"Armed with a strong yen" (The Economist 12-17-11) )の記事に掲載されている上のグラフを見ると、今年は、円高もあり日本企業による海外投資が金額、件数ともここ15年で最多になっている。
企業も内部留保が堪っているし、日本国内、その他の先進国ではリターンと成長が期待出来ないので、エマージングマーケットへの投資が多い。例としては、キリンビールのブラジルビール会社、武田製薬のスイスの会社(途上国に強いらしい)の買収が取り上げられていた。
過去には、ゴルフ場やロックフェラー等の不動産や映画スタジオを買ったりという、成金買収スタイルであったが、今回は、発展途上国の事業買収が中心で、以前とは違うという分析になっている。その上、日本から直接管理したりせず、海外経験が豊かな日本人経営陣が、才能のある現地従業員を上手く活用するとの予測がしてある。
日本の引退世代が、資金の必要な他国の若い世代に働いて貰って、海外投資が配当を生み、貿易収支の黒字を確保出来るだろう、という安易な結論がくっ付いている。(日本は、貯蓄率の低下にも苦しんでいるのではなかったか?)
だから、今回は違うぞという事なのだろうが、本当だろうか。
海外から搾取する為には、厳しく数値目標を決めて管理していかなくてはならない。もし,そんな事が出来るのなら、日本国内でも、もっと違った事業展開になっている様な気がする。
挿入イラストも、時代遅れの(サムライ)日本人が、効率悪く金をバラまきながら、着地点に地面は無く、馬も不安そうな表情している、という風に見えてくる。日本を持ち上げている様な記事であるが、本当は、皮肉っているのかも。