知的成長戦略論-クールに生きる

かっこよく生きるためのメモ。
知的に成長し、どんな状況でも平静を保てる力を身につける。

税と福祉

2018年07月19日 | 国家論
障害福祉サービス事業所に行く機会がありました。

ペットボトルの再生業務を車いすの方がラベルを外すなど、
簡易な業務を行っていました。
ゴミの臭いが漂い、暑い中大変な仕事だと感じました。

その事業所は居住型であり、仕事が終われば、
施設内の部屋に戻ります。

障害者就労施設は、地方自治体レベルで運営されています。

もちろん、ビジネスとして成り立つものではないため、
補助金など税金が使われています。

ただ、こういう使途であれば、税金が使われることも支持が得られると思います。


税金は、「社会」を作るための必要経費です。
必要経費は、財力によって負担金が決められています。

国家が「国連」を作り、国々の財力によって、
「負担金」が定められているのと同じ。

負担金の額は少ない方がよいですが、
 社会のメンバーも最低限の生活が送れるようにする
ことが、
 社会のため、ひいては、自分のためにもなる
というのが、
 社会契約論の背景
にある考え方です。


誰でも、事故などで障害を負うリスクはあります。
その際に、他の者が手を差し伸べる。
社会や国家が必要な理由はそこにあります。


自助努力を強調しすぎると、
 弱肉強食の世界
となり、
 生きるのが難しい社会
となります。

そこで、
 福祉の観点で修正をする。

 修正資本主義
といわれています。


ただ、問題は、
 福祉という衣を身に纏って、
 私欲を満たそうという存在がいる
ということです。

また、たちが悪いのは、
 悪いことをしている
という自覚がまったくないということです。

その結果、
 本当に必要なところに税金が回りにくくなっている。

例えば、福祉関連に補助金が使われる場合、
 厚生労働省が関係する団体
がくっついていたりします。

そういう団体の給与や退職金にかなりの額が当てられています。
そして、
 実際にそういう人は利益を生み出す仕事をしていない。
そのため、
 障害者施設にダイレクトに投入できる仕組み
を作ることが重要なわけです。

ちなみに、そういう団体の役職に就いた人は、
 税金をかすめとっている
という意識は全くありません。

もらって当然であるという認識です。

「補助金あるところ、元官僚あり」
補助金のピンハネが行われているとみることもできます。


地方分権の最大の利点は、
 地方自治体レベルで、税金の流れが分かりやすくなる
ということです。

仕組みをシンプルにできる。
そのため、ピンハネを見つけやすい。

官僚としては、
 仕組みを複雑にしておいた方が、国民からピンハネが見えにくい
ので、
 税金の使途に対する不平不満を抑制できる
ため、有利になります。

会計検査院の検査はあってないようなものです。


消費税増税も、
 福祉のため
といって国民の反対を和らげていますが、
 まずは、ピンハネをなくすことが重要だと思います。

やるべきことは、
 税金の使途の監査の強化

 行政のスリム化
です。

ところが、
 参議院の定数を、時代に逆行して6つも増やす
など、行政や国体をスリム化する方向には向かっていないようです。

スピード重視の現代においては、
 参議院は廃止してもよい
と思います。

参議院の意味は、かつての貴族院のように、
 有権者間において、様々な利害関係がある場合に、
 異なる視点から審理を再度行い、
 他方を牽制すること
にあります。

平民と貴族で、平民に好きに決めさせると、貴族がないがしろにされる。
そこで、抵抗する権限を持ちたい。

参議院も同じように、
 「良識の府」として、立候補できる年齢を30歳以上とし、
 選挙方法も変え、冷静な判断ができる人を当選させるようにする。

すなわち、衆議院だけだと、暴走する危険があるから、
 慎重に「良識の府」で再審理して決めるべきだ。


ただ、21世紀において、スピードが重視され、
 選挙方法も大して変わらず、
 参議院議員が知的というわけでもない現在において(衆議院のカーボンコピー化)、
 2度の審理が必要なのか
というのが、参議院不要論です。


憲法も国家体制も時代に応じて変えていくべきものなので、
 憲法改正
については、議論されるべきだと思います。

ただ、
 国民が幸せに暮らせるようにするためには、どうしたらよいか
という目的が必要になります。

参議院の定数増が、
 国民が幸せに暮らせるようにするため
とは、とても考えられません。


健康で、働けて稼ぐことができるのは、幸せなこと。
だから、生まれながら働くことができない人や、事故や災害に遭われた人のために、
 税金を払って下さい。
そう言われたら、
 喜んで払うと思います。

それが、
 国会で寝ていたり、大して勉強していない国会議員、党利党略のやじばかりの国会議員のために、
 払ってください。今回6人増やしました。
と言われても、
 払う気が失せると思います。


税金の使い方を、きちんとチェックしたり、議論する場がないのが残念です。

国民から徴収する際は、マルサが目を光らせているのに、
それを使う際には、たいしたチェックがないというのは、
 制度の欠陥
だと思います。

ちなみに、憲法は国会議員がチェックできると考えているわけですが、
 国会議員のレベルが低く、党利党略のことばかり考えるようになると、
 予算の審議ではなく、ワイドショーのようにスキャンダルを追うようになるので、
 財政民主主義が機能しなくなる
わけです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする