかったのですが、素晴らしいコースで驚き、嬉しくなりました。槍穂のほぼ全容が見える、まさに大パノラマ堪能コースのように思えました。
だからこそ、平日にもかかわらず結構たくさんの人が歩いていましたが、コース的にはなかなか怖いところもありますよね。しっかりつかめる岩がない分、前日の岩場よりちょっと怖かったりもしました。
コメント頂いて、テツさんのブログを検索してみたのですが、パノラマコースの記事見つかりませんでした。残念(^^;
そう、あと下りはホント長かったです。だいぶ疲労でて、徳沢ではのんびり大休止でした。
ちなみに、赤岳のエントリーで書いた甲武信ヶ岳の信州側からのコースにひかれているというのは、テツさんのエントリーに影響を受けて以来です。いつか歩けるといいなぁ。
ピークは目指さず、上高地から涸沢でテント泊、帰路がパノラマでした。涸沢から見たモルゲンロートがめちゃくちゃ素敵だったのを覚えています!
甲武信もぜひ!水源を辿るルートも素敵ですが、十文字峠を絡めたら周回コースで楽しめそう。紅葉の秋か、シャクナゲ咲く初夏とか♪
それは見つからないわけですね(^^;
そうとは知らず、テツさんの山旅のエントリー見ながら6月の平標とか他にもいろいろ行きたくなってしまいました。
パノラマはまた歩きたくなる素晴らしいコースですね。全然知らない道でしたので、家出る直前に見たヤマレコの記録にあらためて感謝です。
甲武信ヶ岳の信州側のコースは、来年以降の宿題です。はい、鼻の季節化か紅葉の時期がいいなぁと思っております。もちろん十文字峠も絡めて。