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ヒラリー、最後の公職!?

2010-12-05 08:27:07 | アメリカ政治
この一ヶ月位、ヒラリーがあちこちのインタビューで2012年(2016年も併せて)の大統領選挙に出馬しないとコメントしている。念の入ったことに、現在の国務長官職が最後の公職になるだろうとも発言している。

国務長官就任以来、国内政治と一線を画していたので流れとしては自然なのであるが、今年の春くらいまでは大統領職に固執している様なコメントを聞いたりしているので、密かに驚いている。

ヒラリーの発言を額面通り受け取ると、大統領選不出馬よりも今後公職に就かないという決意のほうがインパクトが強い。ゲーツ国防長官は来年引退することを公表しており、ヒラリーが後任になると言う憶測が早い時期からあった。国務長官、国防長官を歴任した人は少なく、女性としては勿論初であるので自身も色気を見せていたと報道されていた。もう1つの噂は副大統領就任だ。バイデン副大統領が辞任(罷免?)とかではなく、オバマ大統領2期目の副大統領候補になるというものである。(ヒラリーが2012年の民主党の予備選に敗れたらという前提で、だと思う)

この発言の解釈は二通りで、本気でそのまま額面通りが1つ。深読みとしては、現職のオバマ大統領に表立って楯突けない民主党の煮え切らない議員達に2012年は自分を大統領候補にしろとの強烈なメーッセージということだろう。

個人的には額面通りに受け取って良いのではないかと思う。2004年に民主党予備選に出馬しなかのであるが、これは2000年にニューヨーク州で上院議員になったばかりのとき、(本人も最後まで迷っていたのだが)2004年の大統領選への不出馬の公約を律儀に守った清々しい過去がある。男気が有る人なのであろう。

思うに、彼女は政治に疲れ、アメリカの政治システムに深く絶望しているのではないだろうか?

一番の要因は、ObamaCare の成立にあると思う。ファーストレディー時代に連邦議会を強烈にリードして医療保険改革法案を通そうとしたのだが失敗に終わっている。(ヒラリーは自分の政治力の未熟さを認めている)20年の時を経てオバマ大統領の元で成就した事で、初の女性大統領以外の歴史的な業績は残っていない事、又,成立までの経緯や成立後の廃案運動の高まりなど目の当たりにして、手垢まみれでぐちゃぐちゃな ObamaCare のお守り(もしくは廃案後の敗戦処理)をする気が湧かないのではないかと思う。

今後は、世界の女性と子供のために活動したと語っているが、国務長官の職務を通じて筋金入りの正統リベラルの純粋な理念に気持が戻って行ったのではないだろうか?

民主党のなかで、ヒラリー以上にアメリカ大統領に相応しい人は存在しない。経験、能力ともにピカ一だと思う。オバマなんて足元にも及ばない。

但し、国務長官を辞めた後は公職に就かず、世界の女性と子供のために尽力するほうが、世界にとってもアメリカにとっても幸せなのは間違いない。


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