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アメリカ下院弾劾決議案可決しただけ!?

2019-12-24 00:32:20 | アメリカ政治
アメリカ連邦下院はトランプ大統領弾劾決議を可決したが、上院に提出していない。アメリカ憲法上、大統領弾劾裁判は上院の占有事案であり、下院可決だけでは、弾劾と言えるかどうかも怪しいという見解があるほどだ。

今回の弾劾騒ぎ(?)の主役は、間違いなく Nancy Pelosi 下院議長だ。オバマ政権時代に ObamaCare を可決させた大功績があり、民主党を一枚岩にする剛腕には定評がある。2018年中間選挙で民主党が過半数を奪回し議長に返り咲いた時には弾劾に否定的であったが、唐突に調査開始を宣言し可決まで一気にやり切った。

疑問点は二つ。弾劾すると決断した理由と可決後上院への提出をためらっている事だ。

弾劾調査開始記者会見では、ウクライナ大統領との電話を一番の理由に挙げていた。推測としては、調査開始の根拠となる電話内容の情報が誤りだった可能性が高い。調査をしたインテリジェンス委員会委員長がホイッスルブローワーと通じており、弾劾確実であると歪曲操作した情報を伝えたのだろう。(民主党関係者はトランプ大統領に関しては、ロシア疑惑から嘘ばっかり(Fake News)なのだが、党内部でも情報が錯綜して混乱させているのではないかと思う)

審議中への世間の関心が盛り上がらない上にトランプ大統領の支持率が上がっており、トランプを追い落とすどころか逆効果になっている。

可決したものの、上院に渡してしまえば審議等のコントロールが効かなくなるので、民主党にとっては不利な展開になる。一つはスケジュール問題。来年は大統領選なのだが、民主党の有力候補は上院議員でもあるので弾劾審議で選挙活動が著しく制限される。又、弾劾の焦点となったウクライナとの電話内容は、民主党の有力大統領候補であるバイダン元大統領とその息子の件であり、下手をすると元大統領の汚職疑惑に発展する可能性がある。

上院で弾劾可決される事は 99.9% 無いので、トランプ大統領は弾劾決議案が上院に提出されるまで、Nancy Pelosi 下院議長と民主党を煽りまくるだろう。もし、上院に行けば共和党に有利になる様な展開となるのは間違いない。

トランプ弾劾は2020年大統領選の一部であるが、現時点では民主党の下手打ちで逆にトランプ再選の可能性が高くなっている。

大きな流れとしては、民主党が得意としてきたマスコミを巻き込んだ共和党への攻撃が、最強のカウンターパンチャーであるトランプに打ち砕かれている。(共和党議員もこれまでとは違い踏みとどまっている)

今回の弾劾を通してハッキリしたのは、民主党議員、(弾劾支持の)大手マスコミは狂っている事だ。

いよいよ来年は大統領選挙、アメリカ政治の醜い部分がまだまだ出てきそうだ。

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