まるで鍾乳石を全身に纏ったような、なんとも凄い形相・・・・・、小さな里山集落の小さな鎮守「天満神社」境内脇に立ち尽くしています。
この地は高野町新市、中国道庄原ICより国道432号で40kmほども北上した比婆山系、鳥取県との県境も近い谷間の山里。
国道から集落を突きぬけた長閑な里山風景の山裾に巨大な枝をいっぱいに広げる公孫樹が見える。
比婆山系の遅い春は四月中頃だと言うのにまだ梢に若葉も萌え出さず冬姿のまま。
地表まで垂れ下がり、また芽吹くだろう気根は永久の命を与えられ、まるで蠢いているようにさえ見える。
数多い広島県下の公孫樹の中では最大と言われ、目通り9.6m、樹齢約1000年とも言われています。
神木として崇められ、また名の通りいっぱいに乳房を垂らした姿そのままに地域と共に生き抜いて来たのだろう・・・。
老樹としての風格と、見ごたえの有る生きとし生けるものが造り出す自然の造形に驚嘆せずには居られない。
まだまだ元気そうで多分そう遠くない時期に地中に入り込んだ気根から次世代の新芽が芽吹くだろう・・・・。
広島県の天然記念物に指定されている。
撮影2009.4.18