ここに紹介するこのかつらの巨木はあまりにも見つけにくく、又NETの検索でも見つけることは出来ない。
環境庁のデーターにも洩れてしまっていて不審に思う。
僕がこの木の存在を知ったのは、たまたま紀州のホテルで宿泊した折に知り合った奥熊野在住のかづらアート作家、原秀雄さんの助言に拠るものでした。
熊野市育成町大丹倉近くの谷に大桂が有るという情報でしたがいくらネット検索しても出て来ません。
ただひとつ気になる情報が熊野市の巨木紹介コーナーに有る一の水のカツラの巨木(有馬町)という情報でした。
熊野市の有馬町は海岸沿いの町で花の窟神社があって以前にもその辺りでこの桂のことを聞いたのですが知らないということでした。
今回は、大丹倉近くで聞けば何とか成ると、大丹倉そのものにも出会いたいという気持ちもあって紀伊半島を縦断しました。
熊野市育成町は紀伊半島大台山系の真っ只中、和歌山県の飛び地である北山村から尾川川の渓谷沿いに約10kmほど遡った所が育成町赤倉、そこまでの渓谷沿いは注意怠り無く小さな看板まで見落とさず来たのだが何の表示板も見つけることは出来なかった。
赤倉から、大丹倉へは更に林道のような道を車で約20分ほど進むことになる。
この間もしっかり表示板の確認をしながら進んだが何の収穫もなし、ただただ深山幽谷は深まるばかりです。
大丹倉の絶壁から雄大な風景を眺めて帰りがけに地元の人に出会ったので桂の巨木のことを訊ねて見るとこれが大当たり、しっかり教えていただきました。
この大丹倉に来るまでに右手に折れる林道があってそれをどんどん進むと表示看板があり、桂は底の谷底にあるという。
教えられる通りに進むとやがて左手道路わきにそれらしき表示板が現れるが固有名詞も無く、なんとも寂しい
車を降りても深い木立ばかりでまったく桂の巨木のこずえさえ見えない。
表示板はあるがこの先どう進むのか何の説明も無く、谷底に向かう踏み分け道らしきものもまったく見当たりません。
しょうがないので聞いてた通り、まったく道なき崖を谷底に向かって降りて行きました。
とにかく急なV字谷で木立を持ちながら下ると、谷底に巨岩がごろごろしていて目の前に巨大な桂がそびえていました。
川岸なのか川の中なのかよくはわかりませんが回りはまだ芽吹き前の雑木がとり囲んでいて、なかなか写真になるようなアングルが見つけられません。
長らく人など入った事も無い様子、自然のあるがままの姿で、太い幹が1本倒れてそのまま朽ち果てていました。
桂特有の樹形で、7~8本に分かれた主幹が株立ちしています。
樹齢は良く解りませんが500年ぐらいのものでしょうか??
幹周り約10mばかし、樹高は約30mといったところでしょうか??、ただただ深山幽谷に人知れず立ち尽くしているように見えました。
夏場はとても近づけそうに無く、ここでなら、誰の邪魔もされずに大自然のままで、その命をまっとう出来そうです。
しかし、これではどうNETで検索しようが出てきそうにないと言うことが納得できました。
PS:後ででよく調べて見ると桂の有る辺りは熊野市有馬町で、近くには一ノ水峠という地名も有り熊野市の巨木紹介コーナーの情報に納得、名称は取り敢えず「一ノ水のカツラ」としておきました。
尚、谷川の名前はわかりません。
撮影2009.3.28