知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
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ロシアのウクライナ侵略があぶりだしたもの

2022年05月02日 | 国家論
 現在の国際システムがおかしい
ということが明らかになりました。

 世界は、みんな平等。
 人種に優劣はない。
 人権を尊重しなければならない。

ロシアや中国でさえ、これらのことを口にします。

ただ、ここ数年で、
 実際は、自国優先、自国民族の優越、人権より国体重視で動いている
ということが明らかになりました。

ロシアは、今回のウクライナで、
中国は、香港の言論弾圧と武力での制圧で、
 多くの人の生命、身体、自由(言論を含む)といった人権を侵害しています。

これに対し、
 国連は機能しない。

ロシアも中国も常任理事国で、拒否権を持つからです。

では、これらの国に対し、
 強硬路線で対応できるか
というと難しい。

理由は、
 核保有国であり、その数は、地球を滅ぼすことができるほどの数だからです。

武力で制圧しようとして、
 共倒れの覚悟で核を打ち込んできたら、制圧しようとした国家は無事ではいられない。

第二次世界大戦で、
 日本に核兵器が2発も撃ち込まれたのをニュースで見ていた海外の要人は何と思ったか?

 我が国も、核を持たねばならない。

その後、
 核開発が進み、ソ連、イギリス、フランス、中国などが、研究開発を進め、核保有国となります。

その結果、アメリカなどの核保有国は、どう思ったか?

 このまま、核保有国を増やしてはならない。

1963年、国連で、核拡散防止条約が採択されます。
68年に調印、70年に発効。

つまり、すでに核保有国である国連の常任理事国のみが核保有を許され、
 他の国を核によって、制圧できる特権を手に入れた
ということです。


これが、現在の国際社会を構成しているというのが、現実です。

俺は、持つけど、お前は持つな。
 お前のものは、俺のもの。俺のものは、俺のもの。
という、ジャイアン並みの理論なわけです。

普通に考えて、
 おかしい
と思うはず。

平和主義者は、
 核拡散防止条約は、核兵器を廃絶するためのものだから、いいことだ
と勘違いしています。

そうであれば、1970年から50年以上たっているのに、
 米・ソ(現ロシア)の核兵器の数は対して減っておらず、中国はむしろ数を増やしている
ということの説明はできません。

核保有国=常任理事国は、
 権力の象徴である核を手放すことなどできない。

弱肉強食の国際社会では、それがルールです。

このあたりのことを理解していた
インド、パキスタンは、調印せず、その後、核保有国となります。

唯一、この5か国のみが核保有国かつ常任理事国であることを正当化する根拠は、
 この5か国が、世界の警察官として、世界の国々の正義のために活動する
という信頼が根底にある場合です。

日本人がよく使う
 アメリカに、世界の警察の役割を期待する
のと同じです。

ただ、アメリカでさえ、金がかかるのに、見返りがない世界の警察の役割には消極的になってきています。
かつては、
 共産主義を拡大しない
という反共産主義思想のもと、警察として、共産主義化しそうなエリアに介入していっていたわけですが、
 もはや、米ソ冷戦には勝利したため、警察機能を果たす必要がなくなっている
からです。

 日本人は、アメリカに過度に期待しすぎており、一種のアメリカ信仰が根付いています。
日本に何かあれば、
 アメリカがすぐに助けてくれる!
 そのために、アメリカの国債を買ったり、アメリカのいうとおりに国連で決議したり、お金を出したりしなければならない。

国家として、あまりかっこいいとはいえません。

 自分の国は、自分で守る。
そのために、
 必要なことをしていく。

ウクライナの必死の戦いはこのことを物語っています。
これが、国家というものです。


国連の仕組みや核拡散防止条約がおかしいのであれば、
 他国と協力し、変革していく必要がある
わけです。

もはや、
 ロシアと中国を見てみれば、核保有国・国連の常任理事国が一番危険な存在である
ということは証明済みだからです。

国連の改革は、常任理事国をなくし、理事国による多数決とし、拒否権も撤廃する。
重要事項は、株式会社の議決のシステムのように、特別決議は3分の2など決議のレベルをあげればよい。

核拡散防止条約は、
 核兵器の廃絶に向けたプランニングを義務化し、
 核兵器の開発、化学兵器の開発、クラスター爆弾など人道的に許されない兵器の開発は、すべての国家で行わないようにする。

これに反する国家に対しては、
 全世界で経済制裁を徹底し、
 その国内部の反乱勢力を手助けし、国家体制の変革を誘導する。

第二次世界大戦での戦勝国による世界統治の仕組みを
 多くの国家が平等に、自国の安全を担保できる仕組みに変えていく。

そのためには、
 自らの権益を手放すことはできないので、常任理事国以外の国々が一致団結して変革していかざるを得ない
わけです。

ただ、
 今の日本では無理です。

日本は、安全保障条約の下、事実上、アメリカの指揮監督下にあるからです。

憲法9条を変えなければならない理由は、
 日本は、自分の国さえ守れない
からです。

そんな国が、国連の変革を提案しても、だれも聞いてはくれません。
親に小遣いをもらって、養ってもらっている人が、
 弱者救済、格差是正の政策のために、活動しましょう
といっても、
 まずは、自分の生計を立てろよ
と言われるのと同じ。

憲法では、自衛のための「戦力」も認められていない。
「自衛力」と「戦力」は異なると、解釈し、強引に、正当化していますが、かなり苦しい。
これで納得するのは、
 実務を知らず、机上の空論で喜んでいる学者ぐらい
です。

自分のことは自分できるような
 自律的な国家になって初めて、他国から信頼もされるし、尊敬もされるようになる。

今の日本は、アメリカの核の傘下に入り、
 アメリカの言いなりになっている
ため、
 国際社会からは、信頼もされない
わけです。

このあたりは、イラク戦争で自衛隊を派遣できなかったことで明らかになっています。
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