知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

国家崩壊論 4 富の偏在

2010年01月24日 | 国家論
フランス革命、ロシア革命。

革命は、富が偏在し
 市民の不満が爆発
したときにおこります。

今回の民主党政権の誕生を、
 選挙革命
と言われる方もいます。

確かに、市民の不満が爆発して、
 行動を起こした
という点では、同じようなものです。


フランス革命では、王制を倒した後、ジロンド(穏健派)が政権を担うものの長くは続かず、急進派のジャコバン派政権へ移行することになりました。

そして、ナポレオンの帝政に移行します。

これは、市民の側からみると、
 王政に対する不満→穏健派による政権→急進派による政権→民意による帝政


これは、民主党政権が民意を捕まえ切れなければ、
さらに、急進的な政権へ移行する可能性があるということです。

ただし、歴史的に、ナポレオン帝政が民意を失って失墜するという流れをたどることからすると、
 その後にできる急進的な思想を持つ政府
も、崩壊することになるはずです。

ナポレオン帝政においては、
 民意は間違いを起こす
こともあるということがうかがえます。

ムッソリーニやヒトラーを選んだのも
 民衆
です。


富が偏在すれば、民意に不満が起こります。
その不満を吸収できれば、
 ナチスのように指示が低かった政党も支持を伸ばして政権を取れる
ということです。

民主主義で、一番大切なことは、
 国民が知的に成長していないといけない
ということです。

この点は、
 ソクラテスは民意により死刑に処せられた
ことなどからも分かります。
「ソクラテスの弁明 プラトン著」


国民が知的に成長するためには、富の極端な偏在が生まれないようにし、
 すべての国民に学ぶチャンスが与えられている
ことが必要となります。

教育格差により、衆愚政治を招くおそれがあります。
為政者の実現不可能な約束により、簡単にだまされてしまうからです。

マスメディアも、国家権力の情報をそのまま垂れ流しているだけで、
自分で調査する能力がなくなってきています。

現在の各新聞の政治部は特にその傾向が強く、執筆者がいれば済むような状況です。

本来の「記者」は、
 記事を自分で見つけて、調査して正確性を担保したうえで
 分かりやすく正確な記事を書く
という職責があるわけですが、

権力者から、
 「こういうことをいってますよ。」
 「この事件は、あいつがやったことで間違いないよ。」
 「取材源は内緒でね。」
と言われて、そのまま記事に書く。

 被疑者Aは、昨夜の取り調べにより、●●と供述している。

こういったリークにより、
 簡単に情報を操作することができるようになる
わけです。

こういった情報操作は、太平洋戦争の大本営発表でよく使われました。
中国のメディアが、国家に都合の悪いことは報道しないのとも似ています。

それにより、
 国家に対する相手が、一方的に悪いというイメージを植え付ける
ことができるようになります。

その結果、
 有利にことを運ぶ
ことができるようになるわけです。

民主党が情報源について調査するというようなことをいっており、
メディアは、検察に対する圧力だ。と批判しましたが、
 メディアが情報操作に協力しているおそれがある
というなら、それも大きな問題があるということを
 国民は知っておかなければならない
と思います。



富の偏在により、
 大多数の貧しいものと少数の豊かなもの
がいる場合、
 豊かなものを痛めつけることにより、支持を得る
ことができることになります。

村上ファンド、ホリエモンたたきは、
 通常の裁判
からすると、かなり異様な報道だと思います。
取り上げ方や、論評、悪者に仕立て上げるために裁判とは関係のない意図的な情報提供など。
これにより、
 金持ちの悪人を、正義の味方である検察がお仕置きをする
というコンセプトを打ち出すことができました。
その結果、検察の支持が高まったわけです。

芸能人の薬物についても同じで、
 普通の人ならば、たいして報道されません
が、
 お金持ちのセレブである女優を、お仕置きをする
というコンセプトを打ち出し、過剰に報道しました。

 世間の関心が高い事件ですから。
と、マスコミは言いますが、
本心に、言いかえれば、
 視聴率が取れる事件ですから
ということです。

こうした傾向は、貧富の差や教育格差が拡大していけばいくほど、高くなっていきます。

そして、豊かなものに対する憎しみまでに至ったときに
 革命が起こる
ことになるわけです。


一番よいのは、共存共栄型の社会で、
 すべての人に仕事があり
 すべての人が生活できるだけのお金をもっている
社会です。

そして、
 さらに、努力し、成功した人にはより多くのお金が手に入り、
 その人が、自発的に社会に還元する
という優しい社会だと思います。


貧富の差が拡大し、皆が貧しくなっていくと
 衣食足りて礼節を知る
というように、
 殺伐とした社会になっていき、自分だけよければよい
と考える人が増えていきます。

貧しいものは、豊かなものへの嫉妬と、怒りを持ち、
自分の生活保護費が少ないと愚痴を言うようになり、
 累進課税をもっと上げよ
 相続税をもっと徴収せよ
というようになります。
 地方の国会議員には、国に補助金をもっと出させよ
 公共事業をもっとやれ
というようになります。

 子供手当の額を上げよ
 失業保険の受給期間を延ばせ
というようになります。

知的成長戦略を練り、知的に成長を果たした人や企業は、
 その国でなくても生活できるようになり、
 拠点を海外に移す
ようになります。


共産主義社会が崩壊したように
貧富が拡大し、固定化した社会は、
多くの貧しいものの突き上げにより、政権を維持のために多額の給付を余儀なくされ
 財政破たんに陥り崩壊する
ことになります。

今、アメリカ国民が最も恐れ、オバマが支持率を下げている理由の根本には、
 医療制度改革による財政負担増に対する懸念
があるといわれています。
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