人里離れた深山幽谷の名にふさわしい土地に有り、名前の通り多くの株立ちから成る、桂独得の樹姿を持つ巨木です。
<桂道よりの高根第2ダム湖>
前回紹介の平湯オオネズコより、直線道路が無く大きく迂回、約2時間、60kmの長丁場を駆け抜けてやって来たここも乗蔵南西山麓、高根乗蔵湖と並ぶように有る高根第2ダムサイト。
高根第2ダムサイトを走る国道361号線沿いに、モダンで簡素な遷座してこの地に移設された道俊神社が鎮座している。
この道俊神社を鎮守としていた大古井集落はダムに沈み、全村離村、心のより所として神社だけは高みに移され残されたようです。
神社右手脇に手造りの千本桂への案内板がありその通りに10分ほども山道を登ると、自然を一杯に取り込み、神々しい程の空気感の中佇む桂の巨木に出遭う。
根元には簡素な板造りの祠が在り、この桂の巨樹が信仰の対象であることを窺わせて呉れる・・・・多分、山の神信仰なのだろうが??
圧倒される迫力とそれに伴う質量を持ち、岐阜県の天然記念物に指定されている。
株立、数本の中心支幹を取り囲むようにヒコバエが無数に起ち上がり、まるで何匹もの龍が大空へ駆け上る様にも見えなくはない。
桂の巨樹は一里四方の水を集めて成長すると言われ、龍は雨を呼ぶと言われているように、なんだか農耕神としての信仰も重なっているのではとの思いも抱かせる。
樹齢約300年以上 、目通り16.2m、樹高35m・・・、なんとも自然一杯の中で伸び伸び育つ、まだまだ元気な桂の巨木です。
撮影2009.9.21