花の時期になると誰もが訪れて見たいと思うに違いない日本3大桜の雄、根尾の淡墨桜を花のない時期に訪ねた。
花の有る時期に訪れたいのはやまやまですが、桜街道と呼ばれる県道255号線はびっしり車が数珠繋ぎだそうで、せっかちな僕などとてもよりつけそうにない。
ここを訪れた昨年10月初めの朝9時前、まったく人影もなく勿論売店も休業中、ただただ静寂の中の孤高の巨木という風情でした。
花のない淡墨桜、高齢ゆえに支柱で支えられ、主幹には大きな洞が痛々しくも見えますが、年輪を重ねた太い幹は風格と威厳に満ち満ちていてその歴史の重みを充分すぎるほど感じさせてくれます。
淡墨桜は蕾のときは薄いピンク、満開に至っては白色、散りぎわには特異の淡い墨色になり、淡墨桜の名はこの散りぎわの花びらの色にちなんでいるようです。
樹齢は1500余年と推定され、樹高16.3m、幹囲目通り9.91m、枝張りは東西26.90m、南北20.20m。、継体天皇お手植えという伝承がある。
淡墨桜のいわれの一つとして・・・・・・・。
尾張の国で生まれた男大迹皇子は、当時の事情から生後まもなく根尾村に隠れ住んだ。 そして二十九歳の時に、仁賢天皇の即位に際し、迎えられて都にのぼることになる。
その折りこの地を去るに当たり、名残を惜しむ人々に形見として植えて行ったのがこの桜だという。
王が残した一首の歌がある。
身の代と遺す桜は薄住みよ 千代に其の名を栄盛へ止むる
撮影2008.10.4