知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

分断は世界中で起きている。

2022年06月20日 | 国家論
日経電子版より引用
【パリ=白石透冴、ブリュッセル=竹内康雄】
19日投開票のフランス国民議会(下院、577議席)決選投票で、
マクロン大統領が率いる与党連合が議席を大きく減らし、過半数を下回った。
改革推進のための法案成立が難しくなる可能性があり、政権に打撃となる。
左派連合が躍進し、野党最大勢力となる見通しだ。

仏内務省によると、与党連合の議席数は改選前の346から245まで減った。
最大勢力を確保したものの、過半数ラインである289議席を大きく下回る。
ドモンシャラン環境相がパリ南郊の選挙区で敗れるなど各地で苦戦した。
選挙前にマクロン氏は「フランスが自立性を保つために、安定した過半数が必要だ」と仏メディアに語っていたが、
訴えの効果は上がらなかった。

急進左派「不服従のフランス」のメランション党首が率い、
中道左派社会党、環境政党欧州エコロジー・緑の党(EELV)などを含む左派連合は131議席となった。
極右国民連合は改選前の6から89まで大幅に議席を積み上げた。
野党最大勢力が急進左派系、野党第2勢力が極右という戦後の仏政治で例を見ない議席配分だ。

******
フランスの物価高に対する不満が、与党連合・マクロンを直撃した形です。

日本の物価高は、世界的な水準からは抑えられています。
立憲民主党の政策担当者の小川議員が、NHKの番組で
 アベノミクスでたまりたまったものが、物価高と円安で現れた
と言っていましたが、
 円安は、アメリカがインフレ抑制のため金利を上げていること
 物価高はウクライナ侵略
が主たる原因です。


生活が苦しくなると、
 現状を変えたい
という思いが強くなるため、
 与党から野党へ票が流れる
ことになります。

その流れた先が、
 左派連合

 極右といわれるルペン率いる国民連合。

個人的には、
 大統領選からのルペンの躍進
のインパクトが大きいと思います。


極右は、自国ファーストで移民抑制などを掲げています。
EU法よりフランス法を優先させ、国境の管理も強化したいと考えています。

これに対し、左派連合は、大企業やお金持ちに重税を課し、配分したいという
 世界共通の共産主義的思想。

中道であった与党が破れ、
 両極端に票が流れた。

ただ、
 下院選の投票率は46.2%で、過去最低だった前回17年の42.6%に次ぐ低さとなった。
とのこと。

不満を持った市民が立ち上がって、政権与党が敗れたということではなく、
 前回、与党に投票した人が、考えをそれぞれ両極端に変えた
ということ。

つまり、
 自分の生活が苦しい
という理由を、 
 移民や、EUなど自国優先の政策ができないからだ
という人は、
 極右を支持。

 大企業やお金持ちが搾取しているからだ
という人は、
 左派連合を支持。

このような「理由」をどこに求めるかで、分断が起きているということです。

これは、どの国でも起きうることだと思います。

日本で考えるなら、
生活が苦しい理由を
 大企業やお持ちが搾取しているからだ
という人は、
 共産党やれいわ。

 行政改革が進まず、規制が多いからだ
という人は、
 維新。

こういう扇動型の誘導は、
 PRがうまくいくと効果を発揮する
ことになります。

知的な有権者であれば、
 このような要素以外に、政策を吟味し、支持政党を決める
ことができますが、
 そもそも、マニフェストを読むのは面倒である
という場合、
 直結する印象で、票を決める
ことになります。

NHK党のようなシングルイシューのアピールも同じ意図です。

日本の場合、
 既得権益ががっちり票田を抑えている
ので、
 浮動票の割合が他国と比べて少ない
と思いますが、
 それでも、浮動票は、わかりやすさやイメージで動く割合が多い。

*****
昨日のNHKの各党の政策担当者の議論では、
 やはり高市議員の能力の高さと安定感が光っていました。

れいわの政策担当者は、
 品がない言葉を連発し、「大企業=悪」「国債を発行して、お金をばらまくべき」で、
 公明党の政策担当者が勢い余って、「いつでも給料は上げられる」と言ったことを
 ここぞとばかり、ねちねちつついていました。

共産党は、
 戦争反対、自衛力を強化すれば相手はさらに強化する、話合いで解決すべき
という、
 他国の利益の代弁者
となっていました。

他国からすれば、日本の自衛力強化は、侵略の際のネックとなるので、
 是非ともやめてもらいたい
と考えているわけです。

自民党の高市議員は、
 自分の意向は異なることも、政調会長という役割から
 岸田、林、茂木に対する不満は心に秘めつつ、大人の対応をしていました。
防衛予算を5年で2%まで持って行きたいというのは、
 本人は、できるだけ早くしたい
という思いがあるものの、
 予算面での調整を考えると、こういう言い方しかできない
わけです。

 外交を専門的に学ばなくとも、
 自衛力を強化しないと、まずいことになる
ということは、
 ウクライナや香港、南シナ海の基地の拡大から明らかです。

 占領された後に、返してくれと言っても絶対に返してくれない。
 話合いで解決などできない。
 弱肉強食の現実に目を向ける必要があります。

そうしないと、知らないうちに、自分が弱者となっていて、
 大切な人や自分が、食べられてしまうのを見ながら、
 もっと強くなっておくべきだった
と後悔しながら、
 死んでいくことになるからです。

大切な人を守るために、
 知的にも、実力としても、強くなる
必要があるわけです。

そのために、
 勝てるように、戦略をきちんと立て、コツコツ努力を継続する。

お金を稼ぐことも、国を守ることも、同じです。

分断は、
 こういうことに、価値を見いだすか
 それとも、他人のせいにしたり、話合いで解決できると安易に信じたりして、努力を怠るか
により、生まれることになります。

分断の時代は、そういう時代です。
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