巨樹、巨木巡礼

僕が訪ねた大きな樹を紹介していきます。

伊那市西箕輪 前平のサワラ

2012-01-17 | 長野県

前回の中曽根の桜より約2km西方、中央アルプス山裾、吹上地区の最奥に集落を見下ろす様に鎮座する産土神。

この地はもう海抜930m、中曽根の桜が海抜820mだから2kmで約100m以上も高みに有る事になる。

檜(ヒノキ)の亜種であるサワラは檜より成長は早いが木質が柔らかいため建築資材としては余り長方されないとか・・・。

夏草が伸び放題で余り人も近づかないような境内、石段を上がった社殿脇に聳えるサワラの巨木はその先端を落雷に打たれ頂部を欠損、有るべきものが無い空虚さが痛々しく感じられます。

サワラ王国の長野県に在って県下一と言われるこの吹上神社の御神木は推定樹齢約1000年、目通り8.0m、長野県天然物指定と記されています。

まっすぐ中天を目指して立ち上がるサワラの樹肌には威厳に満ちた風格を感じますが、なんとも頂点を無くした樹脂は中途半端な印象です。

主幹に大きな藤蔓が絡み付きまるで昇り竜のような・・・・傍の社倉が小さくみえます。

名称が前平のサワラと成っているが、そんな地名は地図上で確認できない。

今に始まった事ではないが、近頃の市町村合併でもまたまた歴史的地名が失われ、なんとも歯がゆい想いをすることが多過ぎる

撮影2009.7.19