『夢屋国王』の農作業の前線基地である『第2サティアン』は、オーナーのメンテナンス不足により、ただ今開店休業中であります。この一週間、出稼ぎ先の業務のトラブルで疲れてしまい、厄落としと気分転換に地元の同級生と『薪の宴』を催す計画を立てたのでありますが、バッテリーは充電されておらず、発電機は寒さで動かない。さすがにロウソクの明かりだけでは、鍋といえども料理をするのに心もとなく、友人『ノロ君』が所有する『第1サティアン』に会場を変更し、飲み会の段取りを始めたのであります。
そんな中、突然のエリア情報と地震…高畠町は、せいぜい震度3~4程度と思われるのでありますが、テレビから流れる「津波警報」とチラつく白い雪に、2年前の震災の記憶が甦るのであります。しかし、この間、地震慣れしてしまったことも事実であり、次に大きな余震が来るのではないだろうかと不安になることもなく、テレビで繰り返し流されるテロップやアナウンサーの呼びかけ、揺れの状況映像に嫌気が差してくるのでありました。
『夢屋国王』が味付けをする「豚キムチ鍋」と「山形青菜漬け」で、オヤジ4人の酔いも回った頃、『フレッツ光W君』が『第1サティアン』にノコノコと営業にやって来たのであります。自分たちの息子と同じ歳栄えのW君は、退屈するオヤジ4人の絶好の餌食となり、営業方法や言葉遣いひとつ一つに、次々とダメ出しをされてしまうのであります。彼の営業マニュアルでは、お客様からの飲食の提供を受けてはいけないことになっているらしいのでありますが、外回りで冷えているであろう身体を暖め、空腹を満たせというお客様の善意は素直に受け入れろなどと強引に食べさせ、美味いだろうと念を押すのであります。(決して、不味い味付けでは無かったはずでありますが…^^;)
そして、オヤジからの逆質問…
「今回の選挙に興味があるかい?」(夢屋)
「正直、興味無いですねぇ。」(光W君)
「…俺たちも君と同じ年齢の頃は、そんなに選挙に興味は無かった。しかし、若者たちの将来の夢さえ描けないような日本を選択してしまったのは、自分たち大人たちの無責任な選択の結果かも知れないし、その責任の一端は自分たちにもあるのかも知れない…。」(夢屋国王の講釈は続く…^^;)
オヤジたちの空腹を満たす「豚キムチ鍋」が、霜降り米沢牛の「しゃぶしゃぶ」に変わったところで、人間の欲望は果てることが無いのだから、次なる美味しい物を求めて不平不満を語るでありましょう。親の愛に庇護されて育ち、学び、社会に出て結婚し、子どもが生まれ、子どもを育て、子どもも社会に参加するようになる。そして、いつの日か孫が生まれ、年老いて朽ちていく…。当たり前のことが当たり前のように繰り返されていくこと。そんな当たり前の日常を求めるために選ばなければならない…小さな声ではあるが、そんな小さな声が叶って欲しい…『夢屋国王』も年老いて来たのでありましょうか?